映画の海

約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

⑥バディとの友情

映画『劇場版ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん』ネタバレなしの感想。父のキャラクターが素晴らしく、緊張と緩和の連発で笑いが止まらない

投稿日:6月 27, 2019 更新日:

■評価:★★★★☆4

「不器用な父の思いを知ることのできるファミリームービー」

【映画】劇場版ファイナルファンタジー14 光のお父さんのネタバレなしの感想、レビュー、批評、評価

この映画はマイディーというゲーム好きの少年が、ブログ「一撃確殺SS日記」に掲載していた『光のお父さん』というタイトルの連載記事が原作となっている。つまり史実だ。

平凡な社会人のアキオは父、母、妹の4人家族だ。単身赴任中の父はマジメな仕事人間で、口を利くことも少なかった。ある日、そんな父がなぜか急に仕事を辞めて家に帰ってくる。何があったのか語らない父に、アキオは思い切ってオンラインゲーム「FF14」をプレゼントをすることに。自分の正体を隠してこっそりゲーム内で父に接触して仲を深め、大ボスであるツインタニアを一緒に倒す「光のお父さん計画」を企てていたのだ。

「光のお父さん」という言葉の由来は、ファイナルファンタジー(以下FF)の世界で勇者的な意味を示す「光の戦士」から来ている。
つまり「大ボス・ツインタニアを一緒に倒して、お父さんを勇者にしよう」といったことだ。

ドラマ版は鑑賞しており、感動できると思って観に行ったのだが、涙以上に笑いが止まらない結果となった。
一人で映画で観に行ったので、照れ屋の私は笑い声が漏れないように我慢していたが、それでもげらげら笑ってしまった。おかげで追い出されてしまった。(ウソ)
堅くて無口な父が、オンラインゲームに奮闘している姿があまりに滑稽すぎるのだ。緊張と緩和の連発である。
劇場では5分に一度は笑い声が聞こえてくるという、異様なまでに笑いに包まれた空間だった。

もしあなたが単純に面白い映画を観たいと思っているなら、この映画をおすすめする。
FFをプレイしたことがなくても、父が初心者なので、彼と一緒にFFの世界を知っていくことができる。
専門用語が出てくることもないので問題なく世界に入り込める。

父は実直で、無口。家では難しい本を読んだりと絵に描いたような仕事人間だ。家族に関心があるようにも見えない。
そもそも、なぜアキオはFF14を父に勧めたのかには意味がある。
なぜゲームなのか、なぜFFシリーズを選択したのか。
この理由は回想シーンで語られる。あまり語りたくないので、自分の目で確かめてもらいたい。

アキオはPS4の本体とともにFF14をプレゼントし、退職して暇な父は何となくゲームを始めることに。
序盤で結構ぐっとくるシーンがある。
それは初接触の瞬間だ。

FF14はオンラインRPGで、ネット上で知り合ったプレイヤーと一緒にモンスターやボスを倒していくゲームだ。
そもそもこの「光のお父さん計画」は、アキオが他人を装って父に接触し、ゲームを教えながら交流して仲を深める。最後にめちゃくちゃ強い大ボス「ツインタニア」を一緒に倒したあと、自分が息子だったことをネタバラシするという、壮大なドッキリ計画だ。

アキオは、何年間もずっとまともに会話してこなかった父にゲーム内で接触を試みる。
緊張の瞬間だ。
それを果たしたときは、胸を打たれるものがあった。

その後、お堅い父はゲームに馴れた人間には理解できないような、初心者らしいすっとんきょうなミスを連発する。
しかしゲームに慣れてくると、マジメな見た目からは想像できないほどにノリノリな言動をゲーム内で見せるように。仲間の前で。自分の仲間の正体が息子だと知らずに。

この映画は現実世界とゲーム世界を交互に描いて展開されていくので、現実世界の父はマジメ、しかしゲームではノリノリ、といった緊張と緩和が常に行われているので、劇場では笑いが止まらない状態となっている。こうもすべてのボケがヒットしている映画も珍しい。
ここまでコミカル演出がなされなかったドラマ版との大きな違いの1つだ。

ドラマ版で父を演じた今は亡き大杉漣も味があって良いのだが、個人的には今回の吉田鋼太郎の方が魅力を感じた。
演技が上手いのはもちろん、映画版の父は髭を生やしているのだ。この髭がいいアクセントとなっている。

娘のキャラも良かった。
この映画で一番笑えたシーンを挙げるとしたら、娘が写真を撮るところ。最高すぎるので具体的には語らないことにする。
もちろん娘もストーリーに大きく関わりを持っている重要なキャラクターだ。

あなたはこの映画に関心が湧いただろうか?
素晴らしいシーンが多いので、具体的な表現はあえて避けている。抽象的な文章の多い記事となってしまったが、その分観たら楽しめるはずだ。
家族には長い歴史があり、その長い年月、口にできなかった様々な思いがある。だから観客はそれを知ったときに心を揺さぶられるのだ。

自分の話で恐縮だが、私は昔、ゲームを現実逃避のツールとして使っていた。その時は一日中プレイすることもあった。
大人になり、現実と向き合えるようになってから、しばらくゲームとは距離を置いた。
最近は再び、少しずつゲームをするようになった。昔のように病的なハマり方をすることはないし、今ではコミュニケーションツールとして使うことも多い。
ゲームは何かと負の側面が取り上げられがちだが、こういった映画でいい部分を示してくれるのはゲームファンとしては嬉しい限りだ。
スプラトゥーン2で敵にボコられると発狂したくなるが。

劇場版ファイナルファンタジー14 光のお父さんの作品情報

■監督:野口照夫、山本清史
■出演者:坂口健太郎 吉田鋼太郎 山本舞香 財前直見
■Wikipedia:劇場版ファイナルファンタジー14 光のお父さん

劇場版ファイナルファンタジー14 光のお父さんを見れる配信サイト

U-NEXT:○(有料)
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(有料)
TSUTAYA TV:○(有料)
Netflix:-
※2020年2月現在

劇場版ファイナルファンタジー14 光のお父さんと関連性の高いおすすめ映画

劇場版ファイナルファンタジー14 光のお父さんの裏ジャンルである【バディとの友情】に分類される映画。

『ヒックとドラゴン』★★★★☆4
バーク島。そこに住むバイキングの一族は、長きにわたって襲来してくるドラゴンと戦っていた。ひ弱な少年ヒックは立派なバイキングになることを夢見ているが、いつもドラゴンとの戦いではみんなから邪魔者扱いされていた。ある日、ヒックは自身で開発した投擲機で、最強のドラゴンと言われているナイト・フューリーの捕獲に成功する。しかしヒックはケガをしたフューリーの命を奪うことができず……。

ひ弱な少年ヒックとフューリーのバディ物。
飛行シーンの描画は、監督のファンである宮崎駿の「紅の豚」「魔女の宅急便」が参考にされており、迫力のある映像を堪能できる。
やはり特記すべきは最後のシーンだ。なかなかの衝撃が待っている。

U-NEXT:-
Hulu:-
Amazonビデオ:○(吹替)○(字幕)
ビデオパス:-
TSUTAYA TV:
Netflix:
※2019年6月現在

-⑥バディとの友情

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。