映画の海

約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

②金の羊毛

映画『ジュリエットからの手紙』ネタバレなしの感想。初恋の人を探す旅に出る

投稿日:

■評価:★★★★☆3.5

「恋は素晴らしい」

【映画】ジュリエットからの手紙のレビュー、批評、評価

イタリアのヴェローナ市はシェイクスピア著のロミオとジュリエットの舞台だ。
現在、ヴェローナには『ジュリエットの家』という建物があり、そこの壁には恋に悩む女性たちがジュリエットに手紙を書いて貼る観光地になっている。
ヴェローナのボランティアの女性たちが運営するジュリエットクラブの「ジュリエットの秘書」たちがそれらの手紙すべてに返信するという事実に基づいて『ジュリエットからの手紙』は製作されている。
ちなみに多言語に対応しており、日本語もOKみたいなので私もいつか書きに行きたいところ。

雑誌『ニューヨーカー』で働くソフィー。イタリアン・レストランのオープンを控える婚約者ヴィクターとハネムーンでイタリアに行くことになるが、観光を楽しみたいソフィの思いをよそに、ヴィクターはレストランの食材業者探しに明け暮れていた。別行動を取ることになり、翌日ソフィはヴェローナにある『ジュリエットの家』を訪れる。家の壁に貼り付けられた大量の手紙を回収する女性を見つけたソフィは、好奇心に駆られてこっそり後をつける。行き着いた先の建物には手紙に返事を書く“ジュリエットの秘書”と呼ばれる女性たちがいた。秘書たちと打ち解けたソフィーは翌日も秘書たちの元へ訪れ、手紙の回収を手伝っていると、壁から抜け落ちたレンガの中に古い手紙が出てくる。50年前に書かれたその手紙は、クレアという女性が両親に反対されるなか、恋人のロレンツォとの駆け落ちを決意するが、苦悩の末に直前でやめてしまったことが書かれていた。胸を打たれたソフィは秘書たちに頼んで返事を書かせてもらうことに。数日後、手紙を受け取った老婆になったクレアが孫のチャーリーとともにイタリアにやってきた。3人は50年前の愛を確かめる為、ロレンツォ探しの旅に出る。

私はこの映画の設定にそんなにハマれなかった。
確かにジュリエットの秘書たちがやってることは素晴らしい。
恋に悩める子羊たちの背中を撫でてあげるような献身的な行為だ。

しかし、彼女らが手紙を返信するというのはあくまで裏側である。
ラブストーリーという属性の映画で、裏側を見せてしまうのはちょっとロマンに欠けるかなって思ってしまった。
できることならディズニーのように一体どこの誰が返信してるのかを徹底的に隠して欲しかった。
ミステリアス感に欠けてしまって、物語の冒頭はそこまで熱中できなかった。

ところがどっこいである。
本作の本質はそこではない。
この映画が描きたいことは『恋の素晴らしさ』だ。

このテーマの描き方があまりに素晴らしくて、気づいたら物語の行く末を追いかけることに夢中になっていたのである。
これにはちょっとビックリした。

主人公のソフィーは老婆のクレアと孫のチャーリーとともに、クレアが50年前に恋したロレンツォを探す旅に出るのが本作のあらすじだ。
こんな可憐な動機の旅はほかにあるだろうか?
しかもおばあちゃんというキャラクターが良い。

世間に蔓延るほとんどのラブストーリーは若者がメインキャラクターになることが多い。
テレビドラマなんてとくにそうだ。最大でも40代が限界だろう。

でも本作は老人だ。
旅の道中では老人の恋物語ならではのちょっとした切ない展開もある。
だが、恋に年齢は関係ない。

こんな感じでテーマとなる愛をユニークに描いているのが本作の特徴だが、それ以外にも楽しめる要素は多い。
イタリアにはロレンツォさんがたくさんいるらしく、ボキャブラリー溢れるロレンツォズとの交流はちょっぴり笑える。
「次はどんなアホロレンツォが登場するのか」とちょっとしたワクワク感を観客に与えてくれる。

語らずにはいられないのはロケーションだ。
彼女らはイタリアの緑豊かな田園風景を望む田舎町を車で走らせるのだが、これがもう息を飲むほどに美しい。
景色の美しさが劇中で描かれるロマンスのいいスパイスとなる。
こんな映像を見せられたら、海外旅行の候補リストに追加してしまう。

欠点としては、全体的に起伏に乏しくて、あまり激しく感情が揺さぶられない。
理由はシンプルで、主人公であるソフィーにそこまで大したピンチが訪れていないのだ。
ただ彼氏に放置されているだけである。
確かにソフィーからしたらせっかくのハネムーンなので辛いだろうけど、別に彼氏が浮気してるわけでもないので、痛みとしてはだいぶ弱い。
ソフィーのピンチが、クレアのロレンツォ探しにもっとうまく絡んでいたら、この映画もっと面白くなっていたはず。

とはいえ、映画批評サイト「rotten tomatoes」の評価があまり高くないのはちょっと違和感を覚える。
この映画は、確かに予測可能な展開は多いし、キレイ事なラブストーリーかもしれない。
ただ、本作は恋の素晴らしさを伝えるといった狙いはしっかり機能しているし、その描き方もユニーク。
もう少し評価されてもいいように思える。

恋愛にうんざりして、「男いなくなれ!」「女なんてくそくらえだ!」なんて思っている人に見せて反応を観てみたい。
恋の素晴らしさを再認識するだろう。

ジュリエットからの手紙の作品情報

■監督:ゲイリー・ウィニック
■出演者:アマンダ・セイフライド クリストファー・イーガン ガエル・ガルシア・ベルナル ヴァネッサ・レッドグレイヴ
■Wikipedia:ジュリエットからの手紙
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):41%
AUDIENCE SCORE(観客):62%

ジュリエットからの手紙を見れる配信サイト

U-NEXT:○(見放題)
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(字幕・有料)
TSUTAYA TV:-
Netflix:-
※2020年1月現在

-②金の羊毛

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。