映画の海

約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

④難題に直面した平凡な奴

映画『SHOCK WAVE ショック ウェイブ 爆弾処理班』ネタバレなしの感想。人肉饅頭のハーマン・ヤウ監督が手がけるアクション大作

投稿日:

■評価:★★★☆☆3.5

「正義感を持つ者の宿命」

【映画】SHOCK WAVE ショック ウェイブ 爆弾処理班のネタバレなしのレビュー、批評、評価

『八仙飯店之人肉饅頭(はっせんはんてん の じんにくまんじゅう)』という映画をご存じだろうか。
ある食堂の店主の男が、自身の麻雀のイカサマを見てしまった従業員の命を奪い、その肉を饅頭につめて売ってしまう、というイカれた内容だが、なんとこれは実際にマカオで起きている事件をモチーフにしている。

日本ではあまりに残虐な内容のため、映倫規定に引っかかって劇場公開されずにビデオスルーされている。
高校時代に「人肉饅頭がヤバイ」ってな感じでクラス内で一時期話題となっていたのが歪な記憶として根付いてしまっていて、いまだに怖くて鑑賞できていない。
せっかく映画を紹介するようなブログをやっているので、いずれは鑑賞したいところ。(無理かも)

この頭のおかしい映画を監督した罪人ハーマン・ヤウ監督が手がけたアクション映画が『SHOCK WAVE ショック ウェイブ 爆弾処理班』である。

香港警察爆弾物処理局のチョン警官は、潜入捜査で爆弾を扱うホン率いる犯罪グループを逮捕するが、主犯のホンをとり逃してしまう。18か月後、再びホンが武装集団を率いて現れた。彼らは香港の海底トンネルを占拠して香港市民を人質にとり、トンネル内部に1000キロの爆弾を仕掛ける。ホンは逮捕された弟の解放と莫大な身代金を要求し、さらに窓口としてチョンを指名する。ホンにとってこの計画は復讐でもあった。

テロリストが出てくるが、タイトルにもある爆弾処理班が主人公ということで爆弾との死闘がメインコンセプトとなる。
そんな感じで手を変え品を変え、いろんな種類の爆弾が登場して我々を楽しませてくれる。

序盤から主人公・チョン警官の潜入先の犯罪グループが行うアクションシーンはなかなかの迫力を見せる。
車やら何やら、いろいろなものに爆弾を仕掛けて爆破させてトラップのように活用し、追ってくる警官を翻弄していく。同時にホンの切れ者っぷりも伝わってくる。
後の展開を期待させてくれる最高のオープニングだ。

街中で見つかった不発弾の信管(弾丸の装薬や爆薬を爆発させるための起爆装置)を分解するシーンもなかなかスリリング。
実際の工程に基づいて行っているとは思うんだが、起爆部分である爆弾の先端の突起した部分を削ったり中に棒みたいなのをつっこんだりするので、見ているこちらは冷や汗ものだ。
かなりインパクトの強いシーンとなっている。

他にも、さまざまな爆弾をそのときどきに適した対処をしていくので、関心しながらのめり込んでいってしまう。
爆弾に特化した映画ってあまり見かけることがないので、新鮮な気持ちで楽しめた。
しかし、爆弾1つでこうもいろんな見せ方が出来るとは。

本作のメインは、全長2キロ弱の巨大海底トンネル封鎖のパートだ。
かつてチョン警官に出し抜かれて弟を逮捕されてしまったホン率いる武装集団が復讐として行ったもので、百人規模の人間が人質として取られた上に、大量の爆弾が設置してしまう。
このトンネルは香港本土と香港島をつないており、もしここが爆破されて埋められてしまうと香港経済は大打撃を食らってしまう。
なので人質はもちろんのこと、起爆だけは何とか阻止しないといけない。
まさに国を救うミッションである。

早々に一人の若手警官にトラブルが発生する。
このパートでの一番最初の事件となるが、このシーンはなかなか胸熱だ。
若手警官の強い正義感には思わず心を揺さぶられてしまうし、彼にそれをうながすチョン警官の選択の重さにも観客は共感してしまう。

人肉饅頭の監督作品なのでもっとイカれたストーリーを期待したが、割と優等生な作りといった印象を受ける。
はちゃめちゃな展開は節々に見られるが、ラストは胸を締め付けられてしまう。
これって警官のような聖職者といわれるような職業だからこそ成立させられる物語だ。

普通の職業のキャラがこれをしたら何だか寒くなりそうだし、作り手の思惑にむしろ嫌悪感すら覚えてしまう。というか説得力のあるように作り込まないと、物語として成立しない可能性すらある。
さすがはベテランのハーマン・ヤウ監督、シナリオというものを熟知していらっしゃる。

ヒロインを演じる女優さんもいい味出していて良かった。
特別美人ではないが、全身から漂うしっとり感が妙に雰囲気があって色っぽい。

彼女とチョンとの運命的な出会いは、やけにノスタルジック。
映像は美しいし、海底トンネルの異様な交通量は近代的な雰囲気を醸しているのにも関わらず、このシーンだけ古き良きラブストーリーのような感じで不思議な感覚に陥ってしまった。ユニークな対比だ。

終盤に差し掛かるあたりは膠着状態が続いて、若干睡魔に襲われてしまった。
もう少しテンポを良くしてもらいたいところ。
爆弾を扱っていることもあって間が大事なんだろうけど、もう20分くらい削っても良さそう。

いろいろ調べていたらこの映画、続編も作られていて2020年春には公開されるとのこと。
私はちょろっとあらすじを見たが、ちょっと強引すぎて笑ってしまった。
もしあなたがこの映画を観たら、続編のあらすじをwikipediaで確認してもらいたい。クスっとなってしまうこと必至である。

爆弾というものを上手く使ったユニークに使ったよくできたアクション映画だ。
映像もキレイだし、結構満足させてもらった。

SHOCK WAVE ショック ウェイブ 爆弾処理班の作品情報

■監督:ハーマン・ヤウ
■出演者:アンディ・ラウ 姜武 宋佳
■Wikipedia:SHOCK WAVE ショック ウェイブ 爆弾処理班(英語)
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):71%
AUDIENCE SCORE(観客):57%

SHOCK WAVE ショック ウェイブ 爆弾処理班を見れる配信サイト

U-NEXT:○(有料)
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(字幕・有料)
TSUTAYA TV:○(有料)
Netflix:-
※2019年10月現在

SHOCK WAVE ショック ウェイブ 爆弾処理班と関連性の高いおすすめ映画

SHOCK WAVE ショック ウェイブ 爆弾処理班の裏ジャンルである【難題に直面した平凡な奴】に分類される映画。

『隣人は静かに笑う』★★★☆☆3.5
大学でテロリズムの歴史を教えている講師のマイケルは、ある日、家の近所でケガをしたブレディと名乗る少年を助ける。彼は隣りに越してきた設計士オリヴァー一家の息子であることが分かり、この出来事がきっかけで両家の交流が始まる。だが、ブレディはオリヴァーが何か隠しごとをしていると疑うようになり、彼の過去を調べると恐るべき事実を知ってしまう。

内容が内容なだけに、レンタルもなくDVDも廃盤。
ティム・ロビンスの演技がやたら印象に残る。
一部の配信では無料で見られるので、配信停止になる前に観ることをおすすめする。

U-NEXT:○(見放題)
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(見放題)
TSUTAYA TV:-
Netflix:-
※2019年10月現在

-④難題に直面した平凡な奴

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。