映画の海

約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

③魔法のランプ

映画『アラジン』ネタバレなしの感想。ウソと願いを叶える魔法が交錯する

投稿日:5月 24, 2019 更新日:

■評価:★★★★☆4

「弱者が権威に立ち向かう下剋上ファンタジー冒険譚」

【映画】アラジンのネタバレなしの感想、レビュー、批評、評価

貧しい青年のアラジンは相棒のアブーと食べ物を盗みつつも、腹を空かした子供がいたら分け与える日々を過ごしていた。ある日、王女ジャスミンは結婚を強制してくる父親にうんざりして宮殿を飛び出し、市場に向かうと泥棒の濡れ衣を着せられてしまい、アラジンに助けられる。だが、兵士に王女の誘拐犯だと勘違いされ、アラジンは牢屋に閉じ込められてしまう。そこには謎の老人がおり、「砂漠の洞窟にある3つの願いを叶えられる魔法のランプを取って来てほしい」と頼まれ、外に出してもらうが……

オープニングで胡散臭い行商が出てくる。
粗悪品をあたかも、良いものとして騙して売りつけるシーンから始まり、最後に魔法のランプの存在を教える。
この映画は魔法のランプを巡る物語であると示唆しているのだが、それだけではなく、この世界観は「ウソをつく」と説明しているのだ。
この前フリは面白い。どっかしらでウソによるどんでん返しが挿入される宣言であり、私は胸が躍ってしまった。

私はウソが好きなのだが、その理由は、ウソはエンターテイメントの基本だと思っているからだ。
物語全般や漫才、コントはそうだし、そもそも冗談はウソそのものである。
もちろんそれらは、自分だけの利益や人を傷つけるためではなく、相手を楽しませるためのウソである。
このアラジンでもやはりウソは多く出現し、多いに楽しませてくれた。

アラジンの登場シーンもパンを盗むところから始まるので、彼もウソをつく準備は出来ているといったところ。
しかし、人間の印象とは恐ろしい。
人の家からパンを盗むという酷い行為をするアラジンだが、腹を空かした子供にそれを渡すだけで一気に良い人に見えてしまう。さすがディズニー、観客の感情を掌握する手腕が冴えわたっている。

中東が舞台というのも良かった。
私は小説を書いているのだが、新人賞に応募する作品の舞台を東京にするのは避けた方がいいなんて言われてる。
理由は編集や審査員のほとんどが東京住みであり、東京の舞台の作品は見飽きてるので、必然性がない限りは地方にするだけで新鮮さを与えられるというもの。
そんなもんかあ、程度にしか考えていなかったが、
いざアラジンを見てみると、なじみのない中東の世界観は確かに新鮮に感じられる。
文化や通俗的なことは何一つわからないので、砂漠にある魔法の洞窟の中には、空飛ぶ絨毯や魔法のランプがあり……なんていうミステリアスな設定も自然と受け入れられる。

今思い返せば、広大な敷地を持つアフリカ大陸が舞台の「ガダラの豚」「ジェノサイド」といった小説も冒険感が強くて、一気にページをめくってしまった記憶がある。
「ジェノサイド」はタイトル通りかなり刺激の強い話だが、「ガダラの豚」のエンタメ性は常軌を逸しているのでおすすめ。人に勧めて大絶賛以外の感想を貰ったことがない。
アフリカの民族学学者で大生部は、娘が気球事故で命を落としてしまいアル中になり、妻はメンタルがやられて新興宗教にハマってしまい、教祖から奪還するストーリー。2巻でアフリカに突入する。

話は戻すが、他に特記すべきは、ジニーの強烈なキャラ性だ。
つるっぱげの青肌大男が、こんなに動きが無駄に激しくてユニークなやつだとは思わなかった。近くにいたら絶対にウザいのだが、TV越しという距離感が実にちょうどいい。貞子と同じくらい画面から出てこないようにと願うばかりだ。
もちろんジニーには願いを叶える魔法を使えるという特殊能力もあるため、彼が画面に出てくるだけ観客は「次は、何をしでかしてくれるのか?」といった期待感を抱いてしまう。
実写版アラジンでは、ウィル・スミスはどのようにジニーを演じるのだろうか。
観る気はなかったのだが、劇場に足を運んで感想文を書きたいと思う。

それと、最近ディズニー映画をよく見ているのだが、面白い共通点を見つけてしまった。
恋に落ちるきっかけの大半が「相手に助けられる」というタイミングであること。
美女と野獣のベルは、自分をさらった憎い野獣が、狼に襲われた自分を助けてくれたとき、
市場で盗人扱いされたジャスミンは、アラジンが助けてくれたとき、彼にときめきを覚える。
次回感想文を書く予定のムーランでもやはり「助けられる」がポイントだ。
今後の新作ディズニー映画でも、助けられるときが恋に落ちる瞬間かもしれない。

90分という短い時間だったので、あっという間に終わってしまった印象だ。
もっと長い時間、この世界観に浸っていたかった。
余談だが、アラジンの声優は羽賀研二が担当している。
残念ながら彼は不祥事を起こしてしていることもあり、現行版のDVDやブルーレイでは三木眞一郎に差し替えられている。
昔からのアラジンファンは、軽いノリで色気のある羽賀研二の声がアラジン像とフィットしているらしく、聞き慣れていることもあって、昔発売された羽賀版のDVDは若干のプレミアがついている。もしブックオフなどで見つけたら買うことをおすすめする。
アラジンのDVDはかなりの数が出荷されているので、言うほど値段は沸騰していない。

アラジンの作品情報

■監督:ジョン・マスカー ロン・クレメンツ
■出演者:羽賀研二(三木眞一郎) 麻生かほ里 山寺宏一
■Wikipedia:アラジン
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):94%
AUDIENCE SCORE(観客):92%

アラジンを見れる配信サイト

U-NEXT:
Hulu:-
Amazonビデオ:○(吹替)○(字幕)
dTV:○
ビデオパス:○
TSUTAYA TV:
Netflix:-
※2019年5月現在

関連性の高いおすすめ映画

アラジンの裏ジャンルである【魔法のランプ】に分類される映画。

『ライアーライアー』★★★★☆4
一流弁護士のフレッチャーは、どんな無理な依頼でも得意の「ウソ」をつくことで無罪を勝ち取る男だった。私生活でもその姿勢は変わらず、息子マックスの誕生日パーティをすっぽかしてしまい、適当なウソでごまかしてしまった。傷ついたマックスは「パパが1日だけでもウソをつきませんように」と願う。するとフレッチャーは絶対にウソがつけなくなってしまい……。

これもウソがテーマもコメディ映画。
ジム・キャリー主演映画では「マスク」「イエスマン」よりも個人的には好き。
フレッチャーのテンションがはちゃめちゃすぎて、もはやメンヘラである。

U-NEXT:-
Hulu:-
Amazonビデオ:○(字幕版)
dTV:○
ビデオパス:○
TSUTAYA TV:-
Netflix:
※2019年5月現在

『天使のくれた時間』★★★★☆4
13年前、ジャックは引き留める恋人ケイトを振り切って仕事で成功するため、ロンドンに向かう。13年後、仕事に成功したジャックは大手金融会社の社長として、高層マンションで優雅な暮らしを満喫していた。クリスマス・イヴの夜、彼はスーパーで店員に詐欺扱いされる黒人青年と出会う。彼に優しさをふるまい、そのまま自宅に帰って寝床につく。朝起きると、庶民的な一軒家にかつて別れたはずのケイトと彼女との2人の子ども、大きな犬と生活するパラレルワールドに巻き込まれることに。

誰もが、その後の人生に大きな影響を与える選択に迫られるといった経験をするが、
その選択の両方を体験できるユニークなコンセプトの映画である。

U-NEXT:
Hulu:-
Amazonビデオ:○(吹替)○(字幕)
dTV:○
ビデオパス:-
TSUTAYA TV:
Netflix:
※2019年5月現在

-③魔法のランプ

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。