映画の海

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④難題に直面した平凡な奴

映画『スイス・アーミー・マン』ネタバレなしの感想。奇抜な設定すぎるし、こんな物語観たことない

投稿日:7月 1, 2019 更新日:

■評価:★★☆☆☆2.5

「生を追求したサバイバル映画」

【映画】スイス・アーミー・マンのネタバレなしの感想、レビュー、批評、評価

無人島に漂流してしまったハンスは生き延びる希望を失い、自ら命を断とうとしていた。首に縄をかけたとき、波打ち際に打ち上げられていた人間を発見する。人工呼吸を試みるもすでに天に召されていた。するとその遺体はガスで膨れあがって水に浮いていた。さらにガスを噴射して沖合に向かっていた。ハンスは閃き、その遺体に乗り、ジェットスキーの要領で沖合に向かうことに。

この映画に感想について一言で伝えるならば、壮大な悪ふざけ映画だ。
荘厳で感動的なBGMが流れる中、オナラをぷりぷりと放つ遺体に乗って島を脱出するところから物語は始まる。

前衛的すぎるオープニングだ。
尖るにもほどがある。

その後、辿り着いた無人島の洞窟で、メニーと名づけた遺体とともに主人公・ハンスは一晩過ごす。
夜の内に天井から滴った水が遺体の口に落ち、なんと水筒のようにため込んでしまうのだ。
翌日、その遺体からジェット噴射のように放たれる水を飲んでハンスは息を吹き返す。
ハチャメチャにもほどがある。

そもそもこの映画のタイトルは、スイスアーミーナイフという様々な機能を持った十徳ナイフのようなものが語源となっている。
つまり「便利な遺体」だ。

そんな遺体役がダニエル・ラドクリフっていうのがいい。
見たこともない三流役者だと、このように便利アイテムのように使われるとイジメのように見えて痛々しい。
しかしハリー・ポッターシリーズの大ヒットにより、一生涯は遊んで暮らせるほどは稼いだであろう彼が演じることで、壮大な自虐ネタへと昇華してくれるのだ。

しかもダニエル・ラドクリフはずっと寝てるだけでいいからボロ儲けである。知名度があるというのは強烈な武器だ。
私も知名度が欲しい。このブログをゴーストライターに書かせて楽をしたい。

次第に遺体は話し出す。
もはやこの時点で遺体ではない。

次第に歌い出す。
もはや世界観がよく分からない。

ルールがむちゃくちゃなので、ゾンビっていう設定のが良かったんじゃないか。
そうすれば食われる危険がありながらも、こいつを利用しないと生きていけないジレンマを描ける。

だが、最初はあまりにぶっ飛んだ世界観にどう付き合っていいのか分からずにいたが、観ていると自然とこのアホたちを受け入れられるから不思議だ。
サンダンス映画祭では、この奇抜な設定についていけずに途中退席者もいたらしい。気持ちは非常に良くわかる。マジメに向き合いすぎたらアウトだ。常識を捨て、ありのままを受け入れないと折り合いがつかなくなる。

こういう世界観なので、シリアスな展開になり、大きな問題が発生しても解決策のほとんどがふざけてるから笑える。
この映画の見所でもあるので具体的な記述は避けておく。

テーマは「自分としての在り方」だ。
真面目である。
内向的なハンスは自分の性格がコンプレックスとなっていた。

遺体のメニーは生前の記憶がなく、赤子同然なので、ハンスは自分の都合のいいように教え込む。
次第に、自分の欠点が鏡映しとなって浮き彫りとなっていくのだ。そんな彼の自意識の強さを、遺体であるメニーは破壊しようとする。

こんな狂気の沙汰のような脚本が良く通ったものだ。
この手のテーマは別の手段でも描けるとは思うのだが、こういったアホみたいな遊び心は嫌いじゃない。映画自体は大して面白くはないが。

スイス・アーミー・マンの作品情報

■監督:ダニエル・シャイナート、ダニエル・クワン
■出演者:ポール・ダノ ダニエル・ラドクリフ メアリー・エリザベス・ウィンステッド
■Wikipedia:スイス・アーミー・マン
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):71%
AUDIENCE SCORE(観客):72%

スイス・アーミー・マンを見れる配信サイト

U-NEXT:
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(吹替)○(字幕)
ビデオパス:-
TSUTAYA TV:
Netflix:
※2019年6月現在

スイス・アーミー・マンと関連性の高いおすすめ映画

スイス・アーミー・マンの裏ジャンルである【難題に直面した平凡な奴】に分類される映画。

『ナイト&デイ』★★★★☆4
平凡は女性ジューンは、常日頃から理想的な男性を求めていた。ある日、彼女は妹の結婚式のため、ウィチタ・ミッド・コンティエント空港に向かう。そこでイケメン男性のロイと運命的な出会いを果たす。しかしロイは機内で乗務員や乗客たちに襲われ、その攻防戦の中でパイロットまで命を落としてしまい……。

トム・クルーズとキャメロン・ディアスによるラブコメアクション映画。
テーマなんか存在しない。エンタメに100%振り切った内容で、頭をからっぽにして楽しめる良作だ。定期的にリピートしたくなるタイプ。
トム・クルーズが笑顔で刺客たちを蹂躙していく様は観ていて爽快である。

U-NEXT:
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(吹替)○(字幕)
ビデオパス:
TSUTAYA TV:
Netflix:-
※2019年6月現在

-④難題に直面した平凡な奴

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。