映画の海

約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

④難題に直面した平凡な奴

映画『ジュマンジ』ネタバレなしの感想。止まったマスごとでさまざまな現象が起こるスゴロクのクリアを目指す

投稿日:

■評価:★★★☆☆3

「いじめられっこの少年が奮闘する」

【映画】ジュマンジのネタバレなしのレビュー、批評、評価

エンタメの王様といったらゲーム。
2015年には世界のゲーム産業が920億ドルに到達しており、映画産業(620億ドル)や音楽産業(180億ドル)と比べるとえらい規模の違いである。
ゲームはインタラクティブ性のある媒体なので当然の結果となる。

インタラクティブ性=双方向の意味で、プレイヤーがコントローラーで操作すると、反応が帰ってくるということ。(対義語は一方向)
つまりはやり取りで、テニスゲームでいうならこちらがボールを打つと相手が打ち返してくるということ。
そのため、没入感が強くなるので、どうしても人は夢中になりやすい。

今では電車に乗ればスマホの画面を一生懸命タッチしている人を簡単に見つけられる。
SNSも投稿することで人の反応が得られるので同様。

そんなゲームの世界観を物語に持ち込んだらどうなるのか。
ジュマンジはそんな試みの映画となる。

1869年、2人の少年が深夜の森に侵入し、持っていた木箱を地面に掘った穴に埋めて足早に立ち去った。100年後の1969年、少年アランはいじめてくる同級生から逃げるため、父が働く靴工場に逃げ込む。しかし父には「ここに来るな。戦え!」と追い返されてしまう。アランは助けてくれない父に反感を抱いていた。その日、アランは父親の工場の拡張工事現場で太鼓のような音を耳にする。音を辿ると、工事によって掘りおこされた地面から古い木箱を見つける。中には「ジュマンジ」と書かれた古いスゴロクが入っており、家に持ち帰ったアランは友達の少女サラと一緒にプレイすることに。サイコロを振るとコマが勝手に動きだし、ゲーム盤中央にある円形の画面のようなものに謎の文字が浮き上がった直後、アランはボードに吸いこまれてしまう。「ジュマンジ」は止まったマスごとでさまざまな現象が起こる魔法のゲームだった。

設定が魅力的すぎる。
謎のスゴロク「ジュマンジ」をプレイし、マスに止まるごとにさまざまな現象が起こる。
一度プレイしたらクリアできるまでやめられない。
しかも止まったマスは何が起こるのか分からないので、観客は「次は何が起こるのか」といったワクワク感を煽られる。

設定を聞いただけでも面白そう!って思えるような映画で、私は期待に胸を膨らませて鑑賞に挑んだ。
が、実際に観るとかなり物足りなさを覚える結果となった。
というのも、肝心の発生する現象そのものの魅力に乏しい。

特に序盤はコウモリやライオンだったりと動物ばかりが出てくる。
さすがに動物多すぎじゃないだろうか。

しかも発生する現象はネガティブなものばかりなので、観ていて疲れてしまう。
なぜポジティブなことを起こさせなかったのだろうか。

たまにはエサをよこして観客に夢を与えてワクワクさせて欲しい。
例えば美女の大群に追いかけ回されるとかたまらない。

こんな感じで「ジュマンジの世界に行きたい!」って思わせてほしかった。
そしたらゲームを題材としたファンタジー映画の金字塔になっていたのではないだろうか。

さらにこういったポジティブな現象を維持するため、「ジュマンジを終わらせたくない」といったキャラが出てきたりすれば、人間同士の対立も描けたりする。
もしくはクリア報酬の提示なんかがあっても面白いかもしれない。
クリアに必死になるキャラと、ジュマンジを終わらせたくない対立。最高に面白そうな展開である。

例えばゲームを題材とした物語の傑作を挙げるとするなら、『HUNTER×HUNTER』のグリードアイランド編が真っ先に浮かぶ。

これは本当に面白かった。
ちょっと面白さが異次元すぎて、単行本の側面が手垢で部分的に黄ばむくらいに繰り返し読み込んだほど。

グリードアイランドは劇中に出てくる架空のゲームソフトを指す。
物語はゲームソフトを手に入れるところから始まるんだが、これがまたぶっ飛んでる。
グリードアイランドはジョイステーションというハードのソフトなのだが、無名の会社により限定100本だけ販売された謎のソフトで、発売当時の価格は日本円で58億円。
頭がおかしい。

で、このゲームは起動するとプレイヤーは強制的にゲーム内に入ってしまう。
ゲームの目的はカード集め。
指定カードを100枚集めたらクリアとなる。

クリア報酬は3枚の指定カードを自由に選んで現実世界に持って帰れるのだ。
この指定カードの内容が魅力的なこと。
例えば、こんな感じ。

No.003 湧き水の壷:常にきれいな水が湧き続ける壷。1日で1440リットルの水が湧き出る。
No.004 美肌温泉:肌に関する悩みをすべて解消してくれる温泉。1日30分の入浴で赤ちゃんの様なスベスベの肌になる。
No.017 大天使の息吹:瀕死の重傷、不治の病なんでも一息で治してくれる天使。ただし姿を表してくれるのはたった1度だけ。
No.025 リスキーダイス:20面体のサイコロ。1面が大凶で19面が大吉。大吉が出ればとてもいい事が起こる。ただし大凶が出るとそれまでに出た大吉分がチャラになるほどの不幸が起こる。
No.026 7人の働く小人:主人が寝ている間だけ、代わりに働いてくれる小人。ただし主人の能力を越えるほどの要求には応じない。

それ以外にもスペルカードといったものも存在しており、参加者同士はカードを奪い合ってバトルを繰り広げる。
HUNTER×HUNTERはジュマンジ以降の作品だが、グリードアイランド編の面白さを知ってしまっているのも相俟ってそこまで楽しめる映画ではなかった。

脚本の練り不足が顕著に現れてしまった印象。
素材は素晴らしいので、もっともっと面白くはできたはず。

終わり方が幸せな気持ちになれてスゴく良かった。
この流れは予想できなかったので、観賞後感はかなり良い。
正直、この終わりを予想できるように伏線で序盤の方に提示しても良かったようにも思えるが。

ジュマンジの作品情報

■監督:ジョー・ジョンストン
■出演者:ロビン・ウィリアムズ キルスティン・ダンスト ブラッドリー・ピアース ジョナサン・ハイド
■Wikipedia:ジュマンジ
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):54%
AUDIENCE SCORE(観客):62%

ジュマンジを見れる配信サイト

U-NEXT:○(見放題)
Hulu:○(見放題)
Amazonプライムビデオ:○(吹替・見放題)○(字幕・見放題)
TSUTAYA TV:○(見放題)
Netflix:○(見放題)
※2019年12月現在

-④難題に直面した平凡な奴

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。