映画の海

約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

⑤人生の節目

映画『パッセンジャーズ』ネタバレなしの感想。アン・ハサウェイに泣かされた

投稿日:6月 5, 2019 更新日:

■評価:★★★☆☆3.5

「自分の生き方に迷い、悩み、苦しんだ経験のある人向けのヒューマンドラマ」

【映画】パッセンジャーズのネタバレなしの感想、レビュー、批評、評価

セラピストであるクレア・サマーズは、飛行機墜落事故で生き残った5人をカウンセリングすることとなる。グループカウンセリングを行っている最中、謎の男が窓の外からこちらを眺めていたり、メンバーが1人ずつ消えていったりと違和感を覚える。次第に航空会社が、自らの過失を組織ぐるみで隠蔽していることを疑うようになる。そんな中で、クレアはメンバーの1人であるエリックに惹かれ始め……。

この映画の一番の特徴といったら、設定のユニークさだ。
事故後に生き残った5人や、周辺の人物との会話劇を93分という短い時間で描いている。ミニマムな世界に一点集中して描いており、それ以外を徹底的に削っている潔さに好感が持てる。ちょっとした空き時間に、サクっと観れる一本だ。

これから観る人にアドバイスをするとしたら、ミステリーではなくヒューマンドラマとして観るといい。
謎の男、クレアにやたらと気をかけてくる隣人住民、クレアが惚れているエリックが起こす奇怪な行動の数々など、観ているこちらに違和感を与えるような言動のキャラクターが多く登場する。
こういった謎解き要素でぐいぐいと引っ張られていくのだが、すでに既存の有名作品がやっている種類のオチであるため、途中で何となく分かってしまうのと、作り手はあくまでヒューマンドラマとして製作しているので、そこを理解した上で観ると間違いなく楽しめる。
「オチ分かっちゃったよ、つまんねー」といったつまらないことは言わないような準備は必至ということだ。このサイトは観客に正しい観方を提示する目的もある。
そういう意味で、映画リテラシーが若干問われる映画とも言える。
なので、主人公の変化に注目して観てもらいたい。
クレアは一体、どんな葛藤を抱えているのか?

ゆっくりと一人ずつ消えていくって流れも先にが気になる演出で良いし、割と効果的に使われている。
漫画「HUNTER×HUNTER」の作者、冨樫義博もこういった演出が好きで、特に大好きな映画は「エイリアン」だと公言している。
この映画では、「なぜ一人ずつ消えていくのか」を考えながら観るとより楽しめる。
(HUNTER×HUNTER:父を探して、ハンターになるため数万分の一、数十万分の一もの倍率を誇るハンター試験に挑む物語)
(エイリアン:宇宙貨物船内で地球外生命体と格闘する話)

音楽も良く、ピアノの音色が幻想的な世界観を構築している。
ピアノは雰囲気作りにおいてベストな楽器だ。単体の演奏でも聴くに耐えられる数少ない楽器の一つなだけある。
ちなみにこの映画、音楽による貢献度は意外と大きい。

大した不満点はないのだが、しいて挙げるとするならばパッケージ画像が壊滅的にダサい。
アン・ハサウェイはキレイな人だが、固い職業ということもあって地味な格好であるのと、向かい風を浴びているような謎の髪のなびき加減、そして何とも言えない表情。こちらを笑わせにきているとしか思えない。
このパッケージのダサさに、観るかどうか軽く躊躇したくらいである。このパッケージ画像を作った人の親の顔が見てみたい。

内容は心打つものがあり、人生で悩み、苦しんだ経験のある人ほど目頭が熱くなる映画だ。観終わったあと、今の生き方に絶対に後悔してはいけないと、強く胸に誓うこととなる。
人生に何の不安のなく、感覚のみで生きてきたような楽観的な人は観ても何も思わないかもしれない。
「パッセンジャー」という似たタイトルのジェニファー・ローレンス主演のSF映画と間違えないで手に取ってもらいたい。こちらもかなり設定がユニークで面白いので、おすすめではある。
(パッセンジャー:人工冬眠ポッドの故障により、移動先の惑星まで残り90年という中で目が覚めてしまった、宇宙船で孤独と戦う男の話)

パッセンジャーズの作品情報

■監督:ロドリゴ・ガルシア
■出演者:アン・ハサウェイ パトリック・ウィルソン
■Wikipedia:パッセンジャーズ
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):20%
AUDIENCE SCORE(観客):35%

パッセンジャーズを見れる配信サイト

U-NEXT:-
Hulu:
Amazonビデオ:○(吹替)○(字幕)
ビデオパス:-
TSUTAYA TV:-
Netflix:-
※2019年6月現在

関連性の高いおすすめ映画

パッセンジャーズの裏ジャンルである【人生の節目】に分類される映画。

『サニー 永遠の仲間たち』★★★★☆4
夫や娘を持ち、あわただしい日々を過ごしているイム・ナミは、母の入院する病院にお見舞いに行くと、高校時代の親友だったハ・チュナと再会する。彼女は末期がんで余命2カ月と宣告されていた。彼女はナミとの再会を果たしたことで「最後にサニーのメンバーと会いたくなっちゃったよ」と漏らす。ナミは彼女のために残り5人のメンバーを捜索することに。

「友情」に特化して描いた青春映画。恋愛要素もあるがおまけ程度。
仲良しグループの思い出を持っているなら観るといい。男女問わずに心を激しく揺さぶられることは間違いない。
誰か男版サニーを作ってくれないだろうか。
リメイクされた日本版サニーは、人数が1人少ない6人の物語。

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※2019年6月現在

『キッズ・リターン』★★★★☆4
落ちこぼれ高校生のマサルとシンジは、カツアゲなどの悪さをしながら日々を消耗していた。ある日、マサルはカツアゲした相手の兄貴にボコられてしまう。圧倒的な強さを誇った彼はボクシングをしており、マサルは復讐のためにシンジを誘ってジムに通うように。一向に上手くならないマサルに対してシンジは才能を開花させる。立場のなくなったマサルはジムを辞め、ヤクザの世界で成り上がることを目指し……。

人生は残酷なもので、思い通りに行かないものだ。
努力しても報われなかったり、誰かに邪魔されて結果的に落ちぶれてしまったり。
そして最後に交わす2人の言葉。最高に希望に満ちていてたまらない。
ラストに交わされる、さまざまな苦難も、たった一言で救われる映画史上ベスト級の台詞をぜひ堪能してもらいたい。

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※2019年6月現在

-⑤人生の節目

執筆者:

名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。