映画の海

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②金の羊毛

映画『ハッピー・デス・デイ 2U』ネタバレなしの感想。キャラクターの魅力に溢れたヒット作の続編

投稿日:7月 17, 2019 更新日:

■評価:★★★☆☆3

「両親への思い入れが強い人向けのSFドラマ」

【映画】ハッピー・デス・デイ 2Uのネタバレなしのレビュー、批評、評価

※この記事は、前作『ハッピー・デス・デイ』のネタバレが含まれるので、未視聴の場合は要注意。
さらに前作のとある要素が重要な伏線になっているので、今作を楽しみたい場合はパート1からの鑑賞を強くすすめる。

ツリーは誕生日である9月18日月曜日に襲われた悪夢のタイムループを乗り越え、翌19日の火曜日を迎える。この日、ライアンは研究室に向かって仲間とともに量子反応炉の研究を再開することに。しかし、学部長のブロンソンによって研究は禁止されてしまった。膨大な電気を必要とするため、何度か大学に停電を引き起こしてしまっていたからだ。意気消沈したライアンは使われていない研究室にてベイビーフェイスのマスクを被った何者かに刺され、命を奪われる。目が覚めると、再び19日火曜日を迎えていた。この摩訶不思議な出来事をツリーらに伝えると、彼女は「18日月曜日」をループした自らの体験を話し出す。

前作はマスク人間に命を奪われるたびにその日の朝にタイムループし、そいつを特定してループからの脱出を試みるホラーミステリーといったジャンルだ。
今作ではホラーは薄れ、SF要素が強くなっている。序盤でライアンを襲ったマスク人間を特定した直後、ツリーはなぜか再び、9月18日月曜日に戻ってしまう。しかも別次元の18日、つまりパラレルワールドに巻き込まれてしまうのだ。微妙に以前の18日とはそれぞれキャラクターが異なる行動を見せる。しかしマスク人間に襲われ、命を奪われると18日の朝にループすることは変わらない。そのため、元の次元に戻るかつ、ループから脱却するために原因を追究するといった内容となっている。

上記の説明で察知したと思うが、プロットが若干複雑だ。
どういった原理でタイムループ×パラレルワールドが発生しているのか、劇中で論理的な解説をしているのだが良く分からない。序盤で、マスク人間をツリーやカーター、ライアンらでとっつ構え、マスクをはぐのだが、とんでもない人物なのだ。なぜその人間なのかも良くわからない。
2がヒットしなかったとは聞いていたが、観て納得できた。1は焦点を絞った作りで楽しませてくれたが今作は要素が渋滞を起こしている。ちょっと残念だ。
監督は2への期待にプレッシャーを感じ、前作を凌駕するため、いろんな要素を詰め込んでしまい、削るといった英断に踏み切れなかった印象。作品作りにおいて、「削り」の作業は重要である。
できることなら今作もタイムループという要素のみで勝負してほしかった。ジャンルは替えても問題ないので。

悪い部分ばかりの指摘になってしまったが、楽しめるポイントは非常に多い。

前作に比べ、ツリーの更なるハッスルした姿が楽しめる。
今作もしくじったときにリセットするため、自ら命を絶つシーンは健在である。
しかも今回は、いろんなパターンを見せて楽しませてくれるから嬉しい。こんなに自害の種類があるのかと、思わず関心してしまう。
芸が細かいのは、ツリーが命を断ちたくなるようにちょっとした工夫をするのだが、そこが女子らしくて可愛いのだ。

あとツリーは美人だが、基本は感情で動くバカだ。その割に強気かつ、能動的なので思わず応援してしまう。女版パンサー尾形といったところ。
しかもこのバカというキャラ性を上手く料理してストーリーの進展に絡めているところに好感も持てる。いい脚本だ。
今作ではより、ツリー役の女優のスター性が発揮されている。
そして脚本も担当している監督のキャラ作りの上手さにも唸らされる。

ツリーのライバルとして登場するダニエルという女の子も良かった。
好き嫌いが別れそうな気の強いルックスだが、とある問題を解決するために滑稽な芝居するシーンが面白い。ここでもキャラクターの多面性を上手くストーリーの進展に絡めていて素晴らしい。

あと続編の持っていき方はセンスは感じた。
まさかこの方向で話を展開させるとは思わなかったので、続編ならではのうんざり感はない。
「もうツリーを成長させるポイントはないだろう」とは思っていたのだが、前作のあるものを上手く伏線にし、今作では彼女の成長に活用している。非常に上手いし、楽な方に逃げてしまいがちな人間は、あらゆる点で成長する余地があることを学ばせてもらった。

複雑な箇所を削ってもっとシンプルに見せてくれたら、間違いなくヒットして3の製作に橋渡しできただろうから残念だ。

今作を見て思ったのだが、続編はやはりジャンルを変えることは必須だなと改めて実感した。
同じジャンルで勝負すると、どうしても前作と比べられてしまうからだ。フラットな状態で作った1作目と比べ、余白が限られている2作目はなかなか勝つのが難しい。
そして監督、脚本のクリストファー・B・ランドンの才能は今作で顕著となった。
次はのびのびと新作を制作してもらいたい。

ハッピー・デス・デイ 2Uの作品情報

■監督:クリストファー・B・ランドン
■出演者:ジェシカ・ローテ イズラエル・ブルサード
■Wikipedia:ハッピー・デス・デイ 2U
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):69%
AUDIENCE SCORE(観客):61%

ハッピー・デス・デイ 2Uを見れる配信サイト

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Netflix:-
※2019年7月現在

ハッピー・デス・デイ 2Uと関連性の高いおすすめ映画

ハッピー・デス・デイ 2Uの裏ジャンルである【金の羊毛】に分類される映画。

『少年メリケンサック』★★★★☆4
メイプルレコードで働いているかんなは契約更新できず、仕事を辞めることになってしまう。そんな時、ネットで見つけた「少年メリケンサック」というパンクバンドのライブ映像に心を奪われ、時田社長に見せる。かつてパンクバンドを結成していた時田も動画を見て胸が熱くなる。彼はカンナの契約を延長し、「なにがなんでもスカウトしてこい」と指令を下す。

宮藤官九郎監督脚本によるコメディ映画。
宮藤官九郎作品は当たり外れの激しい印象があるが、今作は数少ない大当たりの一つである。
バンド映画でよくある音楽映画のラストのカッコいいいライブシーンは期待しない方がいい。コメディなので。魅力なキャラクターばかりが登場するが、誰一人としてまともではない。

U-NEXT:○(見放題)
Hulu:○(見放題)
Amazonプライムビデオ:○(有料)
ビデオパス:○(有料)
TSUTAYA TV:○(有料)
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※2019年7月現在

-②金の羊毛

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。