映画の海

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⑧バカの勝利

映画『口裂け女2』ネタバレなしの感想。幸せの絶頂だった女子高生が、トラブルに巻き込まれて顔に硫酸を浴びてしまう

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■評価:★★★☆☆3.5

「悲劇」

【映画】口裂け女2のレビュー、批評、評価

口裂け女は1979年の春から夏にかけて日本で流行り、社会現象にもなった都市伝説である。

口元が完全に隠れるほどのマスクをした若い女性が学校帰りの子供に「私、キレイ?」と尋ねてくる。
「きれい」と答えると、「これでも?」と言いながらマスクを外す。
すると耳元まで大きく裂けている口が露わになるというもの。
逆に「きれいじゃない」と答えると、包丁やハサミで命を奪われるという。

当時、口裂け女の都市伝説は全国の小・中学生に非常な恐怖を与え、パトカーの出動するまでの騒ぎになった。
今のコロナでいう、インフォデミックである。
(インフォデミック:正しい情報と不確かな情報が混じり合い、人々の不安や恐怖をあおる形で増幅・拡散されることを意味する)

ルーツは多数存在しており、未だに不明。
中にはCIAが噂の広がり方を検証するために流した情報だという、都市伝説の都市伝説すらも誕生する始末。

余談だが、韓国でも2004年に流行しており、2019年には『ゴーストマスク~傷~』というタイトルで、日本人監督が韓国・ソウルと日本の地方を舞台に撮った作品もある。

舞台は1978年。岐阜県で養鶏場を営む沢田家は幸せの絶頂にいた。長女・幸子は結婚間近、次女・雪枝は子供の頃からの夢だった美容師になり、三女・真弓は高校の陸上で活躍していた。幸子の結婚式当日、幸子の元カレで父・光三が経営する養鶏場の取引相手の鈴木正彦が姿を現す。数日後、自分を裏切った復讐で鈴木は沢田家の幸子の寝室に侵入し、寝ている幸子だと思われる女性に硫酸をかける。だが寝ていたのは幸子から部屋を譲ってもらった真弓だった。

一人の少女が口裂け女になるまでを描いた、いわゆる口裂け女ビギニング。
続編だが、話として独立しているので、本作から観ても何の問題もない。

前作は、白石晃士監督作品。
『ノロイ』『貞子vs伽椰子』などのホラー映画を手掛ける監督で、フェイクドキュメンタリー演出を得意とする。
熱狂的なファンも多く、私もそのうちの一人。

話を戻すが、本作のホラー要素はほんの少し。
ヒューマンドラマとしての側面が強く、かなり切ない物語である。

主人公であり、後に口裂け女になる真弓の転落っぷりに焦点を絞って作っているのは好感が持てる。
そもそも真弓は何も悪くない。

陸上でも評価され、大好きな先輩との恋仲も進展しそうで、絵に描いたような順風満帆っぷりである。
だが突如として、悲劇に見舞われる。
姉だと勘違いされて、姉の元カレから顔に硫酸かけられるのだ。

骨まで溶けてしまい、「現代の医学ではこれが限界」と言われて包帯が欠かせない姿になる。
結果的に陸上やら恋愛やら、上手くいっていたすべてを失い、人生が闇に没する。
あまりに不幸すぎて、完全に感情移入してしまった。
壮絶な不幸に見舞われているので、真弓がどんな行動を起こそうが許したくなる。

良かったのが「私、キレイ?」「これでも?」という口裂け女の代名詞にもなっている有名な台詞を自然に発しているところ。
ストーリーの流れに上手く組み込んでいるのは良かった。

あと口裂け女は足が早く100メートルを6秒で走るという設定もある。
真弓は陸上出身。
この辺りの相互関係もちゃんと意識しているのは笑ってしまった。
他にべっこう飴やポマードに弱いという有名設定もあるので、せっかくだから上手く組み込んで欲しかった。

本作はB級感は強い。
ステレオタイプなキャラの言動は若干気になるし、元彼が幸子の寝室に忍び込むという悪行に端を発する物語だが、「普通、結婚したら実家から出るだろ」って思わずツッコミたくなる。

雑な箇所は散見されるが、ストーリー自体は興味深い。
悲劇としての物語としてちゃんと作られているので、そこまで期待せずに見たせいか満足度は高め。

優れた悲劇映画はコチラ。
■ナイチンゲール

■母なる証明

■家族を想うとき

■万引き家族

口裂け女2の作品情報

■監督:寺内康太郎
■出演者:飛鳥凛 川村ゆきえ 岩佐真悠子
■Wikipedia:口裂け女2

口裂け女2を見れる配信サイト

U-NEXT:-
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(DVD)
TSUTAYA TV:-
Netflix:-
※2020年4月現在

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。