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約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

⑥バディとの友情

映画『河童のクゥと夏休み』ネタバレなしの感想。某有名映画とほぼ同じプロット。不気味な一作

投稿日:7月 26, 2019 更新日:

■評価:★★☆☆☆2.5

「人外との交流を図る青春ドラマ」

【映画】河童のクゥと夏休みのネタバレなしのレビュー、批評、評価

東久留米に住む平凡な小学生・上原康一は下校途中に川辺で大きな石を見つける。好奇心で割ってみると、中から化石のように干からびた生物が出てきた。その生物は水をかけることで息を吹き返す。長い間地中で仮死状態となっていた河童の子どもだった。康一は鳴き声から「クゥ」と名付け、騒がれないように世間に内緒で家で飼うことに。

「おすすめ アニメ映画」で検索すると、必ずといっていいほど名前が挙げられる本作。
絵に癖があったので敬遠していたのだが、アマゾンプライムにあったので何となく観る流れとなった。
確かによく出来ている。
映像も思ったほどクセはないし、個々のキャラクターはとても魅力的だ。
しかしこの作品、某有名映画とほぼ同じプロットじゃないか? それ以外にもう一つ気になる点があったので、後で解説していきたい。

良かった点から挙げて行きたいのだが、開始六分で引き込まれる。お見事な演出だ。
河童はなかなか気持ち悪い見た目だが、序盤のエピソードのおかげもあって、すぐに受け入れられる。
内容は観てもらいたいのだが、魚というアイテムに河童のピュアさを覚えるのだ。

「何でクゥの見た目を気持ち悪くしたのかなあ」と思って考えてみたんだが、恐らくこうだ。
最初に拒否反応を覚えた方が、ストーリーの進行過程で観客が受け入れていくことで愛着が強くなるから。
最初から受け入れられるような可愛らしいルックスと比べて、一つハードルを乗り越えた方が河童を魅力的に思えるってことだろう。
出会ったときは「気持ち悪い、嫌い」と思っていた異性に気づいたら惹かれていた……みたいな心理と同じである。

河童を目の前にして父や主人公の少年・康一は飼おうと前向きになるが、母や妹は気持ち悪がる。
リアクションによる対比で、キャラの個性を描き分けているのはもちろん、観客は母や妹との河童との距離が縮まることを思わず望んでしまう。上手い演出である。

声優陣も結構いい味を出していた。
河童のクゥは素晴らしい。いかにも子供っぽく、野生感がある。
お父さんを演じたココリコ田中直樹の声も妙な安心感があって心地いい。いい采配だ。
後半に出てくるある人物をガレッジセール ゴリが演じていて、彼も物凄く良かった。

個人的にツボだったのが、長年の眠りから復活した河童のリハビリシーン。
確かに久し振りに歩くことになるので、足の筋肉は退化しているのだろう。そのシーンのクゥがヨボヨボのおじいちゃんのように見えて可愛らしいのだ。
ほんの一瞬のシーンだが、もしかしたらこの映画で一番好きなところかもしれない。

河童を飼うということで、世間に秘密にするように父から忠告される康一。
この辺りから徐々に違和感を覚えていくこととなった。

一番の問題点は某有名映画のプロットとほぼ同じというところ。
人外と交流する世界観は問題ないが、せめて別のテーマで描くべきだった。この設定のこのテーマはすでに既存作品がやっているので既視感を覚える。特に私はその某有名映画を子供のころから見ているファンなので、途中から萎えてしまった。
原作は河童のが先みたいだが、世に広く認知されたのはその映画のが早いため、私のように思った観客は多いはず。

次に犬の件。
なぜ、犬ではなく河童を優先する?
勢いでごまかしている感はあるけど私は騙されない。
犬と河童では共有時間があまりに違いすぎるのは明白で、なぜ家族があのような行動を取るのか意味不明である。せめて母だけでも残るべきだった。

この2箇所はなかなかの巨大なマイナス点だ。制作陣はこの2点に何の違和感も覚えなかったのか?
最初は面白がって観ていたのだが、このおかげで一気に映画から意識が離れる結果となった。

あなたはこの映画を観たことがあるだろうか。
あまりおすすめはしないが、この2点を確認するために観てもいいだろう。実際に問題点を除いたら良くできたアニメだ。
監督の原は20年もの間、この原作のアニメ化を願っていたという。
20年の構想の行く末がパクりってどういうことだろうか。犬の件も踏まえ、「カラフル」「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」は私の中でかなり好きな作品なので、幻滅してしまった。

河童のクゥと夏休みの作品情報

■監督:原恵一
■出演者:冨澤風斗 横川貴大 ココリコ・田中直樹
■Wikipedia:河童のクゥと夏休み
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):-
AUDIENCE SCORE(観客):75%

河童のクゥと夏休みを見れる配信サイト

U-NEXT:○(見放題)
Hulu:○(見放題)
Amazonプライムビデオ:○(見放題)
ビデオパス:○(有料)
TSUTAYA TV:-
Netflix:-
※2019年7月現在

河童のクゥと夏休みと関連性の高いおすすめ映画

河童のクゥと夏休みの裏ジャンルである【バディとの友情】に分類される映画。

『空飛ぶペンギン』★★★☆☆3.5
マンハッタンの不動産会社に勤めるエリートサラリーマンのトムは仕事人間。家族を省みなかったことで妻と離婚し、今では子供たちとの関係も険悪となっていた。ある日、長年会っていなかった父から大きな荷物が届く。開けてみるとなんと、生きたペンギンが中から出てきた。異常事態となったトムはパニックに陥り……。

ジム・キャリーのコメディ映画。
河童のクゥと夏休みは河童と主人公の少年との絆の物語に対し、本作はペンギンを通じて主人公・トムが家族との絆を深めていく話。
シナリオは普遍的な流れを辿るが、何よりペンギンが可愛くて、思わずにっこりしながら見てしまう。ペンギン好き必見である。

U-NEXT:-
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(有料)
ビデオパス:-
TSUTAYA TV:○(有料)
Netflix:-
※2019年7月現在

-⑥バディとの友情

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。