映画の海

約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

⑨組織のなかで

映画『駆込み女と駆出し男』ネタバレなしの感想。夫との離縁を望んで縁切寺・東慶寺に駆け込む女たちを描く

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■評価:★★★★☆4

「離縁」

【映画】駆込み女と駆出し男のレビュー、批評、評価

江戸時代は男尊女卑が色濃い時代である。
男児が生まれなければ「お家断絶」。
つまり家系が断絶されて、身分は剥奪され、領地や屋敷なども没収されていた。

しかも、子供が産めない責任は、当然のごとく女性に押し付けられる。
男女同権の主張が強い今では信じがたい。

今でもたまに耳にする「三下半(みくだりはん)」という言葉は、江戸時代、夫から妻へ一方的に離縁状を突きつける行為を指す。
本作は江戸時代の離婚にまつわる物語となる。

江戸時代後期。夫は妻を一方的に離縁をできるが、妻から離縁を望んでも叶わない男尊女卑が強い時代。鎌倉には離縁を望む女たちが駆込む幕府公認の縁切寺、東慶寺があった。だが、駆け込めばすぐに入れるわけではない。まずは、御用宿で聞き取り調査が行われるのだ。戯作者に憧れる見習い医者の信次郎は、そんな救いを求める女たちを預かる御用宿・柏屋に居候することに。同じ時、堀切屋三郎衛門の妾のお吟と、浜鉄屋を営むじょごが駆け込みにやってくる。

世界観の緻密さが凄かった。
登場人物の挙動や喋りのイントネーションなど、かなり拘って演出されている。
特に印象的だったのは言葉。
ぜんぜん何を言っているのかが分からない。

というのは言い過ぎだが、難しい言葉が多く使われてているため、会話の2~3割は意味が理解できなかった。
会話スピードも早さも相俟って、ストーリーを追いかけるのは難解を極める。
私のように時代劇に慣れていない人は、普通に観て楽しむのは難しいだろう。

そのため、『hmhm』というネタバレサイトのあらすじを読みながら鑑賞した。
かなり細かくあらすじを書いてくれているので、おすすめである。
難しい言葉の意味も、一部は解説してくれているので助かった。

私が本作に関心を持った1番の理由は、現代の文化との違いを題材としている点。
江戸時代では男は自分の意志で離婚できるのに対し、女性はそうはいかない。
そのため、離婚したくてもできずに泣き寝入りする女性は多かった。

そんな女性たちを救済するための駆け込み寺の東慶寺がある。
東慶寺で2年、修行することで、強制的に夫に離縁状を書かせられるようになるのだ。

本作ではさまざまな女性たちが駆け込み寺に向かう。
面白いのが、離縁をしたい理由が「ただ旦那がイヤで離婚したいから」に限っていない点である。
多くのユニークな理由がドラマを生んでいる。

原作の『東慶寺花だより』は著者の井上ひさしが10年をかけて執筆したとのこと。
念入りに取材をして得たエピソードを基に作り込んだのだろう。
エピソードのどれもがリアリティに富んでいて、フィクションとは思えない生々しさがある。

シンプルに、本作を観ると、当時の女性の離婚の大変さが伝わる。
男尊女卑がここまで酷いのは、あまりにむごすぎる。
極端な権力を持つというのは、誰にとっても幸せにならないケースに陥りがちである。

この映画のおかげで時代劇に興味が湧いた。
現代とは異なる文化を題材で展開させる物語は、興味深く観れるもの。
会話は難解だったが、かなり楽しく鑑賞できた。

あと、満島ひかりがやけに色っぽいオーラがあって良かった。
なぜ彼女が売れっこなのかが良く分かる素晴らしい演技である。

別れを題材とした作品はコチラ。

■トイ・ストーリー3

■さよならくちびる

駆込み女と駆出し男の作品情報

■監督:原田眞人
■出演者:大泉洋 戸田恵梨香 満島ひかり 内山理名 樹木希林 堤真一 山崎努
■Wikipedia:駆込み女と駆出し男

駆込み女と駆出し男を見れる配信サイト

U-NEXT:○(見放題)
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(見放題)
TSUTAYA TV:○(見放題)
Netflix:○(見放題)
※2020年7月現在

-⑨組織のなかで

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。