映画の海

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映画『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』ネタバレなしの感想。おぞましい頻度で笑いと下ネタをぶちこんでくる。コメディアクションの傑作

投稿日:12月 11, 2019 更新日:

■評価:★★★★☆4

「ホレ薬を巡る」

【映画】シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッションのネタバレなしのレビュー、批評、評価

本作は少年ジャンプの80年代~90年代にかけて連載されていた北条司の人気漫画『シティーハンター』を原作としたフランス版実写映画となる。
この漫画は香港でも93年に一度映画にされているが、海外で日本の漫画を原作とする実写化は、実は結構多い。

ハリウッドで制作された『ゴースト・イン・ザ・シェル』はアニメ映画が有名な士郎正宗の漫画・攻殻機動隊が原作。
評価が微妙なので、私はまだ観ていない。
日本からはビートたけしが参加している。

アリータ:バトル・エンジェル』は銃夢の映画化となるが、『アバター』のジェームズ・キャメロンがプロデューサーなせいか、3D表現が素晴らしくて劇場で見た時は、映像表現にうっとりとしてしまった。

日本人との感性が合わなかったり、監督に原作愛がないことで失敗する作品も多い。
同じくハリウッド制作の『ドラゴンボール EVOLUTION』はあまりのクオリティの低さに原作者の鳥山明も嘆きの声をあげている。
この映画に関してはただの事件みたいなもので、本作の脚本を担当したベン・ラムゼイは公開から7年後に「自分は原作のファンではなく、金に目がくらんで書いた」「ファンに申し訳ない」と謝罪している。
クオリティが低い理由で謝罪をするなんてケースは初めて聞いたので、これはこれで面白い。
他にもユニークなエピソードが多い珍映画なので、気になったら調べてみるといい。

日本でも藤原竜也主演で映画化されたジャンプ漫画『デスノート』。
こちらはNETFLIXでも映画化されているが、見るに耐えられないクオリティらしい。(私は未見)

定額配信サービスであるNETFLIXは興行収入で成果を数字化する概念がないため、映画産業の衰退を懸念する声がある。
これはちょっと納得。
NETFLIX映画は、どうも駄作が多い印象が強い。
そんなに数を観ていないので何とも言えないが、レビューを観る限り、パッとしない作品が多い気がしてならない。

せめて視聴回数によるランキング表示や、レビュー機能を実装をしてもらいたいもの。
評価の可視化は結果的に映画製作者のモチベーションにもつながると思う。
可視化しないことで制作陣のプレッシャーは軽減されるかもしれないが、果たしてぬるま湯に浸かった心地いい場所で質の高い仕事ができるのだろうか。

話を戻すが、韓国で映画化された『オールド・ボーイ』もそう。
あまりに出来が良かったのと原作がマイナーだったため、当時はこの原作を掘りおこせなかった日本人の感性の乏しさを揶揄する声もちらほらきこえていた。
余談だが、オールド・ボーイはハリウッドでもリメイクされている。

私が結構好きなのは『軍鶏』。こちらは香港映画となる。
賛否の別れる映画化となっていて、元K-1の魔裟斗の大根っぷりにほっこりさせられるのだが、主人公・成嶋亮のエネルギーは原作のまま伝わってくる良作。

これだけの数の作品が映像化されるってことは日本の漫画文化が世界で評価されている証拠だ。
嬉しい限りである。

探偵やボディーガードを請け負うスイーパー(掃除屋)の冴羽リョウは通称「シティーハンター」として相棒の槇村香と共に、法では解決できない依頼を受けていた。だが、リョウには無類の女好きという欠点を抱えており、特に美人にはめっぽう弱く、時折香からはお灸を据えられていた。ある日、2人はその香りを嗅いだ者を魅了する「キューピッドの香水」を警護する依頼を受ける。が、何者かに一瞬の隙をつかれ、香水の入ったバッグを奪われてしまう。2人は香水の効果を試していており、香水の効果が永遠に消えなくなる48時間以内に香水の奪還を余儀なくされる。

日本でアニメ化されたシティーハンターはヨーロッパにも放映されており、1980年生まれで現在39歳のフィリップ・ラショー監督は小学生の頃、シティーハンターとドラゴンボールZのアニメに熱狂したという。

彼は前置きにも書いたドラゴンボールの実写版『ドラゴンボール EVOLUTION』にがっかりし、ファンの辛辣の評価も知って、彼らの気持ちを尊重して「原作に忠実であること」を目指して本作の脚本制作に取り掛かる。
結果、なんと完成まで18ヶ月もの時間を費やしたというのだからビックリ。
凄まじい原作愛だ。

私の年代はシティーハンターが少年ジャンプに連載されていた時期と少しずれており、原作をまったく知らない状態で鑑賞することとなった。
最初は観る気はなかったのだが、絶賛のレビューを多く目にしてしまったので、映画ファンとしては見逃すことができなかった。
しかし本当にすごかった。
絶賛の嵐だったレビュー群は間違いじゃない。
あまりのシナリオの緻密さに圧倒されてしまった。

シティーハンターといったら主人公のリョウが「もっこり」という言葉を連呼するイメージがあり、つまりは下ネタコメディアクションというジャンルを期待して観に行った。
イメージの通り、凄まじい頻度で笑いと下ネタをぶちこんでくる。
あまりにバカすぎて、劇場から出る頃にはすっかりIQが低くなった。

テンポが良く、息つく暇もなく女のケツやら谷間やら男の股間やら(修正有)を見せてくれるので原作を知っていようがいまいが、そんなのおかまいなしに楽しませてくれる。
めちゃくちゃ笑ったし、劇場からの笑い声もたくさん聞こえてきていて良い雰囲気で楽しめた。

しかも、ちゃんと物語の流れに沿った笑いを見せてくれるので、いかに監督が脚本を愛情たっぷり注いで練り込んだかがしっかり伝わってくる。
今後、漫画原作で映画を撮る監督にはぜひ観てもらいたいお手本のような内容。
むしろ作り込みが凄すぎてプレッシャーになるレベルだが。

惚れ薬を巡る物語っていう、シンプルな設定も良い。
昔のコメディ映画で良く見かけたような設定だが、シティーハンターならではの下ネタまじりの下らない攻防戦を見せてくれるので、既視感によるうんざり感は一切なし。
むしろシンプルだからこそ、原作を知らない観客にもアプローチしやすくなっている。
私もこのコンセプトな分かりやすさが観るきっかけの一つとなった。

驚愕なのがこれほどまでの量の笑いをかましてくるのにも関わらず、どんでん返しもあれば、しっかりとしたオチも見せてくれる。
完成度が高すぎて笑える。
まったくもって原作ファンではない私ですら「ありがとう!」とお礼を言いたくなる。
彼の日本のマンガをリスペクトしてくれた気持ちがちゃんと伝わってきたからだ。
日本人として嬉しい限り。

シティーハンターを知らないからといってスルーするにはあまりにもったいないクオリティの映画。
下ネタもライトで可愛らしいレベルなので、特に苦手でなければ観るべき傑作。

シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッションの作品情報

■監督:フィリップ・ラショー
■出演者:フィリップ・ラショー エロディ・フォンタン
■Wikipedia:シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション

シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッションを見れる配信サイト

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※2019年12月現在

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。