■評価:★★★☆☆3
「青春の淡い思い出」

【映画】あの頃、君を追いかけたのレビュー、批評、評価
台湾の人気作家ギデンズ・コーの自伝小説を自ら監督して映画化したのが本作。
台湾や香港で記録的なヒットをたたき出した青春映画となる。
1994年。台湾中西部の町・彰化。男子高校生のコートンは悪友たちとつるみ、いつも下らないイタズラで授業を妨害し、担任の教師を困らせていた。ある日、教師は対策として、優等生の女子生徒チアイーを監視役としてコートンの後ろの席に座らせる。コートンは口うるさいチアイーにうんざりしていたが、次第に彼女に惹かれていく。
青春の美しさ、儚さを見事に描いてくれた。
青春は喜びと同じくらい、痛みがある。
好きな女子に告白する勇気が持てずにいたら、他の男に取られたとか。
一生懸命、部活を頑張っていたが、大会で負けたなど。
喜びだけではなく、痛みの経験があるから青春時代に価値が生まれる。
本作は幼稚でイタズラ好きな男子・コートンと、クラスで人気者のヒロイン・チアイーのラブストーリー。
先生の命令によって仕方なく、チアイーがコートンの言動を監視するようになる。
次第にチアイーは、勉強嫌いのコートンに勉強を教えるようになる。
コートンも最初は口うるさいチアイーにうんざりする。
だが、徐々にコートンはチアイーに対する対抗心で勉強に取り組むようになる。
勉強を通じて、正反対の二人が仲良くなる。
この展開、意外と観たことがないので、新鮮味があって良かった。
可愛い子に勉強を教えてもらうなんて、こんなハッピーな展開はあるだろうか。
最高すぎる。
観ていて羨ましくて仕方なかった。
物凄く小さいファクターだが、チアイーがコートンに勉強を教える理由が良かった。
先生からは「コートンがふざけて、周りに迷惑をかけないように監視をしてほしい」と命令されただけ。
勉強を教えるという役は、チアイーが自発的に行ったのだ。
では、なぜ教えようと思ったのか?
これが妙にリアルで良かった。
恐らくこの箇所は史実だと思われる。
二人の距離は次第に縮まっていく。
だが、恋愛映画なので距離が離れるときもある。
中盤、二人の距離の離れるエピソードがかなり弱いのは気になる。
というか、全体的にストーリーが弱い。起伏や斬新さに乏しい。
良くも悪くも、実話の特徴である。
現実はフィクションのエンタメほど、展開やエピソードに劇的さがないもの。
なので、本作はかなり地味。
もっとエンタメ性のあるフィクションを加えても良かった。
例えば『君の名は。』では、男とヒロインの距離ができるのに、彗星が関わる。
劇的すぎて、物語にのめり込みまくりである。
アニメ映画と比べるな、って話ではあるが、もう少し観客を引き込むような工夫を見せてほしかった。
とはいえ、実話なだけあって良い意味でも生々しい。
クライマックスは割りと好き。
ちょいちょい日本の文化が出てくるのも嬉しい。
SLAM DUNKとか、ドラゴンボールなど。
台湾贔屓したくなる要因の一つだし、台湾という国を身近に感じる。
思った以上に下ネタが多いのはびっくり。
ポップな演出で誤魔化してはいるが、内容は結構エグくて笑える。
「飯島愛」という名前が飛び出すのは想定外すぎる。
ちなみにエンドロール後に、ちょっとした可愛らしいシーンが挿入されているので、ぜひチェックしてもらいたい。
上記で伝えたように劇的な展開があるわけじゃないので、映画にするほどの実話ストーリーではない。
だが、純愛の良さはちゃんと描かれているので、個人的には好みな部類だった。
後、日本版リメイクが山田裕貴と齋藤飛鳥(乃木坂46)で、2018年に制作されているので興味があれば観てみるといい。
純愛描写が素晴らしい作品はコチラ。
■サイダーハウス・ルール
■ジュリエットからの手紙
■初恋のきた道
あの頃、君を追いかけたの作品情報
■監督:ギデンズ・コー
■出演者:クー・チェンドン ミシェル・チェン
■Wikipedia:あの頃、君を追いかけた
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):-
AUDIENCE SCORE(観客):83%
あの頃、君を追いかけたを見れる配信サイト
U-NEXT:○(見放題)
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(字幕・見放題)
TSUTAYA TV:-
Netflix:-
※2020年5月現在