映画の海

約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

⑤人生の節目

映画『ラブ・アゲイン』ネタバレなしの感想。モテない中年男がイケメンからナンパ術を伝授される夢物語

投稿日:

■評価:★★★☆☆3.5

「好きという感情は止められない」

【映画】ラブ・アゲインのネタバレなしのレビュー、批評、評価

男は女性関係に困ったとき、2つの願望が頭をよぎる。
1つは、ダメな自分のすべてを受け入れ、性行為まで導いてくれる天使のような女性が現れること。
もう1つは、ダメな自分でも使える簡単に女性を口説ける魔法の技術を手にする、あるいはそれを教えてくれる人間が現れること。

男なら誰もが願ったことのある願望をこの映画では叶えてくれる。
離婚を突きつけられ、絶望した中年のオッサンに、イケメン天使が羽を与えてくれるのだ。

中年男性のキャルは妻エミリーとレストランで食事中、唐突に「同僚のデイビッドと浮気した。離婚してほしい」と告げられる。ショックを受けたキャルは以後、毎日ようにバーに通い、マスターに嘆くようになる。ある日、若くてイケメンなジェイコブがバーでナンパをしていると、キャルを目撃する。キャルの愚行を見かねたジェイコブが、彼にナンパの技術を伝授すると持ちかける。

中年男のキャルは妻に浮気され、フラれるのだが、当然彼にも理由がある。
夫として、いや男として足りないものがあまり多すぎるのだ。
だがキャルは現実を見ようとせず、ひたすらにバーのマスターににグチり続ける。真性のダメ男だ。

そんな彼に対して、無条件で女性の口説き方を伝授してくれるイケメンが現れるから羨ましい。
恵まれすぎだ。ズルい。私にも教えてくれ。私も日頃はいい行いばかりしているぞ。先日、新宿を歩いてたらバックパックのチャック全開で歩いている男がいたから教えてあげたぞ。(本当)

特にモテない男は、服装をどうしたらいいかわからない。
オシャレの基準がわかってないので、何を着たらオシャレに見られるのかわからないのだ。
でもジェイコブは、口説きの技術の前にちゃんとキャルの服装の改善をしてくれる。本当にいい男だ。

この設定は男心をくすぐるもので、非常に面白い。
中年ダメ親父のキャルがどのような変化を遂げるのか気になってしまい、一瞬で物語に没入してしまった。

この映画、とにかくキャラ造形が上手くて、会話劇が面白い。
特にお気に入りはキャルの息子だ。

キャルは奥さんをひどく引きずっており、ジェイコブのナンパの手ほどきの提案に、最初はそこまで積極的になれない。
対して、息子・ロビーは猿のように性的に活発。
キャルが絶望しているとき、ロビーはキャル家が雇っている年上の17歳のベビーシッター・ジェシカにガンガンアタックする。(たぶん2~3歳くらい上)
年下のガキんちょに興味のないジェシカだが、ロビーはそんなのおかまいなし。
例えブサイクなやり方だろうと、彼女を手にするためなら何でもやる。

そもそも対比対象がユニークすぎる。
まさか親と息子を対比させるとは。

あんな小物感みなぎるキャルの息子とは思えないほどにロビーは達観していて、なおかつトラブルメーカー。彼と接する大人たちはたじたじだ。
思わず観客は、ロビーが物語にどう絡んでくるのか期待をあおられる。

こんな感じでユニークな男性キャラクターが多く登場するの本作だが、女性の描き方には疑問を感じる。
キャルやジェイコブが口説いた女性が、やたら性的に下品な行動を取りまくるのだ。いかにも男性脚本といった感じである。
そもそも男の前で下ネタを連発する女性って現実にはあんまりいない。
その女性が気に入っている男の前ならなおさらだ。
彼女らは好きな男性の前だと、自分が理想とする女性像を演じようとする傾向にある。

実際に女性脚本の青春映画「スウィート17モンスター」では、主人公の女子高生ネイディーンは女友だちの前だと下品な下ネタを連発するが、好きな男の前だと急にしおらしくなったりする。
脚本家は女性をあまり観察していないのでは?

私は男なのでこういった描写は嫌いではないが、リアリティに欠けるので違和感は覚える。
このような珍妙な女性描写を受け入れがたい女性も一定数いるだろう。

余談だが、「スウィート17モンスター」は女性脚本の映画だけあって、女性描写がやけにリアルなので、興味があったら観るといい。
シナリオやキャラ描写が素晴らしいのでおすすめの一本。

後半に向けての展開もちょっと非現実的。
特にモテ男・ジェイコブの行動は残念で仕方ない。
こういった形にした方が万人受けするかもしれないが、大衆に迎合しているとしか思えない。
物語としても小さくまとまってしまう。

新しい価値観を強い説得力で描いて欲しい。
そういう描き方をしてくれると新鮮さを覚えて、観客は興味深く観れるものだ。
良くある価値観をそのまま描いたって食傷気味なだけである。

ラストの手紙のシーンも受け入れがたいものがあった。
あのシーンで共感できる女性はいるのだろうか?

こんな感じで納得できない展開も多いが、会話センスは素晴らしく、思わず笑ってしまうところは多いので楽しく見られる映画ではある。
あなたは関心がわいただろうか。
何より嬉しかったのが、ラ・ラ・ランドの主演二人出演しているところ。
同じ画面にライアン・ゴズリングとエマ・ストーンが映ってくれるのはラ・ラ・ランドファンとしては嬉しい限り。

ラブ・アゲインの作品情報

■監督:グレン・フィカーラ ジョン・レクア
■出演者:スティーヴ・カレル ライアン・ゴズリング ジュリアン・ムーア エマ・ストーン
■Wikipedia:ラブ・アゲイン
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):78%
AUDIENCE SCORE(観客):78%

ラブ・アゲインを見れる配信サイト

U-NEXT:○(見放題)
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(吹替・見放題)○(字幕・見放題)
ビデオパス:○(見放題)
TSUTAYA TV:○(有料)
Netflix:○(見放題)
※2019年8月現在

ラブ・アゲインと関連性の高いおすすめ映画

ラブ・アゲインの裏ジャンルである【人生の節目】に分類される映画。

『ルーム』★★★☆☆3.5
5歳のジャックは、母ジョイと二人で「部屋」に暮らしていた。体操をしたり、TVを観たり、ケーキを作ったりと楽しい日々を過ごしる。彼にとって扉のないこの部屋が世界のすべてだった。ジャックが5歳になったとき、ジョイは彼にこう告げる。「この部屋の外には本当の世界があるの」と。二人は部屋からの脱出を試みることに。

ようは二人は誘拐されているのだ。
このあらすじを読む限り、脱出劇を楽しむ物語だと思うだろう。
だが、違う。本作はヒューマンドラマだ。
あまり詳しく解説したくない類の映画なので、あとは直接観て楽しんでもらいたい。

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。