映画の海

約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

⑩スーパーヒーロー

映画『スパイダーマン:スパイダーバース』ネタバレなしの感想。異次元のクオリティを誇る映像表現

投稿日:

■評価:★★★☆☆3.5

「ニューヨークに住む男子高校生が突然変異のクモに噛まれ、特殊能力を得る」

【映画】スパイダーマン:スパイダーバースのネタバレなしのレビュー、批評、評価

アニメ映画『攻殻機動隊』『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』の監督で、アニメ界のレジェンド・押井守という男がいる。
あの宮崎駿すらも彼の才能を認めている数少ない同業者。
宮崎は自分と対等に論理的に話せる相手を欲しており、博識である彼は数少ない一人だそう。

そんな押井守が「すべての映画はアニメになる」と以前から主張してきたのだが、本作『スパイダーマン:スパイダーバース』を観るとその主張もおおむね間違っていないと思わされる。
そのくらい異次元のクオリティを誇っており、実写にはできないすべてが詰まっているように見えてしまった。

ニューヨーク州ブルックリン区に住む男子高校生のマイルス・モラレスは、叔父のアーロンと高架下でグラフィティを楽しんでいた際、突然変異のクモに噛まれて特殊能力を得る。その後、彼は地下道でウィルソン・フィスク(キングピン)が加速器を使い、異次元への扉を開く実験をしているところに居合わせてしまう。そこにスパイダーマン(ピーターパーカー)が現れて実験を阻止しようとするが、誤作動した加速器によって重傷を負ってしまう。ボロボロになったピーターはマイルスに小型をメモリースティックを託すが……。

映像表現が革新的すぎる。
やたらスタイリッシュだし、観ているだけで圧倒される映像体験となった。

主人公であるマイルスの心の声が吹き出しで出たり、擬音をそのまま文字で表現したり、このようなマンガ的な表現を上手く映像で見せる。
これがまたユニークで新しい。
あえてフレームレートを落としたカクカクした映像も、いかにもマンガを映像化してる感が増して親和性が高い。
久し振りに映像だけで楽しませてくれるアニメ映画に出会った印象である。

前置きに書いた実写にはできない表現というのはまさにこの部分。
こんなにオシャレな映像を見せられたら、今後実写映画を楽しめるのか? といった不安まで覚えてしまったほど。
その流れで押井守の「すべての映画はアニメになる」という言葉を連想してしまった。
きっとこの映画でアニメーターを目指す少年少女は増えるだろう。

もちろん映像だけでなく、アクションの見せ方も遊び心があって面白い。
序盤、マイルスとあるキャラが電車に引っ張られてしまうシーンは特に好き。
アメリカらしいコミカルさと、エヴァンゲリオンさながらのアクロバットなカメラアングルで楽しませてくれる。

アクションの見せ場はかなり多く、お腹がはち切れるくらいに山盛りで提供してくれている。
一体どのくらいの金と時間がかかっているんだろうか。

色んなタイプのスパイダーマンが出てくるストーリーの流れも良かった。
既存の原作をこういった形で拡張させるアイディアはお見事としかいいようがない。
出来るなら、それぞれのスパイダーマンたちの固有の能力をもっとストーリーに絡ませて楽しませてほしかったところ。アイディアそのものは素晴らしいが、そこまで活かされていなかった。

こんな感じで、とにかく見所が多すぎる。
非の打ちどころがないとはまさにこのこと。
アカデミー賞長編アニメーション賞を受賞するのも納得である。

ただしアメリカらしいハイテンションなノリにどうもついていけず、私はそんなにハマる映画ではなかった。
完成度が高いだけに申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
観客にそう思わせてしまうところも凄い。

rotten tomatoesの評価の高さも納得だし、私はタイプの映画ではなかったので★3.5という控えめな評価にしているが、アメコミに興味がない人でも一度は観た方がいい。
まず資金が潤沢ではない日本では作られることはないだろう、ラグジュアリーアニメの傑作。

マンガ文化が隆盛している日本でこういう映像表現ができなかったのはちょっと悔しい気もしてしまう。
こう思うアニメーターも多そう。

スパイダーマン:スパイダーバースの作品情報

■監督:ボブ・ペルシケッティ ピーター・ラムジー ロドニー・ロスマン
■出演者:マイルス・モラレス(シャメイク・ムーア、小野賢章) ピーター・B・パーカー(ジェイク・ジョンソン、宮野真)
■Wikipedia:スパイダーマン:スパイダーバース
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):97%
AUDIENCE SCORE(観客):93%

スパイダーマン:スパイダーバースを見れる配信サイト

U-NEXT:○(有料)
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(吹替・有料)○(字幕・有料)
TSUTAYA TV:○(有料)
Netflix:-
※2019年11月現在

スパイダーマン:スパイダーバースと関連性の高いおすすめ映画

スパイダーマン:スパイダーバースの裏ジャンルである【スーパーヒーロー】に分類される映画。

『トム・ヤム・クン』★★★★☆4
タイ人青年・カームの愛する象がベトナム人のジョニーに盗まれてしまう。彼は象を追ってシドニーへやってくる。だが、ジョニーが店主を務めるタイ料理店「トム・ヤム・クン」の背後には、中国人マダム・ローズが率いる悪の密輸組織があり……。

スパイダーバースとは対極に位置するスーパーアナログアクション映画。
ノーCG、ノーワイヤー、ノースタントで、主演のトニー・ジャーの人間離れしたハチャメチャな動きが楽しめる。
上記の謳い文句がとんでもないスリルを観客に与えてくれる。

U-NEXT:-
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(DVD)
TSUTAYA TV:-
Netflix:-
※2019年11月現在

-⑩スーパーヒーロー

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。