映画の海

約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

②金の羊毛

映画『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』ネタバレなしの感想。少年が死んだと思っていた母を探す旅に出る

投稿日:

■評価:★★★☆☆3

「あなたのストーリー」

【映画】ドラゴンクエスト ユア・ストーリーのレビュー、批評、評価

1986年に発売された『ドラゴンクエスト』は家庭用ゲーム機として初のRPGで、大ヒットを記録した。
堀井雄二の脚本・ゲームデザインや、『ドラゴンボール』の鳥山明が描くキャラクターやモンスターには親しみやすさ、すぎやまこういちの迫力のあるオーケストラ音楽など、多くの要素がからみ、その後に展開されるナンバリングタイトルはどれも大ヒット。

『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』は平日に発売されたため、多くの社会人や学生が仕事や学校を休んでゲームショップに並ぶ姿がニュースになり、社会現象となった。

そんなドラゴンクエストシリーズで特に熱烈な支持を受けているのが『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』。
親子三代にわたる壮大な大河ストーリーに、モンスターを仲間にするシステムは好評を博した。

本作は『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』のシナリオをベースにした3DCGアニメ映画である。

少年リュカは父パパスと旅をしていた。母はいないが、リュカは頼りになる父の背中を見て、すくすくと成長していた。ある日、二人はラインハット城を訪れる。リュカはライハット王子のヘンリーと仲良くなる。突如、モンスターの襲撃に遭い、リュカとヘンリーはさらわれる。パパスが二人を救出に成功した瞬間、目の前にゲマが現れた。ゲマはこの世と暗黒世界を繋げ、魔王ミルドラースの復活を試みていた。一瞬の隙をつかれ、ゲマにリュカを人質に取らてしまう。手出しができなくなったパパスはリュカの前でゲマの配下に命を奪われてしまう。命が尽きる瞬間、パパスはリュカにこうつぶやいた。「母マーサは生きている」。

いざ観ると、映像にキレイさにビックリする。
さすがにディズニーアニメほど緻密な動きのある映像ではないが、十分に美麗なので満足できる。

音楽も良かった。
聞き馴染みのあるドラゴンクエストの音楽や効果音が随所に流れるので、ファンとしては自然にテンションが上がる。
シナリオはシンプルだし、ドラゴンクエストシリーズのナンバリングタイトルはストーリーが独立しているので、ファン以外でも楽しめる内容である。

問題は結末だ。
劇場公開時は衝撃の結末に、多くの批判を集めた本作。
SNSやまとめサイトでは、監督である山崎貴をまるで人でなしであるかのような厳しい批判のラッシュだった。
私はドラクエ5世代で、一番たくさん繰り返しプレイをしたのもドラゴンクエストシリーズの中ではドラクエ5だ。
本作を最後まで観てみて納得である。

何なんだこの結末。
せっかく楽しく物語に入り込んだ観客を、一気に現実に引き戻して冷めさせるような展開。
まるでミッキーマ○スの中身を引きずり出すような内容で驚かされる。
メタ構造と言えば聞こえは良いが、山崎貴の感性を疑う。

一応、ゲームファンを肯定するような終わり方ではある。
だが山崎貴って人はゲームの楽しさや、フィクションの物語に人が何を求めるかを分かっていないのではないだろうか。

途中まですごく良かったのに。
ヒロインのフローラとビアンカも可愛らしくて魅力的だった。
ケンドーコバヤシが声を担当したサンチョもツボだった。
良いところのすべてをクライマックスですべてをぶち壊す。
唖然である。
普通にボスを倒して終わりで良いのに。

驚きなのが、ドラクエの産みの親である堀井雄二は「ゲームはインタラクティブだからこそ、プレイヤーが主人公であることを実感できる。ところがこの映画は、観るだけで『ドラクエの主人公は自分である』ということを改めて思い出させてくれる」と本作を絶賛している。

信じられない。
インタラクティブだろうが何だろうが、観客は虚構の世界に浸る心地よさを感じたいのだ。
ゲームだろうが映画だろうが一緒。
ニンテンドースイッチの「どうぶつの森」が流行るのだって、現実ではない虚構の世界を自ら手で作れるから。
【プレイヤーが主人公】なんて本質じゃない。

リフレッシュ目的に、厳しい現実からの一時逃避先に、多くの人は虚構であるゲームや映画、アニメ、漫画を選ぶのだ。
だから、「子供からゲームを取り上げるのは良くない」って言われる。
もし病的にゲームに夢中になる子供がいたら、何かに悩んでいる証拠だ。
悩みが解消できないから、ゲームに逃げる。
その逃げ場を奪ったら、子供はどうなる?

この映画のクライマックスは観客の虚構愛を踏みにじっているとしか思えない展開だ。
山崎貴の共感性の欠如には驚いた。
これを真顔で作ったなんて信じられない。
デリカシーなさすぎ。
ひどい!悪魔!モテなさそう!バカバカバカ!

親子に渡って、一つの難題に立ち向かう系映画はコチラ。

■インターステラー

ドラゴンクエスト ユア・ストーリーの作品情報

■監督:山崎貴(総監督) 八木竜一 花房真
■出演者:佐藤健(リュカ) 大西利空(少年期のリュカ) 有村架純(ビアンカ) 波瑠(フローラ) 坂口健太郎(ヘンリー) 高月雪乃介(少年期のヘンリー) 山田孝之(パパス) ケンドーコバヤシ(サンチョ)
■Wikipedia:ドラゴンクエスト ユア・ストーリー(ネタバレあり)
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):-
AUDIENCE SCORE(観客):78%

ドラゴンクエスト ユア・ストーリーを見れる配信サイト

U-NEXT:-
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(Blu-ray)
TSUTAYA TV:-
Netflix:-
※2020年5月現在

-②金の羊毛

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。