映画の海

約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

③魔法のランプ

映画『愛しのローズマリー』ネタバレなしの感想。美人好きな男が催眠術により、心のキレイな女性が美しく見えるようになる

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■評価:★★★☆☆3.5

「マイノリティの美しさ」

【映画】愛しのローズマリーのレビュー、批評、評価

ファレリー兄弟は過激なバカ映画ばかり撮っているコメディ映画監督。
代表作は『ジム・キャリーはMr.ダマー』『メリーに首ったけ』。
そんな、ファレリー兄弟の最新作は2018年でアカデミー賞を受賞した『グリーンブック』である。
(厳密には兄ピーター・ファレリーの単独監督作品)

ファレリー兄弟作品には、本物の障害者が障害者の役として出てくるのが特徴の1つに挙げられる。
彼ら曰く「障害を個性の一部というスタンスで捉え、あくまでハンデキャップを持つ一人の人間として描く」とのこと。

本作『愛しのローズマリー』も、表面的にはおバカコメディ。
だが、テーマはシリアスで、マイノリティの美しさを描こうとする意気込みが伝わってきた。

亡き父の遺言により、中身は二の次で外見だけが美しい女性ばかりを追いかける平凡な男・ハル。ある日、エレベーターで知り合った有名なセラピストに催眠術をかけられ、内面の美しい女性が絶世の美女に見えるようになった。直後、ハルは街で見掛けたローズマリーに一目惚れをする。だが彼女は実は、体重100キロを超える巨体の女性だった。

コメディ映画なだけあって、笑える箇所が多くて楽しい。

本作は人を外見ではなく、内面で判断する大切さをテーマとする。
描き方としては極端なので、嫌悪感を抱く人もいるかもしれない。
つまり『美人=性格の悪い、見た目が悪い=性格が良い』と描いている。
この映画が観客に伝えたいメッセージはあくまで『人の本質を知ろうとしよう』というマジメな内容。

この映画、表現はバカっぽいけど、安直にこの映画を見下す人は足元をすくわれる。
なぜならコミュニケーションの本質をついてるから。

思った以上に世の中、決めつける人は多くないか?
あなたも経験はあるだろう。
大して関心を持たれず、見た目やちょっとした行動で「君はこういう人間だよね」と判断された経験が。

こういった決めつけは最悪である。
決めつけるのではなく疑問を持つべきである。
「なぜこの人は、こんな行動を取るのか」
「なぜこの人は、こんな趣味を持っているのか」

人の本質に迫ろうという精神こそが、人との交流で重要であると本作は説く。

私が本作で最も心を動かされたのは、成長したハルがヤケドまみれの少女に放ったクールなひと言。
思わず涙腺を刺激された。

少女の本当の姿を初めて見たハルは戸惑った。
だが、一度、受け入れた体験があるから、この一言をスムーズに放てたのだ。
ハルの成長に涙腺を刺激された。

あとローズマリーに扮したグウィネス・パルトローが美しすぎ。
アメリカ人の女性の多くは、自己主張が強烈でサバサバしている。
対してローズマリーはしおらしい。
自身の生き方にもプライドを持っていて、ボランティア活動には余念がない。
グウィネス・パルトローの抜群の容姿と相まって、絶妙な色気を醸しているのだ。

ハルの楽観的な振る舞いも面白いし、この映画、魅力的なキャラクターがかなり多い。

テーマとしてマイノリティを扱っているのも、監督の新作の『グリーンブック』に通ずるものがある。
恐らく、監督の近親者や知人に障害を抱える人がいるのだろう。

余談だが、グッチが最近、歯並びの悪いモデルを広告に採用してちょっとした話題になった。
かつてグッチのデザイナーだったトム・フォードは「スーツ姿で最も色っぽく見える瞬間は、ネクタイを外したとき」と語る。
不完全なところに美しさが宿るのだ。

かなり満足度の高い映画。

一風変わったラブストーリーはコチラ。

■ビューティー・インサイド

愛しのローズマリーの作品情報

■監督:ピーター・ファレリー ボビー・ファレリー
■出演者:ジャック・ブラック グウィネス・パルトロー
■Wikipedia:愛しのローズマリー
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):50%
AUDIENCE SCORE(観客):45%

愛しのローズマリーを見れる配信サイト

U-NEXT:○(見放題)
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(字幕・有料)
TSUTAYA TV:○(有料)
Netflix:-
※2020年6月現在

-③魔法のランプ

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。