映画の海

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③魔法のランプ

映画『怪しい彼女』ネタバレなしの感想。頑固で世話好きなお婆さんが突如、20歳の頃に姿に戻る

投稿日:

■評価:★★★☆☆3.5

「人生の可能性は無限大」

【映画】怪しい彼女のレビュー、批評、評価

韓国映画『トガニ 幼き瞳の告発』のファン・ドンヒョク監督作品。


本作は世界中で好評を博しているのか、日本、中国、ベトナムでリメイクが制作されている。
タイ、インドネシア、インド、ドイツでもリメイク計画が進行中とのこと。
日本版は多部未華子が主演である。

果たして本作はどんな内容の映画なのか。

70歳のオ・マルスンは頑固で世話好きなおばあさん。マルスンの元奉公人で男やもめ(妻を亡くした夫)のパク氏と共にカフェで働くマルスンは、女手一つで育てた一人息子の大学教授ヒョンチョル、姑恐怖症の嫁エジャ、就職活動そっちのけでバンド活動に没頭する孫息子ジハ、就職浪人中にもかかわらず呑気な孫娘ハナに囲まれ、にぎやかな日々を過ごす。ある夜、マルスンはふと目に留まった『青春写真館』に入り、記念撮影をする。店を出ると、自分が20歳の頃の姿に戻っていることを知って驚愕する。

韓国映画の名作は、描写のキツめなサスペンス映画が多い印象がある。
悲劇的、あるいは一言での表現が難しい考えさせられる結末で、観終わってもしばらくは尾を引く。
『パラサイト 半地下の家族』『バーニング 劇場版』『アジョシ』『お嬢さん』『チェイサー』『哀しき獣』などなど。

だが本作は、ポップでコメディタッチなジャンル映画。
ストーリーも分かりやすくて雛形通り。
映像はやたらと明るく、私がイメージする韓国映画とは異なる作風で、新鮮な気持ちで楽しめた。

一番の見どころといったら、主演のシム・ウンギョンである。
可愛いんだが可愛くなんだかよくわからない不思議なルックスで、本作の役柄に絶妙にマッチする。
古風で田舎っぽいルックスなので、おばあちゃんが若返った女性という設定のキャラクターが良く似合うのだ。

余談だが、シム・ウンギョンが過去に主演した『サニー 永遠の仲間たち』も、主婦の主人公の高校時代を演じている。
『サニー 永遠の仲間たち』ははちゃめちゃに面白い作品なので超絶におすすめ。
私は韓国映画を30本以上観てきているが、ベスト3に食い込む傑作。

話を本作に戻す。
マルスンの見た目は若返ったのだが、内面は肝っ玉の据わったお節介なおばあちゃんに変わりはない。
電車の中では、他人の泣き喚く赤ちゃんをあやしたり。
あるいは加入したバンドのメンバーに嬉しい出来事があれば、みんなのケツを豪快に叩いて喜んだり。
二十歳とは思えないギャップのある言動の数々に笑わせてくれるのだ。

あとマルスンはせっかく若返ったので、かつて諦めたやりたいことやるようになる。
大好きな歌を歌うため、バンドに加入するのだが、やけに上手なのだ。
まあ中身はおばあちゃんなので歌う曲は昭和歌謡のようなスローテンポな曲だが、意外と聞ける曲だったし、何より歌声に魂がこもっていて魅了される。

調べたら、劇中曲をすべてシム・ウンギョン本人が歌っている。
シム・ウンギョンは子供の頃に声楽を習っており、歌は得意だそう。
制作チームからは吹き替えの提案があったみたいだが、彼女自身が歌うことを志願したそう。
見事に成功していてお見事である。

シム・ウンギョンはコメディエンヌとしての能力も高いし、芸達者で素晴らしい女優。
もっと彼女のいろんなコメディ作品を見たくなる。

本作で一番気になるのは、タイトルである。
『怪しい彼女』って邦題はかなり微妙。
もっとキャッチーなタイトルにしてほしい。
いくらなんでも抽象的すぎて、映画の内容が連想できない。

あと本作は誰が観ても楽しめるが、年配の人のほうが共感指数は高そう。

若返り系の傑作はコチラ。

■セブンティーン・アゲイン

怪しい彼女の作品情報

■監督:ファン・ドンヒョク
■出演者:シム・ウンギョン ナ・ムニ パク・イナン ソン・ドンイル ジニョン キム・スルギ
■Wikipedia:怪しい彼女(ネタバレあり)
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):80%
AUDIENCE SCORE(観客):87%

怪しい彼女を見れる配信サイト

U-NEXT:○(見放題)
Hulu:○(見放題)
Amazonプライムビデオ:○(字幕・見放題)
TSUTAYA TV:○(有料)
Netflix:○(見放題)
※2020年7月現在

-③魔法のランプ

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。