映画の海

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②金の羊毛

映画『神と共に 第二章:因と縁』ネタバレなしの感想。韓国産、良作ファンタジーアクションの続編

投稿日:

■評価:★★☆☆☆2.5

「贖罪」

【映画】神と共に 第二章:因と縁のネタバレなしのレビュー、批評、評価

※前作『神と共に 第一章:罪と罰』のネタバレあり

ヒット作の続編を当てるというのは難しい。制作陣も観客の期待に応えなければいけないプレッシャーがかかるので大変だろう。
どういった作り方をしたら確実に当たるのか、なんて正攻法があるわけでもないし。

1作目にある観客が求めるもの(コンセプトなど)+新しさ

この辺りはマストで抑えなければいけなくなるが、もちろんこれらをどのように表現したらいいのか、その手法は無限に存在するので続編制作なんて考えただけでうんざりする。

私も大好きだし、続編が前作を超えた稀有な例としてよく挙げられるのが『ターミネーター2』。
ターミネーターでは1作目で敵だった人型殺戮兵器:ターミネーターのシュワちゃんが、2作目では仲間になるというアイディアが素晴らしい。
さすがは稀代のエンタメ帝王、ジェーム・ズキャメロンが手がけただけはある。

個人的には漫画原作の映画『カイジ2 人生奪回ゲーム』も前作超えした続編の一つだと思っている。
カイジはオリジナルギャンブルに命がけで挑む男の話。
前作では複数のギャンブルを扱ったのに対して、カイジ2は【沼】という1つのギャンブルのみに絞って描かれる。(厳密には劇中に出てくるギャンブルはもう1つあるが、おまけ程度の扱い)
この【沼】がギャンブルとして良く出来ているのと同時に、1つのギャンブルに絞っているのですごく観やすい。

しかし前作超えを果たした映画って、前作がそこまで傑作ではないんじゃないか? といった疑惑も湧いてきてしまう。
私としては、ターミネーター1もカイジ1もそんなに面白いとは思っていない。あなたはどうだろうか。
果たして前作がなかなか楽しめる良作だった『神と共に』の続編はどんな内容となるのか。

1000年間で48人を転生させた3人の使者、カンニム、ヘウォンメク、ドクチュン。彼らはあと一人、亡者を転生させれば自身も新しい生を授かることとなる。以前、3人が裁判で弁護を務めた消防士ジャホンの弟スホンは、兵役中の誤射で命を落とし、怨霊となって冥界にやってくる。本来、怨霊は消滅しなければならないが、カンニムはスホンの無念の死を証明し、生まれ変わらせるために弁護を決意する。閻魔大王はある条件と引き替えにスホンが裁判を受けられる許可を与える。それは守護神であるソンジュ神に守られ、使者を追い払い続けているすでに寿命を迎えた老人チュンサムを冥界に連れてくること。カンニムはスホンを連れて地獄めぐりをし、ヘウォンメクとドクチュンは現世に向かい、ソンジュ神との接触を試みる。

主に3人の使者の関係性が現世でのエピソードを通じて描かれる。
カンニムには過去の記憶があり、なぜかヘウォンメクとドクチュンの記憶は失われている。

使者としての後者2人は割とコミカルなキャラクターに対して、裏の顔とも言える前前前世の彼らの行動が明かされていく流れは面白かった。
これってかなり新しい試みなのではないだろうか。

普通キャラクターは表向きの言動に対して、別の側面を見せるとギャップとなり、=キャラ立ちとなる。
例えば、見た目がハデでアホっぽくギャルが実は英語がペラペラとか。
このようにキャラは想定外のいろんな面を見せることで魅力につながる。

それを1000年も前の前世での姿で描くというのは斬新。
どんどんキャラクターの魅力が増していくような感覚があって興味深く見れた。

この現世パートのメインキャラの一人であるマ・ドンソクは相変わらずも良いキャラクターで嬉しい。
韓国製ゾンビ映画の傑作『新感染』でのキャラクターが受けてブレイクした彼は存在感が素晴らしく、彼の悪役の映画は観たくないなあとまで思ってしまう。本当に魅力的な役者。

この映画シリーズのコンセプトは、亡者が冥界(あの世)で裁判受けて生まれ変わりを目指すところにある。
しかし裁判を受けて亡者の裏の顔が知れて……といった流れは前作でやっているので、再び見せられても観客はうんざりする。

だからといって現世を舞台としたヒューマンドラマがメインとなったら、観客の求めるものとはズレてしまう。
観客は死後の世界で展開される物語を期待している。
これがなければ『神と共に』ではない。
『神と共に』という冠を被っている以上、画面で展開されるエピソードの舞台はあの世(冥界)をメインとしてほしい。

残念ながら本作は現世での話がメインとなってしまっているので、かなり物足りなさを感じる。キャラの描き方は素晴らしかったが。
いっそのこと今回の亡者となるスホンを裁判に失敗して地獄に落として、そこから這い上がるストーリーにしたら良かったのでは?

前作で地獄に落ちた人間の悲惨な様子をすでにビジュアルで見せている。
前フリは効いているので、絶望とも思える世界にスホンを送り込んだ方が観客は楽しめたように思える。

本作はターミネーターなのに、ターミネーターほったらかしで人間同士で戦っているようなもの。
言うまでもなくこのような戦いは、観客が求めているものとは違う。

ドラマ部分に関してヘウォンメク、ドクチュンの過去のエピソードは良かったが、カンニムについてはどうなんだろう。
彼の過去そのものに問題ないが、結果的にヘウォンメクとドクチュンが不憫に思えてしまうような流れとなっているのは頂けない。
本当に制作陣はこの終わり方で良いと思ったのだろうか。
上手くまとめているように描いているが、これだとちょっと観客を甘く見てるように思える。
カンニムの過去が明かされたとき、なぜ2人の内面に焦点を当てなかったのか。

いや、当てられなかったのではないだろうか。
当ててしまったら物語を閉じられないと思い、仕方なくスルーして終わらせた。
私はそんな印象を持ってしまった。

思わず笑ってしまった笑い演出があったりと、面白い箇所もあったが、納得できる続編映画ではない。

神と共に 第二章:因と縁の作品情報

■監督:キム・ヨンファ
■出演者:ハ・ジョンウ チュ・ジフン キム・ヒャンギ マ・ドンソク キム・ドンウク
■Wikipedia:神と共に 第二章:因と縁
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):44%
AUDIENCE SCORE(観客):78%

神と共に 第二章:因と縁を見れる配信サイト

U-NEXT:
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(吹替・有料)○(字幕・有料)
TSUTAYA TV:○(有料)
Netflix:-
※2019年12月現在

-②金の羊毛

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。