映画の海

約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

⑥バディとの友情

映画『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』ネタバレなしの感想。劣化版翔んで埼玉

投稿日:9月 29, 2019 更新日:

■評価:★★☆☆☆2.5

「プライドの高い二人の高校生が相手に告白させる恋愛頭脳戦を繰り広げる青春おバカコメディ」

【映画】かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~のネタバレなしのレビュー、批評、評価

正直1ミリも観ようとは思っていない映画だったんだが、新海誠大先生がツイッターでめちゃくちゃ褒めているのを見て、悔しいことにちょっと興味が沸いてしまった。予告もめちゃくちゃ面白そうだったので鑑賞すること。

何気にこの映画、興行収入的には大成功を収めている。
公開3週目にも関わらずあのハリウッド大作『アド・アストラ』を抑えて映画興行収入ランキング2位に食い込む快挙を見せている。
さらに私が観に行った回は平日にも関わらず満席という、とんでもない人気っぷりだ。

言うなら、『翔んで埼玉』系のおバカコメディである。

民度の低いことに本気を出しているような内容で、観終わったあとはクソの役立たたない。それがまた愛しくもあるジャンルである。

エリートたちが集まる名門校・秀知院学園。生徒会長である白銀御行と副会長の四宮かぐやは両想いとなっていた。だが、高すぎるプライドが邪魔をして半年もの間、どちらも告白できずにいた。いつしか二人は告白した方が負けととらえるようになり、「相手に告白させる」ことばかり考え、権謀術数の限りを尽くした恋愛頭脳戦を繰り広げていた。

序盤で説明が入るのだが、先に告白してしまったら主人と奴隷のような主従関係になってしまい、それが付き合っている間は永続的に続くからそれだけは避けたいってことを二人は本気で考えており、相手に告白させることに拘ってしまっているのだ。
実に下らない。

この映画のルールは2つ。

①いかに遠回しに距離を縮めて相手から告らせるか
②距離が遠ざってしまいそうなことは全力で阻止する

ルールも単純明快だし、序盤はめちゃくちゃ面白そうな展開にワクワクさせられたんだが、残念ながら中盤に差し掛かる辺りで早くも恋愛頭脳戦としてのネタは切れてしまい、ただのラブコメ化してしまった。

ただのラブコメになってしまえば、何だか普通の映画なので期待外れである。
観客は「相手に告白させる」という下らないことに本気を出す姿を見るために劇場に足を運んでいるのだ。
中盤以降は睡魔に襲われて早く帰りたくなかった。新海誠に騙されて悔しい。金返せ。

あと二人は天才じゃなくてただのアホなので、ここもちゃんとした天才設定にして前フリ描写を入れて欲しかった。
とんでもない数学の難問を解くとか、何でもいいので。
こんな天才が恋愛で振り回されるのかよ、って感じのツッコミを入れたくなるようなキャラだと、より強烈なキャラ立ちが発生して笑いにつながる。

そういった意味では、個々のエピソードのスケールが小さいのも気になる。
序盤ではトランプを使って恋愛頭脳戦を繰り広げたりしてるんだが、何となく違和感を覚えるところ。

出来ることなら、壮大なスケールで恋愛頭脳戦を披露してもらいたかった。
翔んで埼玉ですでにやっているので、上手く参考にしてエピソードを作ったら良かったのに。
翔んで埼玉では埼玉をディスるネタのために、終盤でとんでもないスペクタクル展開を繰り広げているから素晴らしい。ネタバレになるので言えないが、あのシーンは本当に楽しませてもらった。

調べてビックリしたんだが、本作の脚本家・徳永友一は翔んで埼玉も担当していたということ。
なぜこの映画では、スタミナ切れを起こしてしまったのか。

実は翔んで埼玉の原作は、主人公の二人が旅に出るところまでしか存在しない。
映画でいうところ中盤に差し掛かる辺りまでで、その後はオリジナル脚本となっている。
というのも原作者の魔夜峰央が「ネタが尽きた」ために連載を中断させているのだ。

私は『かぐや様は告らせたい』の原作は未読だが、どうやら連載が進むうちに“恋愛頭脳戦”描写および展開は減っていき、ツンデレによるラブコメ要素が強い内容へと変遷しているとのこと。
つまり原作の段階で、すでにスタミナ切れを起こしているのだ。

原作を忠実に再現した失敗例だ。原作は面白さは不明だが。
ここは脚本家が頑張って最後まで恋愛頭脳戦を繰り広げてもらいたかった。
映画版『翔んで埼玉』では、原作のない中盤以降もちゃんとルールを守って最後まで埼玉をディスり続けていた。何なら他の県まで飛び火していたが。

それにしてもチンチンのくだりはめちゃくちゃ面白かった。
浅川梨奈扮する藤原千花という生徒会書記の子がうまい具合に場をかき乱しており、彼女がとにかくいい仕事をしている。チンチンのシーンは必見。劇場でも笑いの渦に包まれていた。

再現ドラマのような安っぽい説明のナレーションやバラエティ番組的なエフェクトの数々もこの映画の世界観にマッチしてたし、光るシーンも多かっただけに残念で仕方ない。

最後の終わりかたも相当に雑。
今年観た映画の中で最もひどい終わり方だった。
面白い箇所も多いので、新作レンタルくらいの料金でならおすすめである。

かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~の作品情報

■監督:河合勇人
■出演者:平野紫耀 橋本環奈
■公式サイト:こちら
■Wikipedia:かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~

かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~を見れる配信サイト

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※2019年9月現在

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。