映画の海

約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

⑥バディとの友情

映画『gifted/ギフテッド』ネタバレなしの感想。子役の演技が光る

投稿日:5月 19, 2019 更新日:

■評価:★★★☆☆3.5

「自由奔放な子供や、夏の美しい世界観に癒されたい人向けの家族の物語」

【映画】gifted/ギフテッドのネタバレなしの感想、レビュー、批評、評価

船の修理で生計を立てているフランクは、7歳になる姪のメアリーと隻眼(片目)の猫フレッドと海に近い田舎町で暮らしている。メアリーは小学校入学の初日、とんでもない計算の才能(ギフテッド)を見せ、担任教師ボニーを驚かせる。フランクは校長から彼女をギフテッドに適した私立学校に通わせることを勧められるが、これを断る。フランクは天才数学者であり、かつてミレニアム問題のひとつ「ナビエ–ストークス方程式」の解読にあと一歩、というときに自ら命を絶ってしまった姉の二の舞にさせないため、彼女を普通に育てる決心をしていた。

ミレニアム問題というのは、2000年にアメリカのクレイ数学研究所によって発表され、100万ドルの懸賞金がかけられている7つの問題のことを指す。
1つでも解決したらノーベル賞を受賞できるレベルの難易度らしく、2019年の時点では1つしか解決されていない。

本編についてだが、ハマる人は開始数分で「この映画絶対に好き」って思うはず。私はそうだった。
「(500日)のサマー」の雰囲気が好きな人は観て損はないだろう。
世界観がムチャクチャ魅力的なのだ。好みすぎる。
主人公は田舎に住む貧乏暮らしをしているのだが、異国感のある水色の外壁のアンティークなおしゃれな家に住んでいる。
舞台が夏ということもあって、時折出てくる海が解放的でいい。
休みの日にはフランクが、メアリーを乗せてクルーザーを走らせちゃったりするからたまらない。
自由奔放な生活を楽しんでいる二人を見ていて、理想的な生き方の一つだなあと思ってしまった。
ストリングスやピアノの優しい音色の音楽も画にマッチしている。

何より姪っ子メアリーのキャラがいい。
数学の天才児で、周りの同級生を見下したりする。
でも自分にない才能を持つ子を見たら尊敬する素直さも持っている。
頭はいいが、本質は子供なので、何気ないときに叔父にベタベタくっついたり、仲のいい近所のおばさんと一緒に全力で歌を熱唱したり、もちろん悲しいときは大泣きもする。
何より前歯ない。
このギャップがいい。
っていうか永久歯ってどのくらいで生えてくるんだろうか。
最初から最後までずっと前歯がなかったので、この映画一瞬で撮られたのかもしれない。

私は吹き替えで見たのだが、メアリー役を演じた新井美羽の演技というか、声そのものが彼女にフィットしていて良かった。
子供らしい悪意のない純朴さ、自由奔放さがあり、
この作品自体がそんなにメジャーではないので今後も語られることはないだろうが、この声は本当に素晴らしかった。
もっと知られるべきレベルだ。

ストーリーに関しては、起伏がそんなに激しくない上に波も少ないので、ちょっと物足りない。
物語の最初から二人は仲いいのだが、
「叔父と姪の関係性」がテーマの物語なので、
典型的なラブストーリーやバディ物のように、最初は叔父と姪が反発しているシーンから始めた方が良かったような気がする。
例えばフランクは姉に訳も聞かされず強引に子供を渡され、仕事で忙しいフランクはうんざりし、メアリーは母から離れたくない一心で泣きわめく。そのあと姉が命を絶ってしまい……といった具合にだ。
苦労を乗り越えて二人の距離を縮まっていくからこそ、事件が起きて引き離されてしまうときにドラマが生まれる。

不満点はありながらも、キャラと世界観が素晴らしいので満足度は高い。
余談だが、「(500日)のサマー」や今作の「gifted/ギフテッド」の監督マーク・ウェブの次回作は、実写版「君の名は。」だ。
東京に住む男子高校生と岐阜県の飛騨地方に住む女子高生の話だったのに対し、
ハリウッド実写版は田舎に住むネイティブアメリカンの少女と、シカゴに住む少年の物語になるそう。
キャラと美しい世界観の構築は上手な人なので、イヤでも期待してしまう。

gifted/ギフテッドの作品情報

■監督:マーク・ウェブ
■出演者:クリス・エヴァンス マッケナ・グレイス
■Wikipedia:gifted/ギフテッド
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):73%
AUDIENCE SCORE(観客):85%

gifted/ギフテッドを見れる配信サイト

U-NEXT:○(有料)
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(吹替・有料)○(字幕・有料)
ビデオパス:○(有料)
TSUTAYA TV:○(有料)
Netflix:-
※2019年9月現在

関連性の高いおすすめ映画

gifted/ギフテッドの裏ジャンルである【バディとの友情】に分類される映画。

『恋は雨上がりのように』★★★★☆4
感情表現が苦手でクールな女子高生の橘あきらは、バイト先のファミレスのバツイチ子持ちで、みんなにバカにされている店長に想いを寄せていた。彼女は半年前、本気で取り組んでいた陸上部の練習中に足に大怪我を負って、走れなくなってしまっていた。たまたま立ち寄ったファミレスで、あきらの傷心を悟った店長がマジックを披露して元気づけてくれる。その優しさがきっかけで恋心を抱いたのだ。ある日、バイト中にあきらの足の怪我が悪化してしまい……。

この映画もユニークなキャラと、美しい世界観が特徴だ。
恋愛映画ではあるのだが、ヒューマンドラマの要素が強い。
かなりキャラクターが魅力的な物語なので、一度気に入ったらリピート必至である。

U-NEXT:
Hulu:-
Amazonビデオ:
dTV:○
ビデオパス:
TSUTAYA TV:
Netflix:-
※2019年5月現在

『ズートピア』★★★★☆4
田舎町に住むウサギのジュディは、よりよい世界を作るため警察官になることに憧れを抱いていた。しかし、草食動物であるウサギに警官は無理、と両親には反対されていた。大人になったジュディは、想いを現実にするため、警察学校を優秀な成績で卒業し、ウサギにとって初となる警察官になる。しかし実際の勤務になると、地味な仕事ばかり振られてしまい……。

ディズニー映画は90年代に「美女と野獣」「アラジン」「ライオン・キング」とヒット作を連発して以降、ずっと低迷していた。
そこに「トイ・ストーリー」の監督であるピクサーのジョン・ラセターという男がディズニーにやってくる。
彼が製作総指揮を手がけた映画はことごとくヒットし、
特にアナ雪、ベイマックス、そしてこのズートピアの3連打の破壊力は凄まじかった。
そんな隆盛を迎えているディズニーだが、残念ながらme too運動により、彼のセクハラが暴露されてディズニーを2018年末に退職してしまった。
ディズニー映画が再び低迷しなければいいのだが。
彼の魂が受け継がれていることを祈るばかりだ。

U-NEXT:
Hulu:-
Amazonビデオ:○(吹替)○(字幕)
dTV:○
ビデオパス:○
TSUTAYA TV:
Netflix:-
※2019年5月現在

-⑥バディとの友情

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。