映画の海

約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

⑥バディとの友情

映画『シュリ』ネタバレなしの感想。韓国製の切ないラブストーリー

投稿日:5月 20, 2019 更新日:

■評価:★★★☆☆3

「孤独な戦いを強いられた女性の物語」

【映画】シュリのネタバレなしの感想、レビュー、批評、評価

北朝鮮の特殊第8軍団は精鋭を作り上げるため、訓練の段階で仲間同士で命を奪い合ったり、捕らえた政治犯を仕留めさせるなど残忍なトレーニングを行っていた。そこで選び抜かれた一人の女性兵士がスパイとして韓国へ渡る。6年後、秘密情報機関OPの要員であるユ・ジュンウォンとイ・ジャンギルは、立て続けに起きていた要人が命を奪われる事件を捜査していた。

中盤にちょっとしたどんでん返しがあるので、あまりこの記事以外の情報を仕入れずに観ることをおすすめする。
北朝鮮の軍人の訓練で、仲間ですら仕留めるショッキングな描写からスタートするのだが、
特殊第8軍団実際に存在していた組織らしく、もともとは1966年に対南工作として編成されたとのこと。
仲間同士で命を奪い合うなんていかにも漫画に出てきそうなフィクション感があるのだが、
調べれば調べるほどやばい訓練の実態が出てくる。あながち大げさな設定ではないのが恐ろしい。

特に序盤は激しいカット割りでテンポが早い。
韓国映画はどうも雰囲気が重く、陰湿な印象があるんだが、シュリはハリウッド映画っぽいキャッチーさがある。
前者の理由は、人間の負の側面をテーマとする有名な作品が多いからであると思われる。
例えば、「オールド・ボーイ」を代表とするパク・チャヌク監督の復讐三部作や、イ・チャンドン監督の息子を誘拐されたシングルマザーの話「シークレット・サンシャイン」、脳性マヒの女性との恋愛を描いた「オアシス」など。
シュリはアクションシーンも多く、エンタメ性が高い。
それでいて、敵となるのが北朝鮮の特殊部隊であり、テーマの恋愛部分も含め現実の歴史背景が下地にあるので薄っぺらさはなく、当時韓国で大ヒットした理由がよく分かる。

序盤から金魚の存在をやたらと強調してくる。
「つがい」でいないと生きていけないなんて説明が劇中でされるのだが、
キッシング・グラミーという種で「あること」をする際にキスをし合うことで、こんな名前がつけられたそう。
恐らく、この習性に目をつけてこの金魚が登場したと思われる。

個人的にクライマックスは納得できない。
あの終わり方だと、脚本作りにあまり時間をかけていないように思えてしまう。
この映画、設定はとても面白いので、最後まで走り切ってほしかった。
あと、ソン・ガンホのキャラの役割がちょっと地味だったのが残念。彼の俳優としてのポテンシャルを考えると、無駄遣いな配役だ。最後の方はほぼ置物状態。

韓国映画史上過去最高額の製作費をかけられたとか、当時の韓国ではシュリを見なかったら仲間外れにされていた、なんて言われるほどの話題作でそこそこ楽しむことはできたのだが、期待していたほどではない、というのが率直な感想だ。
個人的にはJSAの方が出てくるキャラクターが魅力的だし、シナリオが作りこまれているので好き。男ばっかりでむさ苦しいが。
JSAを見ても思ったことだが、身内での争いの空しさを痛感する。

シュリの作品情報

監督:カン・ジェギュ(ブラザーフッド)

■監督:カン・ジェギュ
■出演者:ハン・ソッキュ キム・ユンジン チェ・ミンシク ソン・ガンホ
■Wikipedia:シュリ
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):59%
AUDIENCE SCORE(観客):69%

シュリを見れる配信サイト

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※2019年5月現在

関連性の高いおすすめ映画

シュリの裏ジャンルである【バディとの友情】に分類される映画。

『ミリオンダラー・ベイビー』★★★★☆4
トレイラー・ハウスに住む貧しい生活を送るマーガレットは、亡くなった父親以外からは愛情を受けてこなかった。彼女はプロボクサーとなって自分の価値を示すため、ロサンゼルスのジムの門をたたいた。ジムを経営しており、音信不通となっている娘を持つフランキーは女性ボクサーを育てるつもりはなく断るが、彼の旧友でジムの雑用係を係をしているエディは彼女の素質を見抜いており……。

物議を醸した問題作。
内容的に繰り返し何度も観たくなる類ではないが、一度見たら一生忘れられなくなるインパクトはある。
メインキャラの3人はとても魅力的。
第77回アカデミー賞作品賞受賞作品。

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※2019年5月現在

『シド・アンド・ナンシー』★★★☆☆3.5
1977年のロンドン。シドとナンシーは共通の知人を介して知り合うことに。シドは旧友であるジョニーロットンらと共に、パンクバンド「セックス・ピストルズ」のベーシストとして、日々過激なライブを行っていた。何も知らなかったナンシーは初めてライブを見て衝撃を受け、シドに思いを寄せるように。重度の薬物中毒を患っていたナンシーの影響でシドもクスリにハマっていき……。

私は元々日本のパンクロック音楽は好きだったのだが、洋楽にはあまり興味がなく、有名なセックス・ピストルズにも大した関心は持っていなかった。
が、このシド・アンド・ナンシーの荒廃したラブストーリーは強烈な印象があり、むしろこれきっかけでセックス・ピストルズを聞くようになった。
同じくイギリスの薬物中毒の若者を題材としたトレインスポッティングという映画があり、世間的には評価されているが、個人的には史実であるこの映画に負けていると思っている。

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※2019年5月現在

-⑥バディとの友情

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。