映画の海

約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

⑤人生の節目

映画『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』ネタバレなしの感想。新学期までの4日間を描く

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■評価:★☆☆☆☆1.5

「ノスタルジア」

【映画】エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中にのレビュー、批評、評価

ノスタルジア(ノスタルジー)=異郷から故郷を懐かしむこと、過ぎ去った時代を懐かしむこと。

ノスタルジアを感じさせる映画や音楽が好きな人は多いのではないだろうか。
特に日本人は欧米人と比べると「切ない音楽」に惹かれる傾向にあるデータも存在する。
日本人は、切ない音楽に懐かしさ(ノスタルジア)や安心感を見出しているとのこと。

私もかなり頻繁にノスタルジア属性の映画や音楽に触れている。
ちょっとマニアックではあるが、この2曲は特に好んで今も聞いている。

これはゲーム『ファイナルファンタジー5』の主人公の故郷の村で流れる曲。
世界を旅する主人公バッツは、道中で世界の危機に直面する。世界を救う役目を担ったバッツは仲間とともに旅をする。
道中で立ち寄った故郷の村で流れる音楽がこれ。
タイトルは『はるかなる故郷』。
ずいぶん昔にプレイしたゲームだけど、なぜかこの曲はずっと聴き続けている。

ゲーム『ニーア・オート・マタ』の『パスカル』という曲。
地球が機械生命体に侵略された世界。月に住む人間が、機械人間を地球に送り込んで機械生命体を滅ぼし、地球の奪還を試みる。
機械人間の主人公・2Bは機械生命体を倒しまくるのだけど、道中で戦う意思のない機械生命体たちの村を発見する。
そこで流れる曲がこれだ。

これも異常なくらいリピートしている。
2019年に米津玄師が作った『パプリカ』はやたらと流行っていたけど、子どもの歌声って素直さがあって聴き心地が良い。

映画で言うと、青春、純愛、舞台が夏、といった要素にノスタルジアを感じる。
リチャード・リンクレイター監督は大学時代に野球部に所属しており、この映画はそのときの体験が反映されたシナリオとなっている。

1980年8月28日。アメリカのテキサスにあるサウスイーストテキサス大学。野球推薦で入学することになったジェイクは期待と不安を抱きながら野球部の寮に入寮する。そこで4年生のマクレイノルズとルームメイトのローパーから、好意的とはいえない歓迎を受ける。高校時代、スター選手だったジェイクに対する洗礼だった。野球エリートとは思えない風変わりな先輩たちと、新学期までの4日間を過ごす。決して長くは続かない、人生最高の時の幕開けだった。

やっかいな映画だった。
ストーリーが存在しない。
もっと踏み込んで言うと、物語において必須となる主人公の目的や葛藤が描かれない。

修学旅行中にクラス全員が拉致され、連れていかれた孤島で命の奪い合うゲームを強いられた『バトル・ロワイアル』。

正義感の強い主人公・七原はみんなを連れて孤島からの脱出を試みる。(目的)
しかし、みんなは自分を守るために必死で、同級生の命を奪おうとする。
みんなを助けられない現実を知った七原はひどく葛藤する。
自分は間違ってるのか、自分も戦わないといけないのか。でも同級生に手をかけたくはない。

こんな感じで物語は、キャラクターの目的や葛藤があるから、ついつい応援して見入ってしまうもの。
しかしこの映画は、ただ学校が始まるまでの四日間を野球部のチームメイトと遊び倒すだけの内容である。

目的や葛藤が描かれないとキャラクターの魅力が伝わってこない。
ただよく分からない若者たちがワチャワチャやってる姿を見せられるだけである。

しかも、監督は故意にこういった脚本を執筆しているのだから困る。
上記で「やっかい」と表現したのはそのため。

物語の作り方がヘタクソで、結果的にこうなってしまったのなら、いくらでも指摘できる。
が、あえてシナリオ文法を無視して作られているので、いちいち退屈だった箇所を挙げるのも野暮となる。
なので、属性としてはエンタメではなく、アート系に分類される。

間違いなく万人受けしないし、私は一切ハマらなかった。
何なら終盤はダラダラ野球やっているシーンを見せられて、かなり退屈である。

この映画は『6歳のぼくが大人になるまで』の精神的続編になる。
本当に6歳の少年を12年間追いかけ続けると言うとんでもないコンセプトの映画だ。
面白い試みだし、私も観た。

よくよく考えたら『6歳のぼくが大人になるまで』もシナリオがない。
ただ、主人公の成長をカメラに収めているだけである。
確かにすごい映画だとは思うが、面白いとは言い難い内容。
方向性としては、確かに『エブリバディ・ウォンツ・サム』は精神的な続編である。

『エブリバディ・ウォンツ・サム』の面白かったところをあげると、主人公のわずかに描かれる恋愛部分と泥相撲くらい。
リチャード・リンクレイター監督にとってこの映画は自身のノスタルジアに浸れるかもしれないが、私はまったく共感できなかった。

エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中にの作品情報

■監督:リチャード・リンクレイター
■出演者:ブレイク・ジェンナー ゾーイ・ドゥイッチ
■Wikipedia:エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):87%
AUDIENCE SCORE(観客):68%

エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中にを見れる配信サイト

U-NEXT:○(見放題)
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(字幕・有料)
TSUTAYA TV:○(有料)
Netflix:-
※2020年2月現在

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。