映画の海

約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

③魔法のランプ

映画『ハッピー・デス・デイ』ネタバレなしの感想。タイムループ物の新たな名作

投稿日:7月 10, 2019 更新日:

■評価:★★★★☆4

「タイムループや仮面キラーにドキドキ・ワクワクする人向けの性悪女子大生成長物語」

【映画】ハッピー・デス・デイのネタバレなしのレビュー、批評、評価

9月18日(月)。この日はテレサ・ゲルブマン(ツリー)の誕生日だ。彼女は目を覚ますとカーターという男子学生の寮の部屋にいた。昨夜は飲みすぎたせいで、カーターの名前も覚えておらず、彼に介抱される形でベッドを借りていた。ツリーは父親の連絡を無視し、ルームメイトのロリが作ってくれたケーキをゴミ箱に捨て、既婚者のグレゴリー・バトラー教授との不倫を楽しむといった1日を過ごす。この日の夜、パーティ会場に向かっていると、大学のマスコットキャラクターであるベビーのお面をつけた何者かに襲われ、命を落とす。目を覚ますと、なぜか9月18日の朝に戻っていた。

感想文を書く前に言いたいことがある。
都内ではTOHOシネマズ日比谷しか上映されていなかったので仕方なく足を運んだのが、これがまたやっかいな映画館で全然見つからず、半ベソと滝のような汗をかきながら走り回ることとなった。昼寝したあげくに寝坊して、時間ギリギリに行った私が一番悪いのは重々承知である。

その理由は、TOHOシネマズが入っているビルが2つに分かれている(東京宝塚ビル:スクリーン12~13、東京ミッドタウン日比谷:スクリーン1~11)謎構造になっていたり、
「ハッピー・デス・デイ」は東京ミッドタウン日比谷ビル4Fで上映されていたのだが、4Fまでいけないエスカレーターが存在したりと、観る前から私は一人で日比谷中をループするという戦いに奮闘しており、座席に着いた頃には満身創痍状態だった。
さらにはTOHOシネマズ シャンテなんていうのも存在するらしいので、あなたがここにくる場合は時間に余裕を持って来ることをお勧めする。

隣りに座っていたOL風の大人しそうな女性が涼しい顏してドリンクで喉を潤していたので、奪い取って一気飲みしてやりたかった。(そんなことしませんよ、私は紳士なので)

しかし、観終わったあとは、そのストレスを忘れてしまうくらい最高に楽しい映画だった。帰りにスーパーでコーラを買って一気飲みしたのもいい思い出だ。

話が大きくそれたので本題に戻す。
この映画は裏ジャンルでいう、「魔法のランプ」の映画だ。
裏ジャンルは物語の本質的なストーリーラインで分類したもの。通常のホラーやラブコメといったジャンルは、表面としての分類と判断していい。

魔法のランプとは、主人公が望んでいるものを魔法の力によって手にするが、その弊害に苦しみ、打ち勝って成長するジャンルだ。
まさにアラジンがそう。
王宮に暮らしにあこがれる盗賊のアラジンが、3つの願いを叶えてくれるランプの魔人によって王子にしてもらい、ジャスミンに近づくといった流れ。
他には太っちょの教授が意中の女性を手にするため、やせ薬を開発して飲む「ナッティープロフェッサー」
最愛の女性を救うためにタイムスリップする「バタフライ・エフェクト」もそれに当てはまる。

裏ジャンルにはそれぞれにサブジャンルも存在しており、今作は魔法のランプのサブジャンル「呪いのランプ」に該当する物語だ。
端的に言うと、性格の悪いやつが魔法(呪い)にかかって改心(成長)する、といった内容。
これに該当する映画は、調子に乗っている人気気象予報士が、退屈な田舎町で同じ日を繰り返すはめになる「恋はデジャ・ブ」、外見の美しい女性ばかりを求めるハルが催眠術をかけられ、体重100キロの女性が美しく見えるようになる「愛しのローズマリー」、嘘つき弁護士がある日から嘘が一切つけなくなる「ライアーライアー」など。

実際に監督のクリストファー・B・ランドンは、本作を制作するに当たって参考した映画の中に「恋はデジャ・ブ」も含まれている。

今作は見るからにビッチな女がタイムループし、自分の命を奪うやつを捕まえる過程で自身が成長していく、といった流れだ。
呪いのランプをホラーサスペンス形式で描いたところに新しさがあり、今作が評価されている一番のポイントだ。
今作をあなたが楽しめたなら、呪いのランプ映画を楽しめること必至である。
実際に私も恋はデジャ・ブやライアーライアーは好きだし、まだ未視聴の愛しのローズマリーはいずれ観て感想文を書く予定である。間違いなく楽しめるだろう。

ちょっと古いのであなたは知らないかもしれないが 、この映画のストーリーを知ってまっさきに連想したのが、かつて少年ジャンプで連載されていた「アウターゾーン(1991年14号 – 1994年15号)」という古い漫画で、時間を巻き戻せる時計の話だ。
11巻(デジタル版7巻)に収録されている「時空の奈落」というタイトルのマンガだが、オチがかなり地獄で、未だに忘れられない強烈な内容となっている。もし興味がわいたら読んでもらいたい。間違いなくびっくりするので。

アウターゾーンは他にもトラウマになるレベルの話が多く、特に3巻に収録されている「妖精を見た」は常軌を逸した出来栄えとなっており、小学生の頃に読んだ私は、あまりの怖さにしばらく悪夢にうなされたほどだ。
そもそもアウターゾーンはオカルトやホラー好きからはファンが多く、私も未だにたまに繰り返し読んでしまう傑作漫画である。あなたがこの手のジャンルに関心が強いなら、ぜひとも手に取ってもらいたい。
シナリオが異常に手の込んでいる名作漫画なので読んで損はない。余談だが、作者は当時シナリオ作りに追い込まれ、相当苦労して連載していたとのこと。

不満点というか1つ提案なのだが、襲われる時間を提示して欲しい。
最後の方で時間を気にしている描写がはあったが、序盤からチラチラ時計を見てくれた方が、スリラー演出としての効果は間違いなく高まる。
例えば【夜10時に襲われる】といった感じで、一つのルールとして提示してくれると、劇中でツリーがこの時間を意識して時計をチラ見することで、「いつ来るんだ?そろそろか?まだ来ないのか?」と観客は緊張感を持って楽しめるからだ。

お色気も遠慮しなくていいと声を大にして言いたい。
規制を気にしているんだろうが、私は大人なので知ったこっちゃない。

この映画、シナリオで見せてくれたので満足度はかなり高い。
色々書いているが実際はほんの一部で、さらなる仕掛けも施されているので期待していい。この記事がアップするのが7月10日(水)で、明日(木)までの公開なので、あなたが関心があるなら早めに観に行くことをおすすめする。

近年良く見かける女性が逞しいタイプの映画なので、女性にも特におすすめしたい。私が観に行った回は両サイドを女性に囲まれるほど、女性比率が高かった。エンドロールの後は続編の予告が流れるので見逃さないように。

続編は更にスケールアップしているが、主人公の成長要素が期待できないのと、日比谷が若干遠いのが難点。新宿、池袋、渋谷辺りで公開してもらいたいところだが、厳しそう。
2作目は、1作目ほど本国ではヒットしなかった観に行くかは迷い中。

あなたは関心がわいただろうか。
この映画、ついつい関連作品についていろいろと語りたくなってしまう魅力がある。
オカルトやホラーは子どもの頃に見ると刺激が強く記憶に染み付いているのだろう。
多くのファンを持つタームループ物、同じく多くのファンを持つ仮面キラーが登場するホラーサスペンス。
これらを有機的に連動させた見事な出来栄えだ。

ハッピー・デス・デイの作品情報

■監督:クリストファー・B・ランドン
■出演者:ジェシカ・ローテ イズラエル・ブルサード ルビー・モディーン
■Wikipedia:ハッピー・デス・デイ
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):71%
AUDIENCE SCORE(観客):66%

ハッピー・デス・デイを見れる配信サイト

U-NEXT:-
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:-
ビデオパス:-
TSUTAYA TV:-
Netflix:-
※2019年7月現在

ハッピー・デス・デイと関連性の高いおすすめ映画

ハッピー・デス・デイの裏ジャンルである【魔法のランプ】に分類される映画。

『恋はデジャ・ブ』★★★☆☆3.5
人気気象予報士フィルは、仕事仲間のリタとラリーとともに、毎年2月2日の行われる聖燭祭(せいしょくさい)に行われるグラウンドホッグデーを取材するため、田舎町のペンシルベニア州パンクスタウニーに向かった。フィルにとって田舎町は退屈なものがあり、惰性で仕事をこなすことに。帰る日に天気が悪くなってしまい仕方なく宿に泊まり、翌朝目が覚めると再び2月2日を迎えていた。

魔法のランプ物の古典的名作。
1993年に公開された古い映画だが、ループ物ということもあって一定の面白さは担保されている。
内容もよく出来ており、この映画に影響を受けて誕生した作品は多い。

U-NEXT:○(見放題)
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(字幕、有料)
ビデオパス:-
TSUTAYA TV:○(見放題)
Netflix:-
※2019年7月現在

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。