映画の海

約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

①家のなかのモンスター

映画『サスペリア(1977)』ネタバレなしの感想。ゴブリンの音楽が凄い

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■評価:★★☆☆☆2.5

「バレエ学院の生徒が次々と消えていく」

【映画】サスペリア(1977)のネタバレなしのレビュー、批評、評価

エンタメ性が求められるゲーム業界において、強烈な作家性を宿した作品群を生み出すゲームデザイナー・小島秀夫という男がいる。
彼の代表作は『メタル・ギア・ソリッド』シリーズ。
「僕の70%は映画でできている」と語るほどに映画にも精通しており、誰が最初に呼んだのか、彼の呼称は小島監督だ。

そんな彼がある日、インタビューで「ゲームの評価は8割くらいが音楽や音響で決まる」と語っていた。
8割は大げさだろう、なんて思っていたのだが、『サスペリア』を観たあとにこの発言を聞いていたら四の五の言わずに納得していただろう。
そのくらいこの映画、音楽がすごい。

バレリーナ志望のスージーはドイツにあるバレエの名門校に入学するため、ニューヨークからやってきた。激しい雨のなか、空港で拾ったタクシーで赤い館のバレエ学院に到着する。建物の前で生徒のパットが何者かに追われているようなそぶりを見せ、「秘密のドア、アイリス、青いの……。」といった言葉を残して、雨のなかを走り去っていった。友人のアパートに逃げ込んだパットは、部屋でこの世のものとは思えない呻き声を聞く。その後、窓の外から突如現れた毛むくじゃらの腕に締め付けられ、ナイフで体をめった刺しにされ、命を落としてしまう。

この映画、クセが強すぎやしないか。
ストーリーがミステリアスすぎて、何が起こってるのか良くわからない。

スージーがやってきたバレエ学院には何か秘密があるらしい。先生や学院スタッフの連中は何か知っているらしく、随所におかしな挙動を見せる。
しかし目的がわからない。
怪しい連中に囲まれて、戸惑いながら日々を過ごすスージー。彼女の味方らしい人間は次々と姿を消えていく。
何もかもが謎に包まれている。

大して面白い展開があるわけでもないし、そもそも目的がわからないのでまったく持って興味深く観ることはできなかった。
何でもいいので分かりやすく目的を提示してほしかった。
例えば学院は金に困っていて人身売買の噂があるとか、とんでもない変態教師がいてみんな夜逃げしちゃうとか何でもいい。
友人たちがつぎつぎと消えていく理由のイメージがわかないのでちょっと退屈。

監督の感性のみで作られたような映画だ。
美術も普通ではなく、真っ赤な屋敷に不気味な装飾品の数々は強烈なインパクトを残す。一度観たら忘れられないほどに。

きっとこの監督、映画作りに関して熱心に勉強しないタイプなんだろうなと思う。
だから、こんなぶっ飛んだ映画が生まれるような気がしてならない。
万人受けを狙って作った内容とは思えない感覚のズレが節々で感じられる。

その分、ハマる人が出てくるのもちょっと納得出来てしまう。
知識がないからこその、他にはない独特のアプローチに心を掴まれるっていうことは実際にある。
この感性に勢い余ったかのような結末の流れは嫌いじゃない。

シナリオが微妙なので大して面白い映画だとは思わないが、そこまで評価を低くしなかった理由は突出した世界観にある。
この特異な世界観の一端を担った音楽が素晴らしい。
イタリアのプログレッシブロックバンド・ゴブリンが音楽を担当しており、激情的な音楽の数々がお見事としか言いようがない。
サントラ欲しくなる。
『サスペリアPART2』の音楽もゴブリンが担当しており、評価されているみたいなので、いずれは視聴して感想記事を書きたいところ。

『サスペリア』に関しては今年(2019年)リメイク版が公開されたが、良くこんな映画のリメイクを撮ろうと思ったなあと思う。
感覚のみを頼りに作られたような映画だし、そもそも脚本が優れてるわけじゃないので、かなり難しい挑戦である。

余談だが、サスペリアが売れたことで同監督の前作の無関係な映画に『サスペリアPART2』の題をつけて公開している。
つまりまったく別物の映画なので注意。
しかし中身は良くできたミステリー映画となっているらしいので、音楽と同様にストーリー面の関心も強い。
サスペリアの正統な続編は『インフェルノ』となる。

サスペリア(1977)の作品情報

■監督:ダリオ・アルジェント
■出演者:ジェシカ・ハーパー アリダ・ヴァリ
■Wikipedia:サスペリア(1977)
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):93%
AUDIENCE SCORE(観客):83%

サスペリア(1977)を見れる配信サイト

U-NEXT:○(見放題)
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(Ultra HD Blu-ray)
TSUTAYA TV:-
Netflix:-
※2019年12月現在

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。