映画の海

約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

⑤人生の節目

映画『ももへの手紙』ネタバレなしの感想。田舎のノスタルジックな雰囲気に癒される

投稿日:4月 19, 2019 更新日:

■評価:★★★★☆4

「心が疲れた人向けのリラクゼーション映画」

【映画】ももへの手紙のネタバレなしの感想、レビュー、批評、評価

事故で父を亡くしてしまったももは、母親のいく子が昔住んでいた瀬戸内海の「汐島」に移住することに。ももは、父が亡くなる直前にちょっとしたことで喧嘩してしまい、今でも心残りとなっている。さらに父は「ももへ」とだけ書かれた手紙を残していた。ある日、島での生活に馴れずにいたももの前に3匹の妖怪が現れ、家に住みついてしまう。

前回の記事で扱った「パーフェクトブルー」が思った以上に自分の好みだったため、今敏監督の別作品も観てみようと思ってアマゾンで検索していたところ、『この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています』項目でこの作品が出て来た。
口コミが良かったのと、あらすじが気になったのでレンタルしてみたたら、思った以上に癒されてしまった。

季節は夏、舞台は田舎で母が病気、さらに登場キャラクターに人外がいる。
誰もが宮崎駿の「となりのトトロ」を連想させるだろう。
(※病気の母の療養のため、田舎町で過ごすことになる父と娘2人の物語)
が、筋の面白さとしてはトトロよりもこちらの方が軍配に上がる。

そもそもトトロは、終盤で母の調子が悪くなったことで、勝手にメイが騒いでいなくなるっていうところが最大の対立となっている。
画としての面白さや美しさ、あとはキャラの魅力もあり見所は多いのだが、
大人になった今、私はまた観ようというモチベーションはあまり湧かない。
それに対してこの映画には、すでに亡くなってしまった父に対する後悔や、それをどう乗り越えるのか、
といった分かりやすいハードルがももに与えられており、
親とケンカしたり、あるいは子育てに苦労した経験したことがある人など、大人が鑑賞するに耐えられる作品となっている。

ストーリーだけじゃなく、画の魅力にも溢れている。
キャラクターの動きがとても細かく、見ていて心地いい。
これは日本の実力派アニメーターが結集している点があげられる。

声優陣も素晴らしく、いく子とももはとても耳障りのいい声だった。
妖怪三人衆もユーモアに溢れていて、次にどんなことを言うのかワクワクしながら見入ってしまった。
女性の声優に関しては、俳優が演じる方が自然でいいなあと、この映画を見て改めて実感した。
宮崎駿が「紅の豚」のオーディションの際に、女性の声優の声は娼婦にしか思えない、なんて発言をしているが。

例えば最近見た「けいおん」(※何の部活に入るか悩む高校1年生の女の子が軽音学部に入ることになり、仲間と成長を遂げる物語)の、
特に主役の平沢唯の男に媚びるような声には違和感を覚える。
ターゲットを男に絞っているせいなのかもしれないが、こんな声で演じられると女性にはすすめられない。
けいおん自体、私は好きだが、性別を選ぶアニメといった印象。

全体を通して、ももが受け身すぎるところも気になる。
もう少し自発的に動いてほしい。
自分なりに動いてみて失敗して、
誰かに助けてもらいながらも立ち上がり、
でもどんどん事態が深刻化して、
クライマックスの最大対立に繋がる――
といった流れがあった方がもっと筋のメリハリがついたはず。
日常系の凪な世界観も魅力的だったりもするので、これもありだとは思うのだが、違和感はぬぐえない。

私は正直、父への思い入れがあまり強くないため、そんなに感動することはなかったのだが、
世界観やキャラクターがとにかく魅力的で、
もものことも思わず応援してしまったので、観ていて幸せな気持ちになれる映画だった。
こういうアニメを見てしまうと、実写に戻るのが少ししんどい。

ももへの手紙の作品情報

■監督:沖浦啓之
■出演者:美山加恋 優香 西田敏行 山寺宏一 チョー
■Wikipedia:ももへの手紙
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):80%
AUDIENCE SCORE(観客):76%

ももへの手紙を見れる配信サイト

U-NEXT:-
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Amazonプライムビデオ:○(有料)
TSUTAYA TV:-
Netflix:-
※2019年10月現在

関連性の高いおすすめ映画

ももへの手紙の裏ジャンルである【人生の節目】に分類されるおすすめ映画。

『JUNO/ジュノ』★★★★☆4
高校生のジュノが幼なじみのポーリーの子を妊娠してしまい、ある決断をする。
7百万ドルの低予算で作られた映画だが、口コミが広がって最終的に興行収入2億ドルを超えてしまったモンスター映画。
製作費の3倍を稼げたら黒字になると言われる映画業界だが、この映画は30倍稼いでしまうという。
深刻な内容ではあるが、コメディ映画なのでとても見やすい。
ジュノの厭味のない口の悪さはクセになる。

U-NEXT:
Hulu:-
Amazonビデオ:○(字幕版)
dTV:○
ビデオパス:-
TSUTAYA TV:
Netflix:-
※2019年5月現在

『マレーナ』★★★★☆4
第二次世界大戦下、イタリアのシチリア島に住む12歳の少年レナートは、近所に住む人妻のマレーナに恋心を抱いていた。ある日、マレーナの夫は戦争で天に召され、父も空爆で命を落とす。徐々に落ちぶれていくマレーナを、レナートは見守ることしかできず……。
少年の激しい自慰行為は見所のひとつ。
セクシー描写もあるが、戦時中の海辺の町のノスタルジックな映像はとても美しく、
マレーナ自身、芯の通った内面を持つキャラクターなので、女性でも楽しめるはず。

U-NEXT:
Hulu:-
Amazonビデオ:○(字幕版)
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ビデオパス:-
TSUTAYA TV:
Netflix:-
※2019年5月現在

-⑤人生の節目

執筆者:

名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。