映画の海

約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

②金の羊毛

映画『ボヘミアン・ラプソディ』ネタバレなしの感想。フレディの苦悩に胸が詰まる

投稿日:5月 6, 2019 更新日:

■評価:★★★☆☆3.5

「どんな困難も固い絆で結ばれたチームで立ち向かう友情の物語」

【映画】ボヘミアン・ラプソディのネタバレなしの感想、レビュー、批評、評価

1970年代、ロンドンにて、音楽を愛するファルーク・バルサラは敬虔なゾロアスター教信者で厳格な父に反抗し、「フレディ」と名乗っていた。ある日、ギタリストのブライアン・メイ、ドラマーのロジャー・テイラーのバンド「スマイル」のボーカルが抜けたことでフレディが加入し、ベーシストのジョン・ディーコンを加えて「クイーン」と改名。新生バンドとして活動することに。

この映画と言ったら、ラストシーンのライブエイドによるライブシーンの評判を良く耳にするが、凄まじい迫力を体感できた。
10万人はいるであろう会場の観客がフレディの「エーオ!」コールをレスポンスするのだが、たったそれだけのことでテンションがぶちあがる。
実際はCGで、エキストラ約900人が集められて行われたシーンらしいが、
画としてバキっと決まっており、吸い込まれるように画面にくぎ付けとなってしまった。
フレディに扮したラミ・マレックの歌も素晴らしかった。

この映画を観ていて思ったのは、終始マイノリティであるフレディの苦悩との戦いを描いているという点である。
最初は「歯」から始まる。
フレディはいわゆる出っ歯であり、そのことを周りにバカにされたりするのだが、
バンドに加入する際は、「歯が出てる分、口腔が広いからいい声が出る」と笑って言い、自分の歯を個性として受け止めている。
その後はアパレル店員であるメアリーと出会って付き合い、
アルバム制作のレコーディング途中にレコード会社の人間の目に留まり、デビューすることとなって何もかもが上手く運ぶ。

しかしバンドが売れ出し、多忙を極めている中で、自身がゲイであることに気づき始めてしまう。
そんな中でバンドメンバーは家族を作ったりと和気藹々とやっているのだが、
フレディは自身のセクシャリティを告白したことで信頼していた彼女から距離を置かれ、孤独感がより一層強くなる。
感受性の強い繊細な男なのに、なおかつ周りと合わない感性を持ってしまったことは、さぞかし辛かっただろう。
有名税によって消耗していくフレディを見ていて辛いものがあるが、
どん底まで落ち切ったフレディの前に現れたキャラが放った言葉、
この映画のもう一つのテーマであるそれは、私にとっても共感できるものがあり、激しく心が揺り動かされた。
チームスポーツで、何かを成すために本気で挑んだ経験のある人にとって強く響く映画となっている。

基本的にはストーリーはいいし、分かりやすい。
最後のライブシーンも見応えがあって楽しめたのだが、映画として物足りないところもあった。
それは新しさ、といった類いの要素だ。
伝記映画ということで、エピソードの発生時期はドラマとして成立するように入れ換えてあるみたいだが、
やはり史実なので、普遍的なストーリーで落ち着いている。
興行成績を127億稼ぎ、2018年で一番ヒットした映画だと知った上で観ているので、期待値が大きくなりすぎたのかもしれない。

この映画を見終わって疑問に思ったのが、どこの層に受けているのか?という点。
私はクイーン世代ではないので、一本の映画として鑑賞したのだが、
これがリアルタイムにクイーンを見てきた世代なら、全く違った見方をして感慨に浸ったに違いない。
実際にこの映画の企画は2010年頃に生まれ、相当な紆余曲折を経て完成に至ったみたいだが、
昨今、何かと世間を騒がすLGBTがテーマにもなっている映画であり、時代のニーズにもマッチしていることも相俟って爆発的なヒットを記録したのだろう。

それと、ロック音楽の良さにも再認識させられた。
私はGOING STEADY(ゴイステ)、モンゴル800(モンパチ)、ELLEGARDENなどのJ-PUNK世代だが、
ロックというジャンルの反骨心や勢いからはいいエネルギーを貰える。
更にクイーンの独創的な楽曲を初めてまともに聞いて感動した。売れ線の邦楽バンドには絶対に作れない芯の強い曲たちだ。
こういった熱いバンド映画はこれからも作り続けられてもらいたい。

ボヘミアン・ラプソディの作品情報

■監督: ブライアン・シンガー デクスター・フレッチャー
■出演者:ラミ・マレック ルーシー・ボイントン
■Wikipedia:ボヘミアン・ラプソディ
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):61%
AUDIENCE SCORE(観客):86%

ボヘミアン・ラプソディを見れる配信サイト

U-NEXT:
Hulu:-
Amazonビデオ:○(吹替版)○(字幕版)
dTV:○
ビデオパス:
TSUTAYA TV:
Netflix:-
※2019年5月現在

関連性の高いおすすめ映画

ボヘミアン・ラプソディと同じバンド映画のおすすめ。

『ロッカーズ』★★★★☆4.5
ヴォーカルのジンを率いるバンド「ロッカーズ」は新メンバーとしてギターのタニを迎える。努力家のタニに刺激を受け、だらけていたメンバーたちは彼に負けじと練習に励むようになるが……。

ロッカーズも私の世代からズレてはいるのだが、
ラストのライブシーンがあまりにカッコよすぎて何十回繰り返し観たのか覚えていない。
最初に買ったDVDは盤面がズタボロになるほど見倒して、最終的にはどっかいった。間違えて捨てたっぽい。
今これを書きながらYOUTUBEで見返したが、今でも涙がにじむほどカッコいい。
この映画のライブ映像に何も感じない男は、果たしてこの世に存在するのだろうか。

U-NEXT:-
Hulu:-
Amazonビデオ:○(DVD)
dTV:-
ビデオパス:-
TSUTAYA TV:-
Netflix:-
※2019年5月現在

『NANA』★★★★☆4
地元で人気のバンドのボーカル大崎ナナは、メンバーのベースで恋人のレンが他のバンドに引き抜かれ、東京に行ってしまい離ればなれとなる。二十歳となり、レンとの再会ではなくボーカリストとして成功を収めるため、東京に向かうと、道中の新感線で隣の席となった同じ名前の小松奈々と仲良くなる。彼女は大学時代の彼氏を追いかけて上京するところだった。

男性読者がやたらと多い傑作少女マンガの映画版。
私の周りは読んでない男はいないくらいにみんな好きだった。
パート2は大人の事情か何かで多くのキャストが変更されてしまって不評を買い、興行成績も大幅ダウンとなる。
リアルタイムで見ていた当時の私も違和感を覚えてしまって好きにはなれなかったが、
数年前に改めて鑑賞したところ、ストーリー自体は実はしっかりと作られており、普通に楽しめるのでおすすめ。

U-NEXT:-
Hulu:-
Amazonビデオ:
dTV:-
ビデオパス:
TSUTAYA TV:
Netflix:-
※2019年5月現在

-②金の羊毛

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。