映画の海

約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

⑧バカの勝利

映画『詩人の大冒険』ネタバレなしの感想。詩人・画家として名高い男が一目ぼれした女に近づくため、貧乏人を装う

投稿日:

■評価:★★★☆☆3.5

「バカの奮闘劇」

【映画】詩人の大冒険のレビュー、批評、評価

『少林サッカー』と言ったらコメディ・アクション映画の最高峰に君臨する傑作中の傑作だ。
少林寺拳法の使い手たちが集まって、サッカーをするというぶっ飛んだコンセプトで、使われるCGも荒め。
基本はコメディなので、ふざけてばかりで笑える。
だが、泣けるのだ。
これには理由があって、アマゾンレビューでとある男性が上手く表現している。

その男性は『少林サッカー』の内容を【散り散りとなった社会の底辺の仲間たちが再び結集したとき、奇跡が起こる!】と表現している。
まさにその通りだ。

主人公のシンは少林寺拳法の達人だ。
だが時代は変わり、世間は少林寺拳法に見向きもしない。

シンは少林寺拳法を再び流行らせるため、サッカーの大会での優勝を目指すのだ。
そのため、バラバラになった兄弟子たちを探し出す。
再会した兄弟子はかつての面影はなく、堕落している。
だが試合を通して、兄弟子たちは少しずつ全盛期の力を取り戻していく。
この流れに心を揺さぶられるのだ。

レビューを書いた男性は、過去会社の閉鎖でリストラにあったそう。
かつて共に働いた「昔の仲間」と再会を果たせる、まるで夢のような話が少林サッカーで描かれていた。
自分の過去とダブらせ、泣いたと語っている。

そんな最高の映画を世に送ったチャウ・シンチーの初期の主演、監督作品が『詩人の大冒険』。
本作は公開された1993年に本国・香港で最も稼いだ映画となった。

詩人・画家として名高いトン・バッフーは女好きで、8人の愛人に囲まれた優雅な暮らしを堪能していた。だが、どこか虚しさを覚えてた。愛人たちはギャンブルにのめり込み、トン・バッフーを金づるとしか思っていないのだ。ある日、トン・バッフーは街で見掛けた富豪に仕える使用人・チャウヒョンに恋をする。チャウヒョンは街で評判の美女で、多くのライバルがいた。トン・バッフーはチャウヒョンに近づくため、名声を捨てて貧乏人のフリをして富豪の家で働く作戦を決行する。

久しぶりにチャウ・シンチー映画を観たが、相変わらず下らない。
十秒に一回はふざける。
ちょっとでもシリアスになろうもんなら、即、張り詰めた空気をぶち壊して笑いに走る。

チャウ・シンチーの良い特徴の一つは、コメディが死ぬほど分かりやすい点。
小学生にでも分かるほどにIQの低いボケで楽しませてくれる。
ドラゴン・ボールの作者の鳥山明がチャウ・シンチー監督作品の『西遊記~はじまりのはじまり~』を絶賛していた過去がある。
確かに鳥山明作品とチャウ・シンチー作品はどこか似通っている。

良い意味で商業的だ。
多くの人に受け入れられる、大事な条件の一つがシンプルさだ。
結果として、間口の広さに繋がる。
なぜ、1993年当時にこの映画が人気を博したのか納得である。

予想外だったのがアクションの素晴らしさ。
私はコメディ映画のつもりで鑑賞したが、意外とアクションシーンが多かったのも印象的。

そもそもチャウ・シンチーはカンフーが出来る俳優である。
たびたび彼が扮するトン・バッフーのカンフーによるバトルシーンが結構な迫力を見せる。
香港映画ならではのワイヤーアクションもド派手に展開してくれるので、テンションは爆上がりである。

女性で一人、堂に入るアクションを見せてくれた。
私は存じていなかったが、チェン・ペイペイというハリウッド映画『グリーン・デスティニー』などにも出演しているアクションができる女優だそう。
新しい電子マネーの名前みたいだが、女性で男と対等に動けると一段とカッコ良く見える。

女優で言えばヒロインのチャウヒョンに扮したコン・リーも色気があって魅力的。
存在感があり、なぜトン・バッフーが彼女に魅了されるのか強い説得力がある。
この映画、かなり見所が多い。

ストーリー自体は雛型通りで、目新しい見所はない。
本作は『バカの勝利』というストーリーの型が採用されている。
バカが、みんなにバカにされながら本来の能力開花させて勝利するという流れ。

この映画では、ヒロインに近づくため、能力のある男がバカになりきって近づくというもの。
能力を隠しながらピンチに陥るので、観客はついつい「いつになったら力を見せるんだ!」と思いながら映画に没入する。
個人的に、チャウ・シンチー映画では少林サッカーの、次くらいに好きになった。

バカにされる主人公の逆転劇映画はコチラ。

■バジュランギおじさんと、小さな迷子

■パッドマン 5億人の女性を救った男

■ヘアスプレー

■チェリーボーイズ

詩人の大冒険の作品情報

■監督:チャウ・シンチー リー・リック・チ 
■出演者:チャウ・シンチー コン・リー チェン・ペイペイ
■Wikipedia:詩人の大冒険(英語)
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):-
AUDIENCE SCORE(観客):88%

詩人の大冒険を見れる配信サイト

U-NEXT:-
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(DVD)
TSUTAYA TV:-
Netflix:-
※2020年5月現在

-⑧バカの勝利

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。