映画の海

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⑩スーパーヒーロー

映画『ターミネーター:ニュー・フェイト』ネタバレなしの感想。金字塔SFアクションの正統続編

投稿日:11月 13, 2019 更新日:

■評価:★★★☆☆3.5

「メキシコに住む女性が未来からきた機械人間・ターミネーターに襲われる」

【映画】ターミネーター:ニュー・フェイトのネタバレなしのレビュー、批評、評価

エンタメ映画の王様であるジェームズ・キャメロンが生み出した『ターミネーター』シリーズの権利は1制作中に、同作のプロデューサーでのちに妻となるゲイル・アン・ハードに何を血迷ったのかたった1ドルで売却してしまっている。

そのため、3以降はキャメロンが一切関与することはなかったのだが、ようやく彼の元の権利が戻り本作の制作に至る。
しかしキャメロンの名作『アバター』の続編の制作があるためか、本作の監督は『デッドプール』のティム・ミラーが担当し、キャメロンは制作という立ち位置で参加している。
さらに本作は3以降のストーリーをリセットし、リブートという形で2の正統続編、といった内容となる。

世界中が期待するキャメロンが関わる新作『ターミネーター:ニュー・フェイト』は先行公開されたアメリカでは大爆死となってしまった。
北米初日興行収入は1060万ドル(約11億円)で、評判の悪かった前作『ターミネーター新起動/ジェニシス』すらも下回る。
もはや世界はこのシリーズに期待していないのかもしれない。
3、4、新起動はすこぶる評判が悪いため、観客の期待を裏切り続けてからの本作なので、キャメロンが参加しようと関係ないのかもしれない。

だが、今回は3部作構成となっている。
果たして続く2作目3作目は制作されるに値するクオリティとなっているのだろうか。

メキシコシティの自動車工場で働く21歳の女性・ダニーは、同じ職場に勤めている弟のミゲルと仕事中、機械人間・ターミネーター”REV-9″に襲われる。2人を救ったのは同じく未来からやってきた教化人間のグレースだった。3人は工場から脱出し、執拗に追いかけてくるREV-9をハイウェイで待ち構えていたのはサラ・コナーだった。以前ターミネーターとの死闘を繰り広げていた彼女は、謎のメールによってREV-9の出現位置を特定していた。発信源を突き止めるため、彼女らの旅が始まる。

ストーリー展開はターミネーター2を踏襲していて既視感たっぷり。
序盤に二人のターミネーター(味方陣営は厳密にいうと機械人間)がやって来て、車のチェイスバトルのあとに、敵を倒すために各地を転々する、といった流れ。

今作の敵となる”REV-9″はかなりの強敵だが、能力を説明して欲しかったところ。
前作のターミネーター2は液体金属でできた人型のターミネーターが敵で、腕を刃物に形状変化させたりして攻撃してくる。

今作も同様に液体だが、新たに2体に分離する能力を持っている。
どういう原理なのか、そして分離することのデメリット(弱点)なども提示してくれる良い。

弱点を提示することで倒すための戦略を練る余地が生まれ、アクション映画としての深みも増してくれる。
現状はただ殴ったり、銃を撃ったりしている程度。
あえて分離させる状況を作って弱点をつく、といったような戦略的な展開は見ごたえ抜群となること間違いなし。
あと、敵の能力についての提案だが、いっそのこと機関銃などに形状変化させても面白いと思うので、次作以降でぜひやってもらいたい。

とはいえアクションシーンの迫力は凄まじい。
特に序盤のカーチェイスシーンはすっかり画面に釘付けとなってしまった。
ターミネーター観てるなあって感じで、このシーンを観られただけでも満足度は高い。前作でも似たようなチェイスシーンはあったが、迫力だけに限ると今作に軍配が上がる。

味方の機械人間・グレースが、もともとは人間なだけあって耐久性が弱いのが気になる。
強いのだが、闘いのたびにダメージを負ってしまっているので、何だか常に苦しんでいる印象。
例えて言うならキャプテン翼の三杉くんである。(天才的サッカープレイヤーだが心臓病でなかなかフルタイム戦えない)

一応、シュワちゃん扮するT800も参戦しているので多少弱い方がバランスが取れると思ったのかもしれないが、彼女のキャラそのものが弱くなってるのがかわいそう。
高身長に金髪ショートカットと画力があるので、もっとタフネスな彼女が見たかった。

あとグレースは人間なだけあって感情があるのも気になる。
ターミネーター2では、感情のないターミネーターが助ける対象であるジョンとの少しずつ距離が縮まっていくバディ要素が見所の一つとなっていた。
なのでちょっと物足りなさがあったのも否めない。
つくづくターミネーター2はとんでもない映画であったと相対的に実感させられる。

あと、普通にシュワルツェネッガーではなく、味方に異なる能力を持つターミネーターを2対送るって流れでも良かったと思う。
こうこうコンビのターミネーターが敵から主人公を守る、といった構造もまだやっていないので、ぜひ次回以降のアイディアとして採用してもらいたい。

正直、シュワルツェネッガーもリンダ・ハミルトンもいい年だ。
会見でシュワルツェネッガーは「T800を演じるのはこれで最後」と言っていたが、観て納得してしまった。
そう思わせる儚さのようなものがあって、何だか目頭が熱くなってしまった。
ターミネーター2は私にとって一番最初に好きになった洋画なので、この記事を書いている今も涙ぐんでしまう。私以外にもこう思う観客は多いだろう。

この出来だったら、2作目3作目があっても観に行っても良いかなって思う。
1作目を過去作のストーリーをを踏襲する作りにしたのは、新規の客も取り込みやすくするためだろう。
これはTVアニメシリーズ『エヴァンゲリオン』が新劇場版としてリブートする際も同様の手法を取っている。

なので、2部作目以降はガラっとカラーを変えてもらいたいところ。
本格的に世代交代させ、新しいターミネーターを作ってもらいたい。
エンタメ映画の王様であるキャメロンの脚本チェックが入れば、駄作になることは避けられるだろう。
彼が製作・脚本を務めた『アリータ: バトル・エンジェル』は3D表現が素晴らしくて、劇場で観る価値が多いにある作品だった。

ターミネーター:ニュー・フェイトの作品情報

■監督:ティム・ミラー
■出演者:リンダ・ハミルトン アーノルド・シュワルツェネッガー マッケンジー・デイヴィス ナタリア・レイエス ガブリエル・ルナ
■Wikipedia:ターミネーター:ニュー・フェイト
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):71%
AUDIENCE SCORE(観客):83%

ターミネーター:ニュー・フェイトを見れる配信サイト

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※2019年11月現在

ターミネーター:ニュー・フェイトと関連性の高いおすすめ映画

ターミネーター:ニュー・フェイトの裏ジャンルである【スーパーヒーロー】に分類される映画。

『キングダム』★★★★☆4
紀元前245年、春秋戦国時代、中華の西方に位置する国「秦」。奴隷の少年である信は漂と共に、奴隷暮らしを脱しいつか天下の大将軍となることを夢みて毎日剣術の鍛錬に励んでいた。漂は王都の大臣である昌文君に連れられて王都に向かい、二人は別れることになるが、ある日、ぼろぼろの漂が信の住む納屋に戻ってきて、間もなく力尽きる。漂は実弟に王座を奪われた若き王、政の替え玉として命を奪われたのだ。信は天下の大将軍を、政は前人未到の中華統一を成すため、二人は王都を目指す。

ヤングジャンプ連載漫画の実写映画版。
旅をしながら、敵と戦うストーリー構造が実はターミネーターと似ていたりする。
『キングダム』はとにかく、敵の魅力に尽きる。
様々なタイプの敵と主人公は戦うため、アクションが一辺倒になっていないので結構楽しめる。

とくに最後の敵はやばい。
“やばい”という言葉がこれほどしっくり来る敵はいないだろうって思えるレベルの猛者が主人公の前に立ちはだかる。

問題となるラスボス、左慈(サジ)に扮する坂口拓という俳優はゴリゴリのアクション畑の俳優。
詳細はキングダムの記事に書いてあるので興味があったら観てもらいたい。彼の経歴がイカれてる。

余談だが、坂口拓は映像に迫力を出させるため、最後の戦いでは「本気で刀を振ってきて」と主人公に扮する山﨑賢人に命じたそう。
つまり最後は殺陣が存在していない。この発言が彼のやばさを物語っている。

そういえば舞台挨拶の際、山﨑賢人は「拓さん、アベンジャーズ、倒せますか?」と尋ねると彼はこう答えた。
「アイアンマンは中にいる人を倒せばいいからイケるね。ハルクは変身する前にやっつける」
ただの武井壮である。

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※2019年11月現在

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。