映画の海

約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

②金の羊毛

映画『101匹わんちゃん』ネタバレなしの感想。ディズニーアニメでベスト3に入る面白さ

投稿日:

■評価:★★★★☆4

「絵画のように美しいアニメ―ションに、デフォルメされたワンちゃんが可愛い名作ディズニーアニメ」

【映画】101匹わんちゃんのネタバレなしのレビュー、批評、評価

バンビの記事にも書いたのだが、ディズニーアニメは多くのクリエイターに影響を与えている。
本作を観ようと思ったきっかけはドラゴンボールの作者『鳥山明』が影響を受けたと知ったからだ。
彼は『101匹わんちゃん』のデフォルメに心を奪われ、毎日のように模写をするようになった。ある日通っていた絵画教室で描いた101匹わんちゃんの絵が表彰されて自信を得たという。
つまり、この映画がなかったら『ドラゴンボール』は存在してなかったのだ。日本のサブカルにとっても重要な一作となっている。

私も期待して観てみたのだが、その期待を大いに上回る素晴らしい出来栄えだった。

ロンドンの郊外に住む作曲家・ロジャーの飼い犬ポンゴが本作の主人公。ある日、ポンゴは退屈凌ぎにロジャーの伴侶を探して窓から町を眺めていた。すると、パーディタというメス犬とその主人のアニータに一目惚れ。すぐにロジャーを散歩に連れ出して彼女らと接触し、無事二人は結婚することとなる。新居に引っ越すと同時に、パーディタは15匹の子どもを産む。そこにアニータの旧友にクルエラがやってきて、子犬を強引に購入しようとするが……。

とにかく魅力的な箇所があまりに多すぎる。
アニメーションがアーティスティックでとてつもなくオシャレ。
シンプルな2Dアニメなんだが、絵画のような味のあるタッチで描かれていているのだ。
それでいて、タイトルにもなっているワンちゃんはデフォルメされていて可愛らしく、ディズニーならではの豊かな表情は観ていて心地いい。

ストーリーもオープニングから最高だ。
主人公のダルメシアン・ポンゴのイタズラから、飼い主・ロジャーがアニータとくっついて結婚に至るといったユニークな展開を見せてくれる。
ワンちゃんが主人公ならでは大胆な流れで思わず笑ってしまった。
かなり好きな展開だ。

その後、アニータの飼い犬・パーディタはポンゴの子を十五匹産む。
一部のワンちゃんに限るがちゃんと個性を描いているのだが、それもまた可愛らしい。
食いしん坊で、いつも腹をすかしているぽっちゃりのローリー。
テレビが大好きで、かじりつくように見ているラッキー。

この個性が、後の伏線となっているのが抜け目ない。
特にローリーの特殊体型によって訪れる障害は、あまりに可愛すぎてたまらない。ワンワン好きとしてはかなりツボとなったシーンだ。

で、この時点でワンちゃんは十五匹。
十分に多いのだが、タイトルの匹数には遠く及ばない。
観客は「どういうことなのか?」と考えながら物語への没入がはかどることになる。

本作の敵となる臭いタバコを撒き散らす女・クルエラ。
ポンゴの飼い主のロジャーもパイプを吸うのだが、煙は通常の灰色。
だが、クルエラのタバコの煙は黄緑で表現されているのが実にユニークである。悪臭の度を越した不気味な色だ。

私の近くにも強烈な臭いを発する人がいる。
体臭を気にしているのか、香水をシャワーと勘違いして頭からぶっかけているような人工的な匂いを発している。

つまり、匂いは人間性を示すのだ。
柑橘系のような自然の匂いならまだしも、人工感の強い匂いを好む人は、どこか感性がずれている人が多い。

クルエラに関しては明らかに臭そうな匂いを放っているので、観客及びポンゴは彼女を敵といった認識を持つ。
匂いを使って潜在意識に訴えかける面白い演出だ。
そしてこいつは、どうやらダルメシアンが好きらしく、夫妻から買い取ろうとしているのだ。

このメイン対立も非常に新鮮さを覚えた。
本作におけるキャラクターの危機は子供を奪われる、ということだ。

ようは人身売買だ。
人間でこれをやるとすると社会派扱いとなり、国や時代をしっかり設定しないといけないので何かと大変だし、何より話が重くなる。

これをアニメ、および犬でやることで、コミカルでありながらも危機レベルの強さはしっかりと観客に伝わる。
この設定の巧みさは思わず感心した。
本作は「なぜ犬の物語なのか」と考えたときに、この答えが出てきて納得した。

そして中盤に差し掛かる辺りで、世界観を拡張したようなとある展開を見せてくれる。
このシーンには思わずニンマリだ。
正直、良くある展開ではあるのだが、この映画は全体的に鮮度の強い箇所が多いので、たまにこういった普遍性を感じさせてくれると安心する。何事もバランスが大事だ。

ポンゴの成長や変化が描かれていないのは気になったが、アニメーションやストーリーで充分に楽しめたので、総合的な満足度はかなり高い。
この映画を観て改めて思ったんだが、同じ形の生き物が複数いるのって妙な可愛さがある。
チップとデールだったり、個人的には任天堂のゲームシリーズ「リズム天国」のコーラスメンが至高。(誰も知らないだろうけど)

あなたはこの映画を観たことがあるだろうか。
もし未視聴であれば、一度手に取ってもらいたい。
1962年に制作された作品だが、古典だからといって見逃すにはあまりに勿体ないディズニーアニメの傑作だ。

101匹わんちゃんの作品情報

■監督:ウォルフガング・ライザーマン ハミルトン・ラスク クライド・ジェロニミ
■出演者:池水通洋 松金よね子 納谷六朗(早川史郎) 一城みゆ希 平井道子
■Wikipedia:101匹わんちゃん
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):98%
AUDIENCE SCORE(観客):76%

101匹わんちゃんを見れる配信サイト

U-NEXT:○(有料)
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(吹替・有料)
ビデオパス:○(有料)
TSUTAYA TV:○(有料)
Netflix:-
※2019年9月現在

101匹わんちゃんと関連性の高いおすすめ映画

101匹わんちゃんの裏ジャンルである【金の羊毛】に分類される映画。

『ファインディング・ニモ』★★★★☆4
オーストラリア・グレートバリアリーフの海を住処とするクマノミのマーリンと妻のコーラルは、たくさんの卵を世話し、子どもたちの誕生を心待ちにしていた。ある日、バラクーダ(オニカマス)に襲撃され、残った1つの卵以外の全てを一瞬にして失ってしまう。マーリンは、妻が生前言っていた「ニモ」という名前を産まれた子供につけ、過保護に育てる。そんなニモも成長し、学校に通える歳になった。心配性の父にうんざりしているニモは、反抗心も手伝ってサンゴ礁から離れ、遠くに冒険に行こうとすると、人間のダイバーに捕まってしまい……。

とにかく魅力的なキャラクターがたくさん登場する。
私が特に好きなのは、ディズニーシーでもおなじみのウミガメのクラッシュだ。
ニモを心配し、ニモにレールを敷きがちなマーリンだが、クラッシュは彼に意識改革がなされる言葉を放つのだ。

U-NEXT:○(有料)
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(吹替・有料)○(字幕・有料)
ビデオパス:○(有料)
TSUTAYA TV:○(有料)
Netflix:-
※2019年9月現在

-②金の羊毛

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。