映画の海

約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

⑨組織のなかで

映画『ぼくらの七日間戦争』ネタバレなしの感想。世界が敵に回っても、たった一人味方がいるだけで救われる

投稿日:5月 5, 2019 更新日:

■評価:★★★★☆4.5

「対組織映画の大傑作」

【映画】ぼくらの七日間戦争のネタバレなしの感想、レビュー、批評、評価

スカートの長さをチェックされたり、前髪は長いと切られ、朝礼中には教師にバッグをこっそり点検されては私物を捨てられるなど、校則の厳しい中学に通う生徒は学校に対する不満を募らせていた。ある日、学校や親に反抗するため、男子8人が集団エスケープし、近くの廃工場に立てこもる。

子供の頃、実家にこの映画のVHSテープがあり、なぜか私は異常に繰り返し見ていた。
最近アニメ映画化されるというニュースを見たので、なぜそんなに好きだったのか理由を知りたくてもう一度観てみたのだが、
その途中で大号泣してしまい、自分自身がビックリしてしまった。

この映画は裏ジャンルでいう「組織のなかで」に分類される映画だ。
組織に対抗するキャラを描くこのジャンルに、私自身が強い思い入れがあることをこの映画で気づかされることとなる。
国や文化は違えど、
恐らくほとんどの人間が、一番最初に戦う組織といったら『家族(親)』だ。
個人的な話なのだが、私は自己肯定感を奪われるような親(主に母親)から教育を受けてきた。
例えば、「あなたがいけない。あなたが悪い」といった何でもかんでも私のせいにする、といったことを言われ続けてきた。
実際に私が悪いのは母親が悪いのかはぜんぜん覚えていないし、今となってはどうでもいいことなのだが
何でもかんでも責任を押し付けてくる教育がイヤでイヤして仕方なく、よく母親とケンカしていた。
この親に対する反発心が、この映画に深入りする大きな理由となっている。

私が大号泣したシーンは、生徒たちが廃墟に立てこもっているとき、
唯一生徒側に立ってくれた女の先生が、こぼれるほどにたくさんの果物を持って彼らに会いに行ったシーンだ。
周りの大人がすべて敵のように思えてしまったとき、
自分を心配し、理解し、味方でいてくれる大人が一人いるだけでこんなに救われるのか。
そう思いながら観ていたら涙が止まなくなった。。
親だけではなく学校、会社などに苦しめられた経験を持っている人がいたら、この映画を見て欲しい。

これはネタバレになるのかきわどいところなのだが、
組織の物語は、犠牲が伴う。
要は分かりやすいハッピーエンドとはならない結末が多い。
でも問題ない。
組織にたてついた理由、その主張が敵にさえ伝われば結果負けたっていい。
いや、敵に伝わらなくても、見ている観客に伝わった時点で彼らの勝ちなのだ。

例えばドラマ未成年では、「未成年の主張」という形でそれを示している。
あるいは先日NGT48の山口真帆は組織と戦い、卒業という形で犠牲を払った。
しかし彼女の勇気ある行動は、多くの人から賛同を受けた。

私はディズニーのようなハッピーエンド全開の映画も好きだが、
こういった結末も深みがあって好きだ。

ぼくらの七日間戦争の作品情報

■監督:菅原比呂志
■出演者:宮沢りえ 五十嵐美穂 安孫子里香 菊池健一郎 工藤正貴
■Wikipedia:ぼくらの七日間戦争

ぼくらの七日間戦争を見れる配信サイト

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TSUTAYA TV:
Netflix:-
※2019年5月現在

関連性の高いおすすめ映画

ぼくらの七日間戦争の裏ジャンルである【組織のなかで】に分類されるおすすめ映画。

『桐島、部活やめるってよ』★★★★☆4.5
男子バレーボール部のキャプテン、桐島が部活を辞めたことにより、彼に関わる、あるいは関わりのない生徒たちを描く。

スクールカースト底辺の男の生き方と、スクールカースト頂点に君臨する男の葛藤を描く。
19歳でこの小説を上梓した朝井リョウは天才すぎる。
映画も面白いが、原作もまた違った構成となっており、面白い。
より深掘りされているキャラもいるおり、見所も多いのでおすすめ。

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Netflix:-
※2019年5月現在

『マイ・マザー』★★★☆☆3.5
17歳の男子高校生ユベールは、趣味の悪いセーターを着たり、下品な食べ方をする母親をひどく嫌っていた。ある日、学校で親の仕事に関するアンケートをされるが、ユベールは先生に「母は亡くなった」と嘘をつく。

私と同じ、母親との対立を描いた映画。
ひたすら母に反抗心を見せるのだが、愛するが故の行為といった感じで微笑ましい。
同じく19歳で監督脚本を担当したグザヴィエ・ドランもまた天才。

U-NEXT:-
Hulu:-
Amazonビデオ:○(字幕版)
dTV:-
ビデオパス:-
TSUTAYA TV:
Netflix:-
※2019年5月現在

-⑨組織のなかで

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。