映画の海

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⑩スーパーヒーロー

映画『ヴェノム』ネタバレなしの感想。マーベル物初心者にも対応済み

投稿日:5月 1, 2019 更新日:

■評価:★★★☆☆3.5

「映像主義映画」

【映画】ヴェノムのネタバレなしの感想、レビュー、批評、評価

サンフランシスコで記者として働いていたエディは、カールトン率いるライフ財団がホームレスなどの社会的弱者をモルモットにし、大量に遺体を出す危険な人体実験を行っていた情報を恋人のアン経由で知ってしまう。上司の制止を振り切り、カールトンに追及するが、それが原因で会社をクビになり、巻き込まれる形でアンも職を失い、二人は別れる。半年後、すべてを失ったエディはライフ財団のドーラ博士に協力を煽られ、研究所に侵入すると、実験に用いられていた地球外生命体ヴェノムに寄生されてしまう。

ヴェノムはマーベル・コミックのヴィラン(悪役)キャラだ。
原作では、スパイダーマンによって誤報記事が暴かれたエディは職と妻を失ってしまう。スパイダーマンを逆恨みするが増悪を抑えるたびに訪れていた教会にて、ある日、ヴェノムに寄生されてしまう。二人は「自らは善、スパイダーマンは悪」といった信念を持つ。
といったストーリー。

私自身、マーベル物には特別な感心を抱いておらず、
初期のサム・ライミ監督版スパイダーマン1、2とデッドプールを鑑賞しているのみ。
スパイダーマン関連の権利はソニー・ピクチャーズが保有しているらしく、
何かと世間で話題となっているアイアンマン、キャプテンアメリカ、デッドプールやらはディズニーの子会社のマーベル・スタジオの物で、
スパイダーマンがアベンジャーズに参加しないのは権利関係によるものとのこと。

今回のヴェノムはスパイダーマン関連作ということでソニー・ピクチャーズの作品だが、
本作内にスパイダーマンが敵として出てくるわけでもないので、マーベルもの未視聴者でも楽しめるような作りになっている。

私がこの映画に関心を持ったのは、
海外批評サイト「rotten tomatoes」の批評家と観客のスコアの差が50%以上に離れている乖離率である。
映画オタクである批評家はつまらないと判断し、観客は面白いと絶賛した。
どんな秘密が隠されているのかと思って実際に視聴し、おおむね理解することはできた。
原因はテーマの希薄さと、キャラ造形の甘さ、それが霞むほどの強烈なエンタメ性である。

この映画は、エディとヴェノムとの「共生」がキーワードとなっている。
白人至上主義であり、女性蔑視とも取れる発言、メキシコ系移民に対して「彼らは強姦犯だ」などといった差別発言を繰り返すトランプ率いる現政権のアンチテーゼとなっている。
そんなテーマを孕んでいるのだが、肝心の主人公エディは、
ヴェノムに寄生されたことで、振り回されてしまい、能動性がほぼ削がれてしまっている。
エディは何もせず、ヴェノムの力のみで問題を解決してしまうのだ。

キャラが、深掘りがされていない点も気になる。
エディは正義感の強いキャラで、
彼女を裏切り、会社に反抗してまで自分の正義感を振りかざし、強い力を持つカールトンに刃向う。
なぜ大切なものを失う覚悟を持ってまで正義に拘るのか、そういった動機が一切描かれていない。
劇中でも言及されるが、エディはヴェノムにとってはただの乗り物となっている。
何なら後半は、エディとヴェノムは主人公の役割を交代してしまっている。
戦う強い理由はヴェノムにあり、エディはひたすら彼に付き合わされているだけなのだ。
もはや「共生」といったテーマもブレてしまっている。
強烈な動機に形成された意志で、エディはヴェノムと戦うことはできなかったのだろうか。
その結果として、自分より強い能力を持った敵と「共生」して立ち向かう構図が作られていたのなら、評論家も満足しただろう。
しかし、CGによるアクションや、ヴェノムの凶悪なルックスなど、見応えは抜群であり、
穿った見方をしない観客は普通に楽しめてしまう。
結果的には興行収入も素晴らしい結果を叩きだしている。

映画に対して、脚本がある程度陳腐でも、映像的体験を楽しませてくれたら満足する人向けの作品だ。

ヴェノムの作品情報

■監督: ルーベン・フライシャー
■出演者:トム・ハーディ ミシェル・ウィリアムズ リズ・アーメッド
■Wikipedia:ヴェノム
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):29%
AUDIENCE SCORE(観客):81%

ヴェノムを見れる配信サイト

U-NEXT:
Hulu:-
Amazonビデオ:○(吹替版)○(字幕版)
dTV:○
ビデオパス:
TSUTAYA TV:
Netflix:-
※2019年5月現在

関連性の高いおすすめ映画

ヴェノムの裏ジャンルである【スーパーヒーロー】に分類されるおすすめ映画。

『デッドプール』★★★★☆4
ニューヨークで日雇いのトラブルシューターとしてその日暮らしをしているウェイド・ウィルソンは、娼婦のヴァネッサと出会う。彼女と結婚の約束をするが、突然倒れてしまい、末期がんと診断される。馴染みの酒場で出会った男の誘いに乗り、極秘の人体実験を受けるが、驚異的な治癒能力と引き換えに全身火傷を負ったような醜い姿となってしまう。

ヴェノムのようなダークヒーロー映画。
X-MENシリーズの映画らしいが、これだけ見ても楽しめる。
特殊能力の描写が豪快で見応えがあり、むしろX-MENシリーズを1から見たくなるほど。

U-NEXT:
Hulu:-
Amazonビデオ:○(吹替版)○(字幕版)
dTV:○
ビデオパス:
TSUTAYA TV:
Netflix:-
※2019年5月現在

『スパイダーマン2(サム・ライミ監督版)』★★★☆☆3.5
グリーン・ゴブリンとの戦いから2年後。ピーターはスパイダーマンとして日々、正体を隠して悪投と戦いながら大学に通い、バイトをするハードな日々を過ごしていた。ヒーロー稼業が忙しく、大学は落第寸前で、バイトも失敗を繰り返してクビになってしまい……。

正統派ヒーロー映画の続編。
1は気が弱く、いじめられっこの高校生がヒーローになった物語だが、
2は強くなったことによる弊害に苦しみ、葛藤する主人公を描いている。
2単体でも楽しめる。
ターミネーター同様、1より2の方がシナリオ的に良く出来ている稀有な例。

U-NEXT:
Hulu:
Amazonビデオ:○(吹替版)○(字幕版)
dTV:○(2019.06.30まで)
ビデオパス:
TSUTAYA TV:
Netflix:-
※2019年5月現在

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。