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約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

⑩スーパーヒーロー

映画『ハンターキラー 潜航せよ』ネタバレなしの感想。男くさい潜水艦アクション

投稿日:

■評価:★★★☆☆3.5

「汗臭さや加齢臭むんむんのむさくるしい男共が敵対関係やルールを乗り越える」

【映画】ハンターキラー 潜航せよのネタバレなしのレビュー、批評、評価

以前、脳科学の澤口先生が「脳科学的に女性同士は仲良くなれない」なんて話をホンマでっかTVで話していた。
女性同士は利害関係が一致すると繋がれるが、感情的なつながりを持てるケースが少ないといった意味だ。

私は東高円寺にある美容院の女性スタイリストにカットしてもらっていたことがある。
しばらくして彼女は隣駅の新高円寺の店に移り、さらにまた別の場所に店を変えた。
私は彼女のカットの腕というより、会話の相性が良かったのでついて行ったのだが、ある日こんな話をしてくれた。
「男性客は店が変わってもついてきてくれる。でも女性客は不思議とほとんど離れちゃうんですよね」

何年も前に聞いた話だが、妙に印象的な内容で記憶に残っている。
こういった女性性と男性性の違いは興味深い。

男は男で、同性との感情的な繋がりを大事にする傾向にある。(女性は軽薄、と言っているのではなく)
『ハンターキラー 潜航せよ』はまさにその男性性をテーマとしている。

ロシア近海にてアメリカ合衆国海軍の原子力潜水艦が、何者かに撃沈されて消息を絶ってしまう。軍上層部は詳細を知るため、ジョー・グラス艦長の指揮する攻撃型原潜『ハンターキラー』を派遣させる。一方で、ロシアのザカリン大統領は北海の基地を訪れていた際に、ドゥロフ国防大臣率いるタカ派のクーデターによって身柄を拘束されてしまう。事態を察知したアメリカは特殊部隊のNavy SEALsを現地に派遣し、ジョー・グラスもまたザカリン大統領の救出の任務を受けてロシア海域へ向かう。

CGの使い方に好感が持てる。
序盤で、撃沈された自国の原子力潜水艦の調査のためにハンターキラーはロシア近海に行く。
その際に敵襲に遭ってしまい、発射された魚雷を避けたりといった海中の攻防戦の様子をCGで描いている。

迫力もあるんだが、視覚的にすごく分かりやすく見せてくれるのが嬉しい。
さらに、魚雷を攪乱させる謎の装置も出てきてして、何だか興奮してしまった。
調べたら、デコイと呼ばれるもので魚雷を本物の標的だと誤認させる兵器とのこと。
海中の戦いは明るくないので、こういったユニークな兵器の登場にはワクワクさせられる。

その後、ジョー・グラス艦長はロシアのザカリン大統領の救出の任務の途中、沈んだロシアの潜水艦を見つける。
中にまだ人がいることが判明し、何人かロシア海軍を救出する。
ジョー・グラスはその中の一人、アンドロポフ艦長を操舵室に入れるシーンがある。

言うまでもなく、アメリカとロシアは敵対関係だ。
機密情報まみれの操舵室に敵国の軍人を入れるなんてもっての他で、多くの仲間に反対される。
が、ジョー・グラスは「俺が全責任を取る」と言って、大統領救出の任務遂行のために彼に協力を仰ぐのだ。
アンドロポフは助けてくれた恩や、自国の大統領の危機でもあるので、当然肯く。

こういった敵同士が組むという流れは不思議と胸熱だ。
そして、この映画のテーマとする【男】を象徴するシーンでもある。

この映画、全編画面の隅から隅まで男まみれだ。
何ならボーイズラブにまで発展するんじゃないか、ってくらいに死線をくぐりぬけた男共の熱い友情が描かれる。
久し振りにここまで男で溢れた映画を観た気がする。料理で例えると、牛肉やら豚肉やら鶏肉やら羊肉やらありとあらゆる肉を乗せただけの茶色一色の肉料理である。
胃もたれしそうだが、たまには悪くない。

アンドロポフ艦長の指揮を受けて、機雷だらけのロシア領海を静かに突破するシーンはなかなかの緊張感を味あわせてくれる。
当然、彼は海の男なので海中のトラップの場所をすべて把握しているのだ。
が、あくまで敵国の男っていうあたりがいいスパイスとなっている。
もしかしかたら嘘をつくかもしれない。
だが、男の中の男、ジョー・グラスはアンドロポフを躊躇することなく信用する。
果たして彼らは大統領を救出できるのか。

海中戦だったり、特殊部隊の潜入強奪ミッションだったり、2時間の中であらゆる戦いを見せてくれる。
何よりもクライマックスが胸熱すぎるだろう。
何だこの終わりかた。こんなの感動しないわけない。
男同士っていうのはそれだけで最高だ。男に産まれたことに誇りたい気分になってしまった。

潜水艦のアクションだが、本編の6割強は地上戦なのが残念。
タイトルが潜水艦の名前になっている以上、もう少し海中戦を見せて欲しかったところ。

あと、この手のアクション映画でありがちなストーリーの平凡さも気になる。どうにかならないものだろうか。
ターミネーター2のような、魅力的な設定が欲しい。
さらにドラマも描いてくれたら、もっと深みのある味わいを楽しめる。

それでも見所は多いし、結構楽しめるアクション映画となっている。

ハンターキラー 潜航せよの作品情報

■監督:ドノヴァン・マーシュ
■出演者:ジェラルド・バトラー ゲイリー・オールドマン
■Wikipedia:ハンターキラー 潜航せよ
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):36%
AUDIENCE SCORE(観客):70%

ハンターキラー 潜航せよを見れる配信サイト

U-NEXT:○(有料)
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(吹替・有料)○(字幕・有料)
TSUTAYA TV:○(有料)
Netflix:-
※2019年10月現在

ハンターキラー 潜航せよと関連性の高いおすすめ映画

ハンターキラー 潜航せよの裏ジャンルである【スーパーヒーロー】に分類される映画。

『闇金ウシジマくん』★★★★☆4
イベントサークルの代表を務める純はとあるパーティに参加していた。そこで、100万円を出資してスポンサーになってくれるイノマタという男を見つけるが、直後、彼は丑嶋という男に連れて行かれる。丑嶋は10日で5割(トゴ)の法外な利息で金を貸しつける闇金業者「カウカウファイナンス」の社長。彼は非情な取り立てで債権者たちを地獄のどん底に突き落としていた。ある日、そんな丑嶋が何者かの策略によって逮捕されてしまう。カウカウファイナンスの社員たちが真相を知るために被害届を出した連中に接触を図る。

青年漫画誌「ビッグコミックスピリッツ」で連載されていた同名漫画の実写映画作品。
もともと連続ドラマとして映像化されており、その流れで映画化となった。
正直ドラマ版は微妙だ。
闇金業者である丑嶋が取りたてる様々な債務者を描いており、読んだら陰鬱になるような内容で、それが面白い。
債権者たちの言動や苦悩がやけに生々しくて、暗い気持ちになってしまうのに一度漫画を開いたらページをめくる手が止まらない。
人の不幸を安全地帯から覗き見るような趣味の悪い快楽を味わえる。

TVドラマではやけにポップで絶望感が薄い。
対して映画版はハードな描写が多くて原作の風味が存分に再現されている。
とくに1作目に当たる本作は素晴らしく、魅力的なキャラが多い。
イベサーの純と彼の幼なじみの未來が良くて、一度観たら忘れられない存在感がある。

U-NEXT:-
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(有料)
TSUTAYA TV:○(有料)
Netflix:○(見放題)
※2019年10月現在

-⑩スーパーヒーロー

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。