映画の海

約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

④難題に直面した平凡な奴

映画『THE WAVE/ザ・ウェイブ』ネタバレなしの感想。津波にトラウマがある人は厳禁

投稿日:5月 9, 2019 更新日:

■評価:★★★☆☆3

「日常と地続きのリアル系ディザスター映画」

【映画】THE WAVE/ザ・ウェイブのネタバレなしの感想、レビュー、批評、評価

1905年1月15日、ノルウェーのノールフィヨルドにて寝静まった夜中に岩盤崩落が発生。その影響で発生した津波は海抜40メートルに達し、湖畔に住む人々に多大な被害をもたらした。現在ノルウェーには不安定な山腹が約300あると言われている。地質学者のクリスチャンは転職のため、この地から離れるために一家で引っ越しの作業をしていたのだが、自然の異変に気づいてしまい……

実際に起きた岩盤崩落によって発生した津波の被害を映した当時の映像から、この物語は始まる。
この時点で、ハリウッドでたびたび作られる荒唐無稽系ディザスター映画との線引きがなされている。
ローランド・エメリッヒさんの作る世界中が凍っちゃった「デイ・アフター・トゥモロー」やアスファルトが波打っちゃう「2012」とは違って、この先いつ起きてもおかしくない現実を見せますよ、といった宣言みたいなものだ。

その後、ドローンか何かの空撮によるノルウェーの大自然が画面いっぱいに広がる。
これが本当に美しい。
なぜ、岩盤が不安定な山に囲まれている町にわざわざ住んでいるのか、一発で納得させられてしまうほどの絶景だ。
都会暮らしで、コンクリートジャングルや人ゴミにうんざりしている人間の心を浄化するのに時間はかからない。
歌舞伎町の日々欲にさらされた人間たちに見せてやりたい。

このフィヨルドという土地は観光地として有名らしく、
この記事を書くに当たって検索してみたのだが、
観光ガイドのサイトの画像を眺めているだけで、美しい自然の数々にうっとりしてしまう。
フィヨルドは「入り江」という意味を持っていて、
氷河が浸食したことによってできたそれぞれの入り江にフィヨルドという名前がついている。
一番人気のソグネフィヨルド。
ガイランゲルフィヨルドは世界自然遺産に登録されている。
そして、今回の舞台となっているノールフィヨルドなど。

序盤はクリスチャン一家の関係性をじっくりと描いている。
この地を離れることを惜しむ息子、その気持ちに理解・共感を示し、「それでも人生は選択の連続で、難しい決断をしなければならないときもある」と伝える父クリスチャン。

こういった丁寧な描写は好感が持てるのだが、
最初の事件発生がなかなか遅く、早く何か起こってくれ、と思いながら観ていた。
【3幕構成】なんて言葉を聞いたことがある人もいるかもしれないが、2時間の映画だと
1幕(~30分)で事件が発生し、
2幕(31~90分)で問題発生と解決を繰り返し、
3幕(91~120分)でクライマックスを迎える事が多い。

この映画は50分弱でようやく最初の事件が起こるので、ちょっとあくびが出てしまう。
ストーリー自体に特に目新しいものがなかったのも少し残念。
もう少し展開に捻りが欲しかったが、
リアルなディザスターを目指しているっぽいので、あれが限界なのかもしれない。
事件がはなかなか発生してくれなかったので、期待値がどんどん上がってしまったのだろうか。
津波の映像が凄かっただけに、津波後のあるキャラに訪れる困難は尻つぼみ感が否めない。

余談だが、ほぼ同じ名前で「THE WAVE ウェイヴ」というドイツ映画があるが、なかなか面白い。
独裁について学ぶ実習で、生徒がどんどん先生に洗脳されていくという実話に基づいた話。

THE WAVE/ザ・ウェイブの作品情報

■監督:ローアル・ユートハウグ
■出演者:クリストファー・ヨーネル アーネ・ダール・トルプ
■Wikipedia:THE WAVE/ザ・ウェイブ(英語。翻訳して見てね)
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):84%
AUDIENCE SCORE(観客):65%

THE WAVE/ザ・ウェイブを見れる配信サイト

U-NEXT:-
Hulu:-
Amazonビデオ:○(吹替版)○(字幕版)
dTV:-
ビデオパス:-
TSUTAYA TV:-
Netflix:
※2019年5月現在

関連性の高いおすすめ映画

THE WAVE/ザ・ウェイブの裏ジャンルである【難題に直面した平凡な奴】に分類されるおすすめ映画。

『インターステラー』★★★★★5
異常気象により砂漠化が進み、植物は枯れ、人類は絶滅の危機に瀕していた。元宇宙飛行士のクーパーは息子のトムと娘のマーフとともにトウモロコシ農場を経営していた。ある日、クーパーは宇宙飛行士として宇宙に行き、人類が住める新天地を探してくるようにNASAから命じられる。マーフは激しく反対するが、和解できないままクーパーは銀河へ旅立つ。

どんだけの金がつぎ込まれたんだって思ってしまうほどの圧倒的な映像力。
そして家族愛の素晴らしさ。クライマックスは涙で画面が見えなかった。
宇宙関連の専門用語がたびたび出てくるのだが、ストーリー自体はシンプルなので意外と見やすい。

U-NEXT:
Hulu: -
Amazonビデオ:○(吹替版)○(字幕版)
dTV:○
ビデオパス:
TSUTAYA TV:
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※2019年5月現在

『アイアムアヒーロー』★★★★☆4
35歳の鈴木英雄は漫画家として連載の獲得を夢みながら、アシスタントの仕事をしている。しかし同棲している彼女の黒川川徹子は英雄の甲斐性の無さに愛想をつかし、破局寸前となっていた。

今ではかなり有名な漫画原作の作品なのだが、
何も知らない状態で見た原作本1巻の最終話には大きな衝撃を受けたものだ。
のちにキングダムを監督する佐藤信介作品だが、迫力のある映像は本作も健在。いや、この作品で彼の才能が覚醒したといっても過言ではない。

U-NEXT:
Hulu:-
Amazonビデオ:
dTV:○
ビデオパス:
TSUTAYA TV:
Netflix:
※2019年5月現在

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名前:柴田
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