映画の海

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①家のなかのモンスター

映画『サマー・オブ・84』ネタバレなしの感想。80年代リバイバルのジュブナイル青春ホラー

投稿日:8月 7, 2019 更新日:

■評価:★★★☆☆3.5

「すべてのホラー・オカルトを愛する少年に捧げる」

【映画】サマー・オブ・84のネタバレなしのレビュー、批評、評価

1984年の夏、オレゴン州の田舎町イプスウィッチ。デイビーはUFOや幽霊、猟奇事件などに関心の強い好奇心旺盛な15歳の少年だ。ある日、近隣の町で子どもばかりを狙う連続殺人事件が発生する。デイビーはその犯人が向かいに住む警官マッキーであると睨み、親友のイーツ、ウッディ、ファラディとともに独自の捜査を行うことに。

最近はCG技術が成熟して食傷気味となっている反動なのか、80年代リバイバルが盛んとなっている。
Netflixの人気ドラマ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」やリメイクされた「IT」などのジュブナイル青春ホラーを始め、先日レビューした青春バンド映画「シング・ストリート 未来へのうた」も1985年のダブリンを舞台としている。

結論としては80年代の雰囲気も良く、結構楽しめるいい映画だった。
第一印象は「ディスタービア」そのものと言ったところ。
ディスタービアは高校生の男がワケあって家から出られなくなり、暇つぶしに双眼鏡で近所の覗きをしていたら、ニュースになっている連続殺人事件の犯人のものと思われる車を見つける、といった内容。
中学生版ディスタービアだと思ってみるといい。

オープニングにナレーションで、今作のテーマが明かされる。
「多面性」だ。
多くの近隣住民や友達たちは、普段見せている姿とは違った面を持っており、殺人鬼も然り、といった内容である。
こういった前フリは期待感を煽ってくれるので結構好き。

BGMは80年代を連想させるようなノスタルジックさがあり、スマホやパソコンなんかも当然出てこない。友達との連絡はもっぱらトランシーバーだ。
ホラー映画に欠かせないやけに可愛くてホットな女子ももちろん登場するし、初接触はエロビデオさながらで笑える。
こういう安っぽさも80年代っぽくていい。

とにかく全編に渡って自身の過去を回想したくなるような様々な仕掛けが施されている。
本作は監督3人による共同作業で作られているので、共感できるポイントを何度も話し合って確認し合い、丹念に作っていったのだろう。そういう努力が随所に感じられる。

後半では、この手のストーリーでおなじみの”あの展開”を迎える。
今回もなかなかの緊張感があって、満足度は高い。

その後は、想定外の斜め上を行く展開を見せてくれる。
終わり方は賛否がわかれるかもしれないが、個人的には好きだし、少年たちに捧げる感が強い。恐らく制作陣をそれを意識してあえてこの結末を選択したのだろう。

女の子の存在感がなかったのはちょっと残念だ。
もっと捜査に絡んでほしかった。あくまで主人公の成長を可視化させる目的のみに存在しているといった感じで、おまけ感が強い。
これも80年代の映画だが、「スタンド・バイ・ミー」のような男同士の友情を描きたかったからこその演出だろう。

男同士の中に女の子が入ってしまうと、少しギクシャクしてしまう。15歳という年頃なら特にだ。(私に限っては今でもモジモジ)
特に登場人物の一人はやけに性的に活発なため、女子がいないところで女子の話に盛り上がる感も描きたかったのだろう。

ストーリーは見慣れていて、新鮮味がないのは少し物足りない。
クライマックスはちょっとユニークではあるが、できることなら中盤辺りから鮮度の高い独自展開を見せて欲しかった。守りに入りすぎてしまった印象である。

それでも多くのキャラの多面性を描けていたし、ジュブナイル青春ホラーとしては十分に楽しめた。
あなたがこの手の映画がドラマが好きなら観て損はない。
シネコンにはかからないようなこういった小さな世界観の映画は一定のニーズがあるし、私も好きなので、定期的に作られて欲しいところ。
映画を観た新宿シネマ・カリテも雰囲気のあるミニシアター映画館で良かった。椅子の座り心地も良い。

サマー・オブ・84の作品情報

■監督:フランソワ・シマール アヌーク・ウィッセル ヨアン=カール・ウィッセル
■出演者: グラハム・ヴァーチャー ティエラ・スコビー リッチ・ソマー
■Wikipedia:サマー・オブ・84
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):70%
AUDIENCE SCORE(観客):66%

サマー・オブ・84を見れる配信サイト
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Hulu:-
Amazonプライムビデオ:-
ビデオパス:-
TSUTAYA TV:-
Netflix:-
※2019年8月現在

サマー・オブ・84と関連性の高いおすすめ映画

サマー・オブ・84と同じジュブナイル青春ホラーのおすすめ。

『金田一少年の事件簿 学園七不思議殺人事件』★★★★☆4
名探偵金田一耕助の孫・一(はじめ)は不動高校に転校することに。ミステリー部に入った彼は、文化祭で学園七不思議の謎を探ることとなる。だが、その謎の真相に迫ると”放課後の魔術師に殺される”という噂があった。それでも一を含む部員たちは捜査を始めるのだが……。

私が印象に残っているジュブナイル青春ホラーといったらこれ。1995年に放送された2時間ドラマだ。
厳密にはミステリーなんだが、放課後の魔術師はもはや仮面キラーである。

小学校6年生だった当時の私は、親友と一緒に彼の家でマクドナルドを食べながら、録画したVHSを一緒に観た。
それがもう最高に怖くて、でも冒険感がたまらなくワクワクした未だに記憶に強く残っているドラマだ。
AMAZONでも未だにDVDが新品で買えるし、値段も下がっていないので人気があるのだろう。
レンタルでもいいでぜひ観て欲しい。

余談だが、このドラマはかなり評判があり、同じキャストで2クールも連続ドラマ化されている。
今作が楽しかったら見てみるといい。当時の私は毎回録画して何度も繰り返し観たため、すべてのトリックを未だに覚えている。

U-NEXT:-
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(DVD)
ビデオパス:-
TSUTAYA TV:-
Netflix:-
※2019年8月現在

-①家のなかのモンスター

執筆者:

名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。