映画の海

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⑦なぜやったのか?

映画『パーフェクトブルー』ネタバレなしの感想。今敏監督の名作カルトムービー

投稿日:4月 18, 2019 更新日:

■評価:★★★☆☆3.5

「中毒性の強いドラッグムービー」

【映画】パーフェクトブルーのネタバレなしの感想、レビュー、批評、評価

3人組のアイドルグループCHAMに所属する霧越未麻(きりごえ みま)は事務所の方針で女優になるため、グループを卒業する。最初の仕事は連続ドラマでのひと言のセリフのみで、その後はレイプシーンやヘアヌード写真など過激な仕事をこなしていく。アイドル時代とハードな女優生活のギャップに戸惑う未麻は、精神的に追い込まれ、幻想に悩まされるようになる。

見る人を選ぶ評価の難しい映画。
性描写やゴア描写も多少は見られるので、家族やカップルで見るような類のものではない。

ストーリーが進むにつれて未麻は、ハードな女優業や、とあるインターネットサイトの存在で追い込まれ、アイドル時代の自分の妄想を見るようになる。
現実と幻想の境目がはっきりしていないせいで、見ているこっちは困惑する。
そのため、一度見るだけでストーリーの筋をスムーズに追うことは難しい。
ハードな描写とともに、この点も一般の映画好きユーザーには向かない点の1つである。

これは今敏監督が意図的に行っている演出で、
wikipediaには『「境界があいまいになる」というモチーフに興味を抱いており、本作へ「夢と現実の交錯」というテーマを新たに加えた』と書かれてある。
このような演出を加えることで、ミステリアス感を漂わせたり、トリップ感を視聴者に与えたい狙いがあるのだと思われる。
ストーリーを理解しづらくなるデメリットはあるが、私自身嫌いではない。
アイドルという華やかな業界は、普通のOLや主婦と比べてより強烈な欲が集まる場なせいか、闇が根強くなるイメージがある。
そのため、こういう演出がより効果的となるのだろう。
例えば「マルホランド・ドライブ」という映画では、ハリウッド業界の闇をやはり夢という幻想で描いている。

今敏監督の公式HPである「KON’s TONE」の「パーフェクトブルー戦記」では、企画から完成までの記録が書かれているので、興味ある人は見てみるといい。
「初監督」という魅惑に引き受けてしまい、アイドルというものに関心がなく、脚本作りに苦悩する様子などが描かれてる。
あとwikipediaに現実ラインのストーリーが最後まで書かれているので、見終わったあとに確認することをおすすめする。

不満点を挙げるとしたら、主人公の動機が描かれていないところ。
なぜ精神を病むほどに、レイプシーンやヘアヌード写真集などのハードな仕事をこなす必要があったのか。
辛いのなら辞めたらいいのに、と彼女に逃げ場が残されている点は気になる。
例えば病気がちの母の治療費が必要で、芸能界の仕事が割に良かったとか、
あるいは弱味を握られていて事務所の社長の言いなりになるしかなかったなど。
中盤辺りから陰惨な事件が発生し、この事件の謎こそがこの映画の一番の見せ場なので、そこに拘る必要はないと判断されたのかもしれないが。
細部にまでこだわってくれた方が個人的には嬉しかった。
ただ謎解き部分のミスリードの誘い方は丁寧で、結末は全く予想できない展開となった。

パーフェクトブルーの作品情報

■監督:今敏
■出演者:岩男潤子 松本梨香 辻親八 大倉正章
■Wikipedia:パーフェクトブルー
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):76%
AUDIENCE SCORE(観客):88%

パーフェクトブルーを見れる配信サイト

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Netflix:-
※2019年5月現在

関連性の高いおすすめ映画

パーフェクトブルーの裏ジャンルである【なぜやったのか?】に分類されるおすすめ映画。

『うる星やつら2ビューティフル・ドリーマー』★★★☆☆3.5
学園祭を翌日に控えた友引高校の生徒たちは、連日泊まり込みで準備を行っていた。2年4組のラムたちの担任である温泉マークは疲れてノイローゼとなり、時間の感覚がおかしくなって「学園祭の前日」毎日繰り返されていることを保健医のサクラに指摘する。

タイムループ物で、サクラが中心となり、この現象に巻き込まれた原因を調査する流れで話は進む。後の訪れる荒廃化した世界がとても魅力的。なぜ終末世界ってこうも美しく見えるのか。

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※2019年5月現在

ヒドゥン・フェイス』★★★★☆4
若手指揮者のアドリアンは仕事の関係で、恋人ベレンとともにコロンビアに移住することに。ある日、ベレンが謎の動画メッセージを残して姿を消す。傷心したアドリアンは、バーの店員であるファビアナと恋に落ちる。アドリアンの家で二人は同棲することになるが、ファビアナはそこで怪奇現象を体験することに。

アマゾンで、関連おすすめDVDに出てきて、やたらとレビューが高かったので試しに観てみて大当たりだった。コロンビアの映画らしく、日本語吹き替えもないマイナーな作品だ。でも、シンプルなミステリー映画なのでクセもなく見やすい。セクシーシーンも多いが、それが目的にはなっていない。ヒロインは彫りが深くないため、日本人ウケする美人女優。

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Amazonビデオ:○(字幕版)
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※2019年5月現在

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。