■評価:★★★☆☆3
「アイデンティティの獲得」

【映画】ローラーガールズ・ダイアリーのレビュー、批評、評価
「好き」って大事だ。
「好き」に囲まれた人生を送っている人ほど最高に幸せになれる。
金さえあれば幸せになれるって勘違いしている人もいる。
個人的な意見として、マルチ商法(ネットワークビジネス)で稼ごうとする人のほとんどが金目的で動いている。
だが、金って目的にするモノだろうか。
中には稼ぐだけで幸せになる人もいるだろう。
だが「金」はあくまで手段としてのモノだ。
たくさんあったからといって幸せには直結しない。
金を使って何をするか、が大事である。
話を戻すが、苦痛でしかない仕事だったり趣味がなかったり、「好きじゃない」に囲まれている人は不幸だ。
本作は「好き」を見つけ、アイデンティティとして自信を身につけた主人公の話。
アメリカ・テキサス州の田舎町に住む17歳の少女・ブリスは、母に言われるまま、美人コンテストに出場している。母の期待に応えようと奮闘はしていたが、いつかこの田舎町から抜け出す日を夢見ていた。ある日、友人のパシュと観戦した女子のローラーゲーム『ローラーダービー』に魅了され、入団テストへの参加を決断する。
会話劇で楽しませてくれる。
常に誰かしらがユーモアの効いた台詞を放つのだ。
アホなキャラも多く登場するので、会話が飛び交ってるシーンはずっと楽しい。
やっぱり主演のブリスに扮したエレン・ペイジは魅力的である。
コメディエンヌとしての能力が高く、背の小さい彼女だが妙な存在感を放っているのだ。
特にエレン・ペイジが妊娠した女子高生に扮した『JUNO/ジュノ』は最たるである。

ただ、本作は『JUNO/ジュノ』に比べるとキャラクターが弱い。
ジュノは飄々としている大人びた女子高生で、何事にもポジティブで行動的なキャラクター。
女子高生なのに妊娠するという、なかなか強烈な人生の節目を迎える。
にも関わらず、新しいバイトが探すくらいの感覚で、養子を望む夫婦の情報が載った雑誌を眺める。
どんなに困難に阻まれても、何ならちょっと楽しんじゃうくらいの感覚で果敢に立ち向かうのだ。
男以上に逞しいタフネスな少女で、オッサンの私でもジュノを尊敬するくらい。
だが、本作のエレン・ペイジが扮したブリスはかなり弱気。
「美少女コンテストで優勝」という母の夢を押し付けられて、反抗できずに仕方なく参加していたり。
精神的な弱さが、キャラクターとしての魅力の乏しさに繋がる。
あと本題となるローラーダービーのバトルが全然、面白くない。
これは映画としてかなり致命的。
スピード感もなく、ただみんなでふざけ合って遊んでいるだけに見える。
むしろローラーダービーより会話シーンをたくさん見せてほしいと思ったくらい。
あと、ユーモアな会話は飛び交ってるけど、魅力的なキャラクターが少なめ。
際立った特徴のあるキャラクターが少ないのだ。
コメディであれば、もっと個性的なキャラを多く出してほしい。
特に微妙だったのがブリスが恋するバンドマンの男。
音楽やっている以外何の特徴もない。
何でこんな男に惚れるのかが謎である。
エレン・ペイジ好きな人は見て損はない。
ただし、『JUNO/ジュノ』を期待して観ると肩透かしを食らう可能性大なので注意が必要。
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■ガリーボーイ
■志乃ちゃんは自分の名前が言えない
ローラーガールズ・ダイアリーの作品情報
■監督:ドリュー・バリモア
■出演者:エレン・ペイジ マーシャ・ゲイ・ハーデン クリステン・ウィグ ドリュー・バリモア ジュリエット・ルイス
■Wikipedia:ローラーガールズ・ダイアリー
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):85%
AUDIENCE SCORE(観客):74%
ローラーガールズ・ダイアリーを見れる配信サイト
U-NEXT:○(見放題)
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(字幕・有料)
TSUTAYA TV:-
Netflix:-
※2020年4月現在