映画の海

約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

⑤人生の節目

映画『チェリーボーイズ』ネタバレなしの感想。モテない男3人組が童貞卒業のため、性的に活発な噂の絶えない女子を襲う計画を立てる

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■評価:★★★☆☆3.5

「童貞」

【映画】チェリーボーイズのレビュー、批評、評価

童貞を題材とした映画や漫画、小説は量産されているが、個人的に好きなのはこのブログの記事にもした『アメリカン・パイ』。

陽気で自己主張の強い印象のあるアメリカ人にも童貞に苦しむ連中はいるんだなあ、と実感した1本。
童貞らしい、相手の気持ちを無視したぶっ飛んだ展開は『チェリーボーイズ』に通ずるものもあって非常に楽しめた。

『卒業白書』なんていうトム・クルーズ主演の童貞映画もある。
トム・クルーズがイケメンすぎるし、内容も何だか童貞映画には見えず、そんなにハマれなかった。

国森、吉村、高杉は田舎町に暮らす幼なじみの三人組。一人上京してバンド活動していた国森だったが、行き詰って戻ってきたことで三人は四年振りの再会を果たした。しかし二十五歳になった今でも童貞のままで、彼らは社会や女性への鬱屈を募らせていた。そんな彼らが思いついた「脱童貞作戦」は、地元に住む性的に活発な噂の絶えない笛子を誘拐して襲いかかるというものだった。

覆面を被った三人組が笛子に襲いかかる直前から始まり【どんな経緯で今に至るのか】といった回想シーンが本編となる。

にしてもこの映画、けっこう面白い。
ふざけたストーリーだが、童貞脱出に苦戦した経験のある男子諸君ならほぼ間違いなく楽しめるだろう。

そもそも三人組の仇名がぶっ飛んでて、つかみとしては最高。
いかにもイジメられっ子や童貞のような弱者がつけられそうな悲惨な名前である。
なぜか彼ら自身も受け入れているのは、良くも悪くも感覚がズレているのだろう。

三人組の近くに、女性に困らないイケイケのヤリチンが配置されているのも良かった。
このヤリチンが本作のヴィランとなる。
『早く童貞を捨てたい』という本質的な欲求は、性交に興味があるのと同じくらい、周りの目を気にしてのこと。

童貞たちは、童貞=ネガティブな要因とみなしている。
そのため、童貞は恥ずかしいとか、自分より先に童貞を卒業されるのは悔しいとか。
そういったプライドが童貞脱出の願望を強くしている。

しかしこの手のプライドは不要だ。
金にもならないし、むしろ性行為から遠ざかったりもする。
劇中では、この辺りも抜け目なく描かれているのはさすがである。

逆にプライドがないやつは、チャンスが来たらやれたらいいやくらいに考えている。
無欲な方があっさり彼女が出来てしまったりするのが現実だ。

で、そのヤリチン・プーチンは、三人組を煽り倒す。
プーチンがいかにも悪そうなルックスで、随所でクズな所業を見せてくれる。

プーチンで思い出したんだが、劇中で唐突に雨が降るシーンがある。
この雨の日に色んなキャラの視点に切り替わってそれぞれ描かれるのだが、雨1つで見事にキャラの描き分けをしていて良かった。
何気に見所の1つとなっている。
このときのプーチンの行動がなかなか最低で、悪役としての属性に磨きがかかって良い。

三人組の「脱童貞作戦」のターゲットとなるのが色気ムンムンの笛子。
笛子に扮する池田イライザも仕事を選べよってツッコミたくなるくらいに、セクシーな役を演じてくれている。
かなり良かった。
鑑賞後に池田イライザのインタビュー記事を読んだんだが、相当にこの笛子というキャラを研究して演じたそう。

例えば、三人組の一人・国森は童貞なだけあってかなり気持ち悪い言動を見せる。
それを見た笛子が「この人ネジが飛んでる?」といった言動を見せたら、国森どころか観客からも魅力に映らなくなる。なので国森のすべてを受け入れるように演じた。
謎のやる気が素晴らしい。
『映画 みんな!エスパーだよ!』でもなかなかセクシーな姿を見せてくれるのであなたが興味があったら観るといい。私は10回観た。

そんな笛子が片想いをしているゴキっていう名前のイカつい男が出てくるんだが、彼の存在はちょっと謎。
キャラクターとして活用されていなかったので、いなくても良かったように思える。

この映画のアマゾンレビューを観ていたら「女性蔑視」と書かれた内容をいくつか見つけた。
確かにフェミニストが観たら発狂しそうな内容ではある。
そういった自覚のある人は敬遠した方がいいかもしれない。

三人組は女性を性の対象にしか見ていないが、童貞なんて残念ながらそんなものだ。
25にもなってまで童貞をキープしていると、余裕なんてあるわけない。
むしろ相手の立場になって物事を考えられる立派な人間性の持ち主は、童貞なんてさっさと卒業する。

童貞を卒業して彼女ができて、上手く振る舞えなくてフラれて傷ついて。少しずつ相手の気持ちを理解するようになって、男は大人になっていく。
誰だって悪意はなくても人を傷つけてしまうときだってある。
だからこそ、笛子はクライマックスである一言を放つ。
「女性蔑視」の意見も理解はできるが、精神的に未熟だからこその悪巧みといった認識で私は観た。
もちろん簡単に許されるような行動ではないが。

あと、内容とは関係ないんだが、映画ジャケットがダサいのが気になる。
この画像が鑑賞意欲を削いでしまって食指が動かず、観るのを先送りにしてしまったくらい。
実際に観たらかなり楽しかったので、もう少し人の目を惹くようなジャケットを作ってほしかった。

チェリーボーイズの作品情報

■監督:西海謙一郎
■出演者:林遣都 柳俊太郎 前野朋哉 池田エライザ
■Wikipedia:チェリーボーイズ

チェリーボーイズを見れる配信サイト

U-NEXT:○(見放題)
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(見放題)
TSUTAYA TV:○(有料)
Netflix:○(見放題)
※2020年1月現在

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。