映画の海

約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

⑦なぜやったのか?

映画『13F』ネタバレなしの感想。現実と仮想世界を行き来し、殺害された上司の事件の真相に迫る

投稿日:4月 13, 2020 更新日:

■評価:★★★☆☆3

「当たり前を疑え」

【映画】13Fのレビュー、批評、評価

1999年3月31日にアメリカで公開され、大ヒットとなった『マトリックス』。
実はこの世界は、人間を支配する機械によって作られた仮想現実だった。
というぶっ飛んだ世界観のストーリーで、世界的に大ヒットを記録した。
主演を務めたキアヌ・リーブスは『マトリックス』によって大ブレイクを果たす。

実は『マトリックス』の数か月後に同じく仮想現実をコンセプトにしたSF映画が公開されたのを知っているだろうか。
『13F』は1999年5月28日にアメリカで公開された『マトリックス』と同様にアメリカ制作の映画である。
まさにシンクロニティ(同時発生、偶然の一致)。
残念ながら一足先に公開された『マトリックス』が社会現象レベルに流行ったため、『13F』は完全に埋もれて陽の目を浴びれなかった。

当時はインターネット定額サービスのブロードバンドが登場し、家庭にインターネットが普及した時代。
インターネットという題材を膨らましたアイディアのシナリオが、当時は溢れていたのかもしれない。

1999年。バーチャルリアリティ(仮想現実)の研究をしているダグラスは、コンピューター内に1937年のロサンゼルスを再現しようとしていた。ある朝、ダグラスは目を覚ます。手元には血まみれのシャツがあり、自身の記憶も曖昧になっていた。そこへダグラスの上司であるフラーが、何者かによって命を奪われたと聞かされる。アリバイのないダグラスは容疑者にされてしまった。身の潔白を証明するため、ダグラスは事件を独自に調査する。そこでフラーがコンピューター上の1937年の仮想現実と現実を行き来していた事実を知る。ダグラスは真相を突き止めるため、1937年へダイブする。

意外や意外、かなり楽しく観れた。
『13F』では作られた箱庭世界で、キャラクターたちが生活する仮想世界をコンピューター上に構築している。
キャラクターは自律型なので、箱庭世界で仕事をしたりバーで酒を飲んだり自由に日々を満喫している。
現実世界の人間は装置を使ってキャラクターに意識を飛ばし、仮想現実の世界に入り込めるのだ。

そんな感じで、仮想現実と現実を行き来して調査をするという流れが面白い。
パラレルワールド旅行をしているような不思議な感覚を楽しめるのだ。

仮想現実にダイブする際は制約がある。
機械に入って意識を仮想現実に飛ばすのだが、身体的な負荷がかかるため時間制限が設けられている。

そのため、限られた時間でフラーが命を落とした原因と、ダグラス自身が失った記憶を取り戻すための捜査をする必要がある。
仮想現実はセピア色で描かれる。
観客が現実とごっちゃにならないように配慮されているのも良い。
しかも「あっちの世界は色に問題がある」と、いかにもまだ仮想現実の技術が発展途上であるといった感じで説明される。
世界観の設定に上手く絡めているのも良かった。

特に素晴らしかったのはどんでん返しだ。
一つ目のどんでん返しは正直、大した内容ではない。
SF映画を良く見てる人ならすぐに分かる見慣れた展開だ。

だがその後に訪れるもう一つのどんでん返しが最高。
伏線もうまく貼っていて、すっかり騙されてしまった。
予想できる人は少ないのではないだろうか。

ただ、不満点も多い。
あんまり仮想現実が魅力的ではない。
せっかくのSF映画なのに1930年代の仮想世界を作られても仮想世界感がないのだ。
イマジネーションを豊かにして、ぶっ飛んだ未来の世界を構築してほしかった。

この映画があまり評価されていない一つは、世界観の魅力の低さだと思われる。
なぜなら『マトリックス』は仮想現実はもちろん、現実世界もイカれてる。

『マトリックス』の仮想世界は独自の変わったルールがあり、非常に面白い。
仮想現実内では超人的な動きを可能とし、主人公は修行して、スーパーマンへと変貌を遂げる。
このシークエンスがまるで少年漫画のようでワクワクさせられるのだ。
さらに、ブリッジして弾丸を避ける名シーンが『マトリックス』の代名詞となって社会現象を加速させた。

現実世界も負けていない。
機械に支配された『マトリックス』の現実世界は地獄絵図だ。
人間たちは断崖に築かれた無数の繭のような入れ物に幽閉され、エネルギーを吸われているのだ。(その間、仮想現実を見せられている)
この映像は一度見たら忘れられない強烈なインパクトを持つ。

一方で『13F』は現実も仮想現実も実に普通である。
『13F』の製作スタッフは『マトリックス』を観たとき、「やられた~」ってつぶやいただろうな。
とはいえ『13F』は気になる点はありつつも、シナリオ自体は面白いので個人的には好き。

仮想現実を題材とする映画はコチラ。

■HELLO WORLD

■マトリックス

13Fの作品情報

■監督:ジョセフ・ラスナック
■出演者:クレイグ・ビアーコ  アーミン・ミューラー=スタール  グレッチェン・モル
■Wikipedia:13F
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):29%
AUDIENCE SCORE(観客):63%

13Fを見れる配信サイト

U-NEXT:-
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(字幕・有料)
TSUTAYA TV:○(有料)
Netflix:-
※2020年4月現在

-⑦なぜやったのか?

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。