映画の海

約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

⑦なぜやったのか?

映画『母なる証明』ネタバレなしの感想。息子が殺人容疑で逮捕され、母が真実を突き止めるために奔走する

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■評価:★★★★☆4

「母の子供に対する深い愛」

【映画】母なる証明のレビュー、批評、評価

先日、興味深いツイートを見かけた。
ある妊婦の女性がこう語っていたのだ。

確かに胎動はちょっとした動きに喜ぶイメージがある。
だが、現実はとてつもなく激しい。

膀胱が押されて残尿感がひどい人もいれば、あまりの激しさに肋骨にヒビ入る人もいる。
男にはわからない女性の苦労だなあと感慨深くなった。
苦労して産むからこそ、子供に対する愛情がとてつもない深さになる。
『母なる証明』は、我が子を愛するが故に奔走する母の物語である。

母親は知的障害の息子トジュンをいつも心配していた。トジュンの悪友ジンテがいた。ジンテは悪さをしてはトジュンに責任転嫁をするため、母は絶縁を勧めるほどだった。ある日、トジュンは酒に酔った勢いでナンパしようとした少女に逃げられる。翌日、少女は遺体として発見され、トジュンは容疑者として逮捕される。心優しい純粋なトジュンが命を奪う行為に走るわけがないと信じる母は、警察や弁護士に追いすがるがまともに相手をしてくれなかった。母は自らの手で事件を真実を突き止めるために奔走する。

ストーリーが素晴らしかった。
誰もがキャラ立ちしていてエンタメ性に優れているのに、メッセージ性も強い。
最も感心したのは、タイトルにもなっているテーマ「母なる証明」の見せ方。

本作はどちらかいうとバッドエンド寄りである。(人によって捉え方が変わる終わり方)
だが、暗いトーンの結末には必然性がある。
この結末だからこそ、テーマが最大限に活かされる。

逆に明るく、誰もがハッピーになる結末では、ここまでテーマを打ち出せなかっただろう。
アカデミー賞監督のポン・ジュノならではシナリオ力を見せてくれた。

特に好きな箇所は、物語の行く末を決定付ける終盤に差し掛かる辺りでの展開。
見事な伏線回収でどんでん返しを見せてくれた。
あまりの衝撃に椅子から転げ落ちてケツが割れるかと思った。
障がい者という特異なキャラクターの特長を最大限に活用している。お見事。

役者陣が全体的に素晴らしい。
個人的には、悪友ジンテにもっと活躍して貰いたかった願望はある。
いかにもとんでもない何かをしでかしてくれそうな雰囲気を全身から漂わせている。
トジュンがジンテと一緒にいるだけで、観客まで不安に煽られるのだ。

だが、物語の肝となる事件が発生し、トジュンが逮捕されて以降はジンテの目立った活躍が見られない。
一瞬、面白そうな動きを見せるのだが、観客が期待するほどの結果には至らず。
もっとジンテを場をかき乱す存在として生かしてほしかった。

とはいえ、シナリオ自体はよく出来ているので満足度は高い。
ポン・ジュノ作品でいえば、個人的にはパラサイトの次に好みだ。
その次は殺人の追憶。

母を演じたキム・ヘジャも素晴らしかった。
2020年3月28日放送の『世界一受けたい授業 明日から変われるSP』に出演したポン・ジュノはこう語る。
「私は俳優さんの目が重要だと思っている。日本の役者でいえば、吉沢亮さん。あのまなざしを観ていると思わず引き込まれている」。
併せて「私の映画では『母なる証明』に出演されたキム・ヘジャさんは、あの大きな目だけで数百の感情を表現してくれた」とも語る。

確かにキム・ヘジャさんの存在感はえぐい。
一度見たら忘れられない眼力である。

しかしまあ、ポン・ジュノは毎回後味の悪い作品を作る。
韓国社会の闇深さを物語っているのかもしれない。

母が奮闘する映画はコチラ。

■今日も嫌がらせ弁当

■きみはいい子

■ターミネーター2

母なる証明の作品情報

■監督:ポン・ジュノ
■出演者:キム・ヘジャ ウォンビン チン・グ
■Wikipedia:母なる証明
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):96%
AUDIENCE SCORE(観客):88%

【h4】母なる証明を見れる配信サイト

U-NEXT:○(有料)
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(字幕・見放題)
TSUTAYA TV:○(見放題)
Netflix:○(見放題)
※2020年4月現在

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。