映画の海

約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

③魔法のランプ

映画『ペット・セメタリー(1989)』ネタバレなしの感想。引っ越し先の近くにある墓地に亡くなったペットを埋めると蘇る

投稿日:3月 13, 2020 更新日:

■評価:★★☆☆☆2.5

「子供を愛する想い」

【映画】ペット・セメタリー(1989)のレビュー、批評、評価

ホラー小説家でおなじみスティーヴン・キングが1983年に発表した長編小説を原作とした映画である。

脚本はスティーヴン・キング自身が書き下ろしている。

原作は1983年に発表されているが、原稿自体はそれ以前に完成されている。
発表が遅れた理由として「あまりの恐ろしさで発表が遅れている」といった噂が囁かれていたそう。
キング自身は「奥さんがこの本の発表を止めている」と言及していたが、確かにあらすじを読むと納得できる。

余談だが、今年1月17日にリメイク版が日本で劇場公開されている。

メイン州の田舎町に一軒家を購入した医者のルイス・クリードは、妻レイチェルと幼い娘エリー、生後間もない息子ゲージ、エリーの愛猫チャーチを持つ幸せな家族を築いていた。そんな一家が住む家の裏には森に続く小道があった。近隣の老人ジャドに案内してもらうと、森の一画には『ペット・セマタリー』と書かれた看板が掲げられたペットを弔う墓地があり、ジャドも愛犬スポットを埋葬した過去を聞かされる。レイチェルが子供たちを連れて実家に帰省していたある日、家の前の道路で猫のチャーチがトラックに轢かれて命を落す。ルイスは身近な死を受け入れた経験のないエリーにどう説明すればいいか、ジャドに相談する。するとルイスを『ペット・セマタリー』の奥に続く道の先にある謎の魔法陣のようなものが築かれたミクマク族の埋葬地に案内し「チャーチを埋めろ」と指示する。言う通りにし、翌日を迎える。ルイスは家の地下室で蘇ったチャーチに威嚇される。ミクマク族の埋葬地は命を落とした生き物を甦らせられる場所だった。

スティーブン・キングらしいオカルトチックな設定が魅力的。
シンプルで分かりやすいし、誰だって大切なペットが命を落としてしまったら甦らせたくなるものである。
ただし、甦った生き物は以前とは全く別な“何か”となってしまう辺りが憎い。

この映画を観た第一印象は「キリスト教らしい発想」だということ。
キリスト教では「最後の審判によって死者の復活する」という教えがある。
「火葬すると肉体は消滅する。いざ最後の審判を迎えた際に肉体がないと復活できない」という理由から、キリスト教徒は土葬を好む。

以前教わっていた英会話の先生曰く、アメリカ人はいい加減でその辺に人の遺体が埋まってるらしい。
普通に土葬された土地の上にビルが建てられたりする。
さすがは自由の国、アメリカである。

ゾンビ映画の起源もそうだ。
もともとは土葬した遺体が甦った化け物をゾンビとしていた。
そういった背景があるため、当初、日本でゾンビ物は受け入れられなかった。
TVゲームの『バイオハザード』が感染物のゾンビを作ってから、日本でも馴染み深いモンスターとして認知されるようになった経緯がある。
今では日本でもハイ・バジェットで作られるほどにゾンビ映画は当たり前のジャンルとなっている。(大泉洋主演のアイアムアヒーロー)

そういう意味で言えば『ペット・セメタリー』はゾンビ映画だ。
土葬したペットが甦るのだから。

映画の中身に話を戻すが、愛猫のチャーチを甦らせてからはとんでもない展開を迎える。
キングならではのエンタメ的展開にワクワクさせられる反面、これこそ先述した奥さんが本の発表を止めたとされる箇所である。
映像としての刺激は大したレベルではないが、ヒューマニズムの観点で考えると完全に一線を越えている。
ただし、理解・共感できるからやっかいである。

その後に迎えるラストもかなり印象的だった。
全く想定外の展開だったのは良い。

ただし、好みではなかった箇所も非常に多い。
80年代の古典映画なので仕方ないのだが、テンポがかなり遅い。

大きな展開の数が少ないのも気になる。
最初にペットが命を落とし、甦らせる。
これで2展開。
それ以外の大きな展開はあと数回程度しかない。

妻レイチェルの回想など、ストーリーにそこまで関わりのないエピソードがゆったりとしたテンポで盛り込まれるので無駄も多い。
必要ないと思われるキャラクターも何人か登場していて、正直邪魔である。
もっと中身をぎっしりと詰め込んで、多くの展開を見せてほしかった。
魅力的な展開があればあるだけ感情が揺さぶられるので、観客の満足度は大きくなる。

テレ東の昼間にやってそうな感じの映画である。

超自然で願いが叶う系の作品はコチラ。

■セブンティーン・アゲイン

■アラジン

ペット・セメタリー(1989)の作品情報

■監督:ケヴィン・コルシュ デニス・ウィドマイヤー
■出演者:ジェイソン・クラーク エイミー・サイメッツ ジョン・リスゴー
■Wikipedia:ペット・セメタリー(1989)
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):50%
AUDIENCE SCORE(観客):59%

ペット・セメタリー(1989)を見れる配信サイト

U-NEXT:○(有料)
Hulu:○(見放題)
Amazonプライムビデオ:○(字幕・有料)
TSUTAYA TV:○(見放題)
Netflix:○(見放題)
※2020年3月現在

-③魔法のランプ

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。