映画の海

約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

⑤人生の節目

映画『オール・アバウト・マイ・マザー』ネタバレなしの感想。息子を事故で亡くした母が元夫を探してバルセロナへ旅立つ

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■評価:★★★☆☆3

「女性の底力」

【映画】オール・アバウト・マイ・マザーのレビュー、批評、評価

本作は1999年の第72回アカデミー賞外国語映画賞を受賞したスペイン映画となる。
アメリカの映画批評サイト「rotten tomatoes」の評価も異常に高い。

ペドロ・アルモドバル監督による「女性賛歌三部作」の1作目となる。
2作目にあたる『トーク・トゥ・ハー』も割と有名な作品で、第75回アカデミー賞では脚本賞を受賞している。

『オール・アバウト・マイ・マザー』では女性や同性愛者ばかりが登場するのでてっきり女性監督かと思っていたのだが、彼は同性愛者を公言しているとのこと。

スペインの首都・マドリードに住む移植コーディネーターのマヌエラは、小説家志望の息子・エステバンを女手一つで育ててきた。エステバンの誕生日の日、お祝いに二人で『欲望という名の電車』の舞台を観に行く。マヌエラはずっと内緒にしていた父のことについて話そうと決心する。だがその日の夜、エステバンは舞台の主演女優・ウマのサインをもらおうとして車に轢かれてしまい、命を落としてしまう。失意のなか、マヌエラは息子の死を伝えるため、元夫を探してバルセロナへ旅立った。

私はそこまでハマれる映画ではなかった。
内容としてはかなり渋め。謎であったり、どんでん返しのようなハデな展開は見られない。
エンターテイメント性は薄く、人生の節目に苦しむ女性たちの物語となる。

人生の節目というのは、人生において避けられない苦難を意味する。
主人公マヌエラは息子を事故で失い、旅立ち先のバルセロナで再会したマヌエラの親友・アグラードは性同一性障害。
(余談だが、アグラードは性転換者にしか見えないが、実は本当の女性だそう。後に知ってビックリした)
バルセロナで仕事を紹介してもらう流れで知り合った純朴なシスター・ロサもかなりむごい困難を抱えてしまう。

それでも暗い物語になっていないのが素晴らしい。
理由は2つあって、1つは悪意をもったキャラクターが登場しないということ。

マヌエラらの前にハードルとして立ちはだかる女性キャラクターが何人か登場する。
いわゆるこの映画における悪人キャラだ。
だが彼女らもまた人生の節目と戦っていたり、あるいは偏見であったりと、本質的な悪人ではない。
たからマヌエラらは、敵となる人間を決して攻撃したりはしない。

もう1つは、みんな苦しみながらも前向きであるということ。
ここが世間で大きく評価されているポイントの1つだろう。

みんなはとんでもない苦難に直面している。
人によっては心が折れて人生を投げ捨ててしまうかもしれないほどに強大なハードルだ。
それなのに明るい。
みんなが手を取り合い、希望を信じて前向きに歩く。
一時的に弱気になったりしても、すぐに誰かが手を差し伸べる。
彼女らが一致団結したら突破できない困難なんてないんだろうと思ってしまうほど。

こういった構図は、『殺さない彼と死なない彼女』を連想させる。
この映画も人生の節目に苦しむ女子高生らの連絡短編的な物語となっている。
『オール・アバウト・マイ・マザー』ほどではないが、『殺さない彼と死なない彼女』も女性たちがささやかに手を取り合って、人生という巨大な岸壁に立ち向かう姿が見られて素敵だった。

『オール・アバウト・マイ・マザー』は登場キャラクターのほとんどが女性だし、女性ならでは苦難と戦うキャラクターもいる。
私のような男ではなく、女性のほうが心を掴まれるだろう。
そして彼女らから元気を貰えることだろう。

最近はあまりテレビでは見かけない映画評論家おすぎは、この映画をオールタイムベスト1位に挙げているそう。

オール・アバウト・マイ・マザーの作品情報

■監督:ペドロ・アルモドバル
■出演者:セシリア・ロス マリサ・パレデス ペネロペ・クルス
■Wikipedia:オール・アバウト・マイ・マザー(ネタバレあり)
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):98%
AUDIENCE SCORE(観客):93%

オール・アバウト・マイ・マザーを見れる配信サイト

U-NEXT:○(見放題)
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(DVD)
TSUTAYA TV:-
Netflix:-
※2020年2月現在

-⑤人生の節目

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。