映画の海

約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

⑤人生の節目

映画『トイ・ストーリー3』ネタバレなしの感想。アニメ映画における最高到達点の1つ

投稿日:

■評価:★★★★☆4.5

「おもちゃの使命とは何か、どんな使命を全うすれば幸せになれるのか」

【映画】トイ・ストーリー3のネタバレなしのレビュー、批評、評価

世界歴代興行収入は10億ドルを超えてアニメーションとして第1位となり、2014年3月にはアナ雪に抜かれるまでその記録を維持していたトイ・ストーリー3。
日本でも100億円を超える成果を叩き出している。

これの何がすごいって、前作トイ・ストーリー2の世界興行収入が約5億ドルで、日本では34億5000万円。
続編の成功が難しいと言われている映画業界だが、本作は脅威の飛躍を見せている。
そして周囲からの声は絶賛の数々。
トイ・ストーリー3に一体何が起こったのか。

10年後。少年だったアンディは17歳になり、大学進学のため寮に引っ越すための準備をしていた。アンディは彼の母デイビスに部屋の整理を促され、長年のお気に入りだったウッディだけを持っていき、バズやジェシーをはじめとする他のおもちゃたちをすべて屋根裏部屋にしまう決意をした。だが、母の手違いで、屋根裏部屋行きのおもちゃたちがゴミに出されてしまう。危ういところで難を逃れたが、直前のアンディはデイビスとの会話の中で、屋根裏部屋行きのおもちゃについて「ガラクタだ」と言われたことにショックを受けており、完全に捨てられたと思い込んでいた。そのため地元の託児所へ寄付されるおもちゃたちのダンボールに忍び込む。

オープニングから泣けてくる。
アンディが大人になり、家を出るところから始まる。
前作で提示された「持ち主の子供はいつか大人になり、おもちゃに飽きる」というテーマがいよいよ現実のものとして訪れる。
別離を思わせる展開で胸が苦しい。

しかしその後はちょっと意外な展開を見せる。
ウッディはアンディと一緒に寮に行くことになり、外のおもちゃたちは屋根裏部屋行きが決まる。
まさかのおもちゃ同士の別離だ。
果たしてどんなストーリーとなるのか。

序盤から、2でおもちゃたちとすっかり仲良くなったアンディの飼い犬バスターが笑わせてくれる。
本作の監督は1と2のジョン・ラセターからリー・アンクリッチへと交代しているが、こういった小ボケは健在なのはうれしい。
このワンワンの存在が、我々に笑いと共に時の経過を伝えてくれる。

逆に寂しかったのが名脇役のリトルグリーンメン。
出てきてくれたのは嬉しいのだが、声が2とは別の人になってしまっている。
やはり屈指の名言『命の恩人、感謝永遠に』を言い放った桜井さんにやってほしかった。
私は2を観て以来、毎日のようにYOUTUBEでリトルグリーンメンを観ている。(マジ)

中盤以降の怒濤の展開もすごい。
あの手この手でみんなをピンチに追いやるもんだから、良くもまあ色んなアイディアが思い付いたこと。
恐らくたくさんの脚本家が意見を出し合って何度も会議し合ったのだろう。
まさに息をつかせぬ展開を見せてくれるので童心に戻って楽しんでしまった。

この活劇パートをそれぞれのおもちゃ固有の能力で役割分担をし、乗り越えていくのが良かった。
特にポテトヘッドの能力は素晴らしい。
もはやチートレベルの汎用性のある能力を持っているので、その気になったらポテトヘッドの二人だけでピンチを脱することができるという。

本作のテーマである「持ち主の子供はいつか大人になり、おもちゃに飽きる」。
この現実が実際にやってきたことで、ウッディはおもちゃとしての使命を再び問われる。
どんな使命を全うすることが、彼らにとっての幸せなのか。

最後はなかなか泣かせてくれる。
もはやテーマが深すぎて完全に大人に向き。

とはいえ、基本は冒険活劇なので子供が夢中になれるドタバタシーンも多い。
子供が大人になったとき、再び見返すことでこの映画を真の意味を理解するだろう。
抜群に素晴らしいシナリオ。まさにおもちゃの大河ドラマ。

正直トイ・ストーリー1はシナリオとしては良かったがそこまで私は楽しめる内容ではなかった。
しかし回を増すごとに、おもちゃたちへの感情移入が強くなり、本作では観客の感情は爆発させてくる。
おもちゃを題材にこんな素晴らしいストーリーを作ってあげられるなんて、さすがはジョン・ラセターである。

謎のバズのメキシコ設定も笑えるし、声が変わってもやっぱりリトルグリーンメンが美味しいところを全部持って行ってしまうのも良い。

遊ばれないおもちゃって何でこんなにも切ないんだろうか。
この映画を見ていて、何度も昔自分が遊んでいたレゴブロックなどのおもちゃを思い出してしまった。
今ではおもちゃが尊く思える。

こんな完璧すぎる結末を迎えた本作。
まさかこれに続編を作るとは。
今年(2019年)公開されたトイ・ストーリー4は一体どんな内容になっているのか。
怖いもの観たさで早く見たいところ。

テーマだけ確認したのが、ちょっと違和感を覚える。
トイ・ストーリー4のテーマは「人格を持つものが人間の所有物となって良いのか」。

まさかおもちゃだけの世界に旅立つ、あるいはおもちゃだけの独立国家を造るような流れにはならないだろうか。
それだけは避けてもらいたい。
物語においてリアルとリアリティは違う。
上記の流れとなったら完全に2や3で提示した「おもちゃとしての使命」といったテーマの逆を行くことになるのだから、そうならないことを願うばかり。

トイ・ストーリー3の作品情報

■監督:リー・アンクリッチ
■出演者:ウッディ(トム・ハンクス、唐沢寿明) バズ・ライトイヤー(ティム・アレン、所ジョージ) ジェシー(ジョーン・キューザック、日下由美)
■Wikipedia:トイ・ストーリー3
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):98%
AUDIENCE SCORE(観客):89%

トイ・ストーリー3を見れる配信サイト

U-NEXT:○(有料)
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(吹替・有料)○(字幕・有料)
TSUTAYA TV:○(有料)
Netflix:-
※2019年12月現在

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。