映画の海

約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

②金の羊毛

映画『名探偵ピカチュウ』ネタバレなしの感想。ポケモンと人が街に共存している世界観がたまらない

投稿日:

■評価:★★★☆☆3.5

「ポケモンが父と息子の絆の架け橋となる」

【映画】名探偵ピカチュウのネタバレなしのレビュー、批評、評価

まったく興味がなかったのに、強烈なフック一つで観ようと思ってしまう映画ってある。
例えばアナ雪。
フックは言うまでもなく「LET IT GO」だ。
あのエモーショナルな歌声に、一人の女性が魔法で巨大な氷の城を建てる圧巻の映像。
こんなものを見せられたら観ないわけにはいかない。

『ゼロ・ゼログラビティ』もそう。
宇宙空間で、ぶっ壊れたシャトルの破片に引っかかった人間がぶん回される映像はインパクト大。
映画ファンとしては心を掴まれてしまう。

『名探偵ピカチュウ』にもそういったフックが存在する。
それがしわしわピカチュウだ。

私は第一世代のポケモンだけをプレイしたことがある程度で、特別ファンでもないので本作を観る気はなかった。
んが、しわしわピカチュウのぬいぐるみが発売されるというネットニュースを観て気になり始め、結果的にGEOに足を運んでしまった。
一体ピカチュウがどんな経緯でしわしわになってしまうのか。しわしわ。

かつてポケモンが大好きだった少年ティムの父ハリーは、ポケモンに関わる事件の調査へ向かったっきり、家に帰らなくなってしまった。彼はそんな父やポケモンを遠ざけるようになってしまう。21歳となったティムのもとにある日、ハリーの同僚のヨシダ警部補から「お父さんが事故で亡くなった」と電話で聞かされる。ティムは人間とポケモンが共存する街ライムシティに向かい、荷物整理のために父の部屋に行くと、なぜか自分にしか聞こえない人間の言葉を話すピカチュウと出会う。記憶を失っていたピカチュウはハリーの相棒であり、「自分が生きているならハリーも生きてる」と告げる。二人は父を探す旅に出ることに。

この映画、一番の魅力はポケモンたちが人間と共存して街に住んでる世界観だ。
ポケモンが交通誘導したり、バーで酒を飲んでいたり、あるいはペットとして家族の一員になっていたり。
ポケモンに大して興味がない私ですらロマンを感じてしまった。
「この世界に行きたい!」って思わず願ってしまったし、そう感じさせてくれただけでもこの映画には価値がある。

観る前は不安に感じていた、オッサン声のピカチュウも最高だった。
見た目は可愛いのにやけに偉そうピカチュウは、アゴが弱くてこちょこちょされると悶絶する。
声がオッサンなのでギャップを感じて笑ってしまう。可愛い声のピカチュウだったら絶対に成立しない演出だ。

この映画はこういった世界観のデザインの時点で勝利している。
なぜ世間でこんなに評判が良かったのか納得である。

ストーリーは子供向けということもあってマイルド気味。
だが、劇中に出てくる敵か味方か分からないミュウツーの行動の動機など、先の読めない展開も見られて良い。
案外ストーリーも力が入っている印象を受けた。
子供が観ても難しく感じないように分かりやすくしつつ、アッと驚く展開で大人も楽しませる。
こういったバランス調整に力が入っているようにも思えて好印象。

あえて不満点を挙げるとしたら、もっとポケモン固有の能力で物語を展開させてほしかった。
生活の中でポケモンの能力が生かされてるシーンはある。
例えば飯屋でヒトカゲが火を吹いて食材を焼いたりなど。

それはもちろん良いのだが、例えばピンチのときにピカチュウが電撃で乗り物を動かして逃げたり。こういうシーンをたくさん観せてほしかった。
ポケモンの能力を日常に沿った形で発揮されることで主人公がピンチに陥ったり、あるいはピンチを解決したりしてくれたら満足度はかなり高くなった。
ポケモンファンの観客は、ますますポケモンたちがより日常に馴染んでいる実感を覚えて「おお!」って感じで心が躍るはず。

私の記憶ではストーリーの展開の中で能力が上手く生かされたポケモンは一匹しかいない。
これはネタバレになるので言及しないでおく。
しかもこのシーン、かなり不気味な感じで良かった。怖がる子供もいそう。

とにかくポケモンたちが可愛いので、すっかり世界観に魅了されてしまった。
ピカチュウはもちろん、特にフシギダネにはおいしい役目が与えられた印象。ファンになってしまいそう。手足短くて可愛い。しかもいっぱいいるし。

先日見たアナ雪2は子供向けとは思えないようなストーリーで残念な気持ちとなった。
だが、本作は童心に戻ってワクワクできるような良質な子供向け映画。
ディズニーアニメ制作陣もこれを観て初心を思い出して欲しい。

名探偵ピカチュウの作品情報

■監督:ロブ・レターマン
■出演者:ジャスティス・スミス キャスリン・ニュートン 渡辺謙 ピカチュウ(ライアン・レイノルズ / 西島秀俊)
■Wikipedia:名探偵ピカチュウ
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):68%
AUDIENCE SCORE(観客):80%

名探偵ピカチュウを見れる配信サイト

U-NEXT:○(有料)
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(吹替・有料)○(字幕・有料)しわしわ
TSUTAYA TV:○(有料)
Netflix:-
※2019年11月現在

-②金の羊毛

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。