映画の海

約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

⑩スーパーヒーロー

映画『帰ってきたヒトラー』ネタバレなしの感想。「笑うな危険」のキャッチコピーの意味

投稿日:

■評価:★★★☆☆3.5

「ヒトラーを題材としたブラックコメディ」

【映画】帰ってきたヒトラーのネタバレなしのレビュー、批評、評価

1933年にドイツの首相となったヒトラーは第二次世界大戦を導き、ユダヤ人を大量虐殺した「ホロコースト」を引き起こした独裁者だ。
本作はそんな極悪非道のヒトラーを現代にタイムスリップさせ、コメディアンとしてメディアに出るという思い切った設定のブラックコメディである。
本作のキャッチコピーは「笑うな危険」だ。一体どういうことなのか。

1945年、ソ連軍のベルリン侵攻により、窮地に追い詰められたヒトラーは天に召された。だが、ヒトラーはなぜかベルリンの空き地で目を覚ました。人々は自分を総統だと認識しておらず、キオスクの新聞を見ると現在が2011年であることに衝撃を受けて倒れてしまう。ヒトラーは2011年にタイムスリップしたのだ。キオスクの主人はすっかりヒトラーを「モノマネしているコメディアン」だと思ってしまい……。

あなたが本作を観たことがないのなら、映画「ヒトラー ~最期の12日~」から観ることをおすすめする。
ベルリンにソ連が肉薄し、なすすべもなくなったヒトラーらが地下壕に逃げ込み、彼が天に召されるまでの最期の12日を描いた史実の戦争ドラマだ。

そのあとに本作を観ると、まるで続編でも観ているかのような奇妙な錯覚に陥るのだ。
前者はシリアス100%な戦争映画のあとに対して、本作はコメディときている。
対比効果により、形容しがたい不思議な感覚を楽しめる。
なかなか味わえる類のものではないので、この流れで鑑賞することを強くおすすめしたい。というか他で体験するのは無理かもしれない。

本作は中盤辺りまでは、ひたすらコメディに振り切っている。
テレビマンのサヴァツキはコメディアンだと思ったヒトラーを面白がり、彼をインタビュアーとして、ドイツ各地を赴き、人びとの悩みを聞く番組を企画する。

観たらわかるのだが、ただのヒトラーのぶらり旅である。
何百万人もの命を奪ったあの極悪人のヒトラーが有吉散歩のように平和な旅ロケをしている。滑稽で仕方がない。
タイムスリップした直後ということもあり、ヒトラーは戸惑いつつも、この仕事を受けている。
だが、国民の不満などを聴いているうちに、ヒトラーも今やるべきことが明瞭化していくのだ。

実際にヒトラーは言葉が上手く、演説によって国民を扇動して自分の地位を高めて行った経緯を持つ。
今作ではそれがTVなどで発揮される。
間の取り方はもちろん、芯食った発言をズバズバ言い放つ。
このシーンは観ていて痛快ですらある。
最初はコメディアンだと思ってみんなに笑われていたヒトラーだが、次第に国民は彼の言葉に真剣に耳を傾けるようになっていくのだ。

この映画の至高の演出は「当時もみんな、最初は笑ってた。だまされないよ」といった老婆のセリフだ。
誰もが一度は経験あるのではないだろうか?
最初は笑っていたけど、実はすごいやつでどんどん成果を出してのし上がっていた人物が近くにいた経験。

笑っているうちは、その人間の本質に気づいていないということ。
そして、笑っている=自分の感情が動かされていること。
なぜ彼を見て笑ってしまうのか、そういった視点を持って頭を働かせ、本質に迫っていかなければならない。

人は感情を動かす側に回るべきである。
感情を動かされているうちは、一生支配される側なのだ。

あなたはこの映画に関心がわいただろうか。
私としては、あくまでドイツの邦画といった印象が強かった。
面白いしユニークではあるが、正直地球の裏側の国の元独裁者ヒトラーには馴染みがない。
そして本作の目的は罪人であるヒトラーに風刺をさせて、ドイツ国民を奮い立たせるといったところ。
そのせいなのか、本作は思ったほど私には刺さらなかった。

それと今の情報化社会で、先進国のドイツに再びヒトラーが登場したところで、彼が当時ほどの権力を手にするのは難しいだろう。
ドイツが過去の過ちを二度繰り返すとも思えない。ヒトラーが「過去にはない能力」を手にしてしまったとしたら別だが。
本作はあくまでコメディの範疇といったところだ。
もちろん、アイディアとしては素晴らしいので、その部分は存分に楽しませてもらった。

帰ってきたヒトラーの作品情報

■監督:ダーヴィト・ヴネント
■出演者:オリヴァー・マスッチ ファビアン・ブッシュ カッチャ・リーマン
■Wikipedia:帰ってきたヒトラー
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):-
AUDIENCE SCORE(観客):80%

帰ってきたヒトラーを見れる配信サイト

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Hulu:○(見放題)
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Netflix:○(見放題)
※2019年8月現在

帰ってきたヒトラーと関連性の高いおすすめ映画

帰ってきたヒトラーの裏ジャンルである【スーパーヒーロー】に分類される映画。

『ショーシャンクの空に』★★★★★5
1947年、銀行の副頭取を務めるアンディは、妻と彼女の愛人の命を奪った容疑で逮捕されてしまう。無実を訴えるが、終身刑の判決が下り、劣悪なショーシャンク刑務所へ服役することに。早速、アンディら新入りはノートン所長とハドリー主任刑務官から脅しを受け、その日の晩、新人受刑者の一人がハドリーらの暴行によって天に召されてしまう。

この映画を「評判ほど楽しめなかった」といった声を良く聞く。
アドバイスをするとしたら、チーム物として見るといい。
チームスポーツ、あるいは個人競技で仲間と切磋琢磨しながら本気で何かを成そうとした人には刺さりやすい内容になっている。
この映画は友情を描いた物語だ。

U-NEXT:○(見放題)
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Amazonプライムビデオ:○(吹替・見放題)○(字幕・見放題)
ビデオパス:○(有料)
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※2019年8月現在

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。