映画の海

約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

①家のなかのモンスター

映画『ミミ』ネタバレなしの感想。母が入院してしまい、残された少女がイジワルな叔母に引き取られる

投稿日:

■評価:★★★☆☆3

「大人の男性から性的な目で見られる少女の恐怖体験」

【映画】ミミのレビュー、批評、評価

グリム童話のひとつに『赤ずきん』がある。

赤ずきんをかぶった女の子がお使いを頼まれ、森の先にあるおばあさんの家に向かう。
道中で出会ったオオカミにそそのかされ、道草をする。
その間に先回りをしておばあさんを食べたオオカミは、おばあさんに成りすまして赤ずきんが来るのを待つ。
おばあさんの家に到着した赤ずきんをオオカミが食べる。
満腹になり、寝入ったオオカミを、通りかかった猟師が発見。
オオカミの腹の中から二人を救出。
赤ずきんは言いつけを守らなかった自分を悔い、反省する。

要約するとこんなストーリーである。
教訓となるのはざっくり以下の2つ。
『親の言いつけを守ろう』
『見知らぬ人について行ってはいけない』

本作『ミミ』は『赤ずきん』をモチーフとし、「大人の男性から性的な目で見られる少女の恐怖体験」を描く。

12歳の少女ミミの母親がある日、大量の睡眠薬を飲んで病院に運ばれた。翌日からミミは、引き取られた叔母のマンションで暮らし始める。だが日が経つにつれ、ミミは叔母からぞんざいに扱われるようになる。

幼さ、および親を選べない残酷さを痛感した。
母は夫とのトラブルで、睡眠薬を大量に飲んで入院。
ミミは引き取られたイジワルな叔母からひたすらに粗雑に扱われるのだ。

寝る場所はドラえもんを彷彿とさせる、狭い押入れ。
ミミのやることは、叔母からすべて禁止される。
家にあった人形でミミは遊んだりするが、「それは玩具じゃないから遊ばないで」と。
さらに、「外で遊んできて」と言われて、事あるごとに家から追い出される始末。

こんな小さな子供を一人で外に出させたら危険だろう。
ミミの身の心配などせず、叔母は新しい恋人との生活を満喫しているのだ。
最低である。

ミミの八方ふさがりな状況を観ていると、ついつい共感する。
世の中って、実は毒親率が高い。
ミミを観て、不自由だった子供時代を思い出す人も多いのではないだろうか。

私もまさに過去を思い返してしまった。
私の両親もTHE毒親なので、理不尽な悲劇に直面するミミには共感し、感情移入しっぱなし。

ミミはおとなしい。
基本的には何でも従順である。
あまり口を開かないのも印象的。
自己主張がないのだ。

だが、追い込まれたときに、ささやかながら自己主張を見せる。
このシーンにはちょっと心が動かされた。

本作のテーマは「大人の男性から性的な目で見られる少女の恐怖体験」
個人的な意見だが、性に対して怖く見せるために、叔母と彼女の恋人をもっと優しく描いても良かったのではないだろうか。

楽園に感じるくらいに、ミミは叔母らの手厚い歓迎を受ける。
だが夜になると、叔母らはまるで獣のように激しく性交する。
たまたまミミがその様子を目撃し、別人に変身したように見える二人に恐れ慄く――みたいな。
この構図のがテーマを描きやすかったのではないだろうか。

『赤ずきん』がモチーフというのも、ちょっとしっくりこなかった。
だが、テーマはユニーク。
52分という短い映画だが、そこそこ楽しく鑑賞できた。

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■小さな恋のうた

■ぼくらの七日間戦争

■ホームアローン

ミミの作品情報

■監督:ルシール・アザリロヴィック
■出演者:サンドラ・サマルティーノ デニス・スクロプファー ミシェル・トリロ
■Wikipedia:ミミ(英語)

ミミを見れる配信サイト

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Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(DVD)
TSUTAYA TV:-
Netflix:-
※2020年5月現在、TSUTAYA渋谷店でVHSがレンタル可

-①家のなかのモンスター

執筆者:

名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。