映画の海

約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

①家のなかのモンスター

映画『バード・ボックス』ネタバレなしの感想。目隠し状態で物語が展開されるという斬新さ

投稿日:5月 27, 2019 更新日:

■評価:★★★★☆4

「一度観出したら画面から目を離せない没入型謎解き映画」

【映画】バード・ボックスのネタバレなしの感想、レビュー、批評、評価

山奥の山荘に住むマロニーは、二人の子供を連れ、「目隠しを絶対に取ったらダメ」と警告し、周りが見えない状態のまま、ボートに乗って川を下る。5年前、世界中の人間が集団自決をしはじめたことで、街がパニック状態となっていた。妊娠中のマロニーは何とか一軒家に逃げ込むのだが……。

配信1週間で4500万人以上に視聴され、全米ではバードボックス現象なるものまで発生した。
「それを見たら自傷衝動に駆られる」とのことで劇中のキャラが外に出るときは目隠しをするのだが、
インパクトのある設定をみんながマネして、目隠しして外に出てるというバードボックスチャレンジと称した危険行為に及ぶ人が続出したのだ。
一体どんな映画なんだろうとワクワクしながら観てみたが、吸引力が凄まじく、気づいたらエンディングを迎えていた。

主人公で妊婦のマロニーは「絆を築けない孤独な人々」をテーマにした絵を描く孤独な画家である。
自身の妊娠にも関心がなく、食べることにも興味ない。
人にも期待しておらず、子供の父親は出て行き、親とも連絡は取っていない。唯一の繋がりは姉のみである。
そんな姉が心配して食糧を届けにマロニーを訪ねてくる。彼女がテレビをつけると「ロシアで集団自決をする」謎の事件をニュース番組が報道していた。

そこから日常が少しずつ瓦解していくのが良い。
姉とともに向かった病院で窓に頭を叩きつける病人、停車している車に突っ込む救急車、燃え盛る車にゆっくりと乗車して爆発し、天に召される女。
平和から地獄へと変貌を遂げた街中をマロニーは命からがらくぐり抜け、一軒屋に逃げ込む。
そこには十人弱の人間が集まっており、マロニーは一息つくことに。
ここで観客も緊迫感から解放され、思考する余裕が生まれる。
この時点で画面上に、問題の”それ”は姿を見せていないので、
「それの正体はわかるの?」
「テレビの画面越しに見たらどうなる?」
「人間以外の生物もおかしくなるの?」
このようなことが頭に浮かぶ。

マロニーらは家に立て込もっているので、当然限りある食料は尽きてしまう。
食料を確保するためにある行動を取るのだが、この世界ならではのユニークな方法で面白い。
このあとも、あらゆるトラブルにマロニーらは襲われることとなる。

噛まれると感染するゾンビものと違い、それを見ても自決するだけ。
つまり他人に危害を加えない。
それでもスリルは感じられるし、意外と面白くなるもんだなと思った。
そして観終わると、観客は「タイトルの意味」について考えるだろう。
それは監督が伝えたいメッセージに関係してくる。
バードボックス=鳥かごだ。
鳥かごはこの映画において、どんな意味を持つのか。
マロニーが率いている二人の子どもの名前にも注目したい。

この映画、謎解き要素が強いので、あまり多くは語れないのがもどかしい。
これは私の個人的見解なのだが、この物語「目隠し」という行為から着想を得て、そこから逆算して物語が作られたと思っている。
なぜなら、目隠しをすることで――。
目隠しする世界となったことで使えなくなってしまった「ある物」。
逃げ込んだ一軒家にいる若い男女。この二人が気づいた「あること」。
主人公が到達する「ある地点」に広がる光景。
ネタバレに及ぶので、これらはご自身の目で確認していただきたい。
これらが分かると監督が伝えたいメッセージが浮き彫りになる。

バード・ボックスの作品情報

■監督:スサンネ・ビア
■出演者:サンドラ・ブロック トレヴァンテ・ローズ
■Wikipedia:バード・ボックス
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):63%
AUDIENCE SCORE(観客):59%

バード・ボックスを見れる配信サイト

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Amazonビデオ:-
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ビデオパス:-
TSUTAYA TV:-
Netflix:
※2019年5月現在

関連性の高いおすすめ映画

バード・ボックスの裏ジャンルである【家のなかのモンスター】に分類される映画。

『イット・フォローズ』★★★★☆4
ジェイは恋人のヒューと何度かデートを重ねたあと、肉体関係を結ぶことに。行為が終わるとジェイは彼に薬品を嗅がされ、気絶してしまう。目が覚めると、ジェイは車椅子に縛り付けられ身動きが取れない状態となっていた。目の前にいた彼はこう言った。「性交することで呪いがお前に移った。呪われた人間はソレに追い掛け回される。ソレの歩く速度はゆっくりだが、確実に近づいてくる。ソレに捕まると命を落とす」と。

昔のゾンビ映画のようにゆっくりと近づいてくるという設定がいい。
性交で感染するという設定もシンプルで分かりやすいし、
何よりソレはあらゆるものに姿を変えて近づいてくるので、近くにくるまで分からなかったりする。良質な緊張感を味わえるホラー映画である。

U-NEXT:
Hulu:
Amazonビデオ:○(吹替)○(字幕)
dTV:○
ビデオパス:
TSUTAYA TV:
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※2019年5月現在

『ドーン・オブ・ザ・デッド』★★★★☆4
平凡な看護師であるアナは、夫のルイスと平和な日々を暮していた。ある日、アナは目を覚ますと近隣に住む少女ヴィヴィアンが血まみれで寝室の前に立っていることに気づく。ルイスが近付くと彼女に噛まれ、絶命してしまう。アナは電話で救助を呼ぼうとするが、絶命したはずのルイスが起きあがり襲いかかってくる。

1978年に製作されたジョージ・A・ロメロ監督によるホラー映画「ゾンビ」のリメイク。
「ゾンビ」=ショッピングモールの元祖であり、歩くゾンビから走るゾンビに設定を変えて生まれ変わっている。
モール内での人間ドラマや、モールの外に立てこもっている武器屋の男との交流など、見所がとにかく多い。

U-NEXT:
Hulu:-
Amazonビデオ:○(DVD)
dTV:○
ビデオパス:-
TSUTAYA TV:-
Netflix:-
※2019年5月現在

-①家のなかのモンスター

執筆者:

名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。