映画の海

約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

④難題に直面した平凡な奴

映画『コンテイジョン』ネタバレなしの感想。致死率100%の未知のウイルスが世界中に広まる

投稿日:

■評価:★★★☆☆3

「【恐怖】は、ウイルスより早く感染する」

【映画】コンテイジョンのレビュー、批評、評価

新型コロナウイルス(COVID-19)。
2020年7月13日の時点で世界で1278万人が感染し、56万の命が奪われている。
生きているうちに、これほど実生活に影響を及ぼすパンデミックを体験するとは思わなかった人も多いだろう。

いつ自分が感染するか分からない。
薬もないので、感染したら死に至る危険もある。

未知のウイルス故に、世間は真偽不問の数多な情報で溢れる。
デマの拡散によって買い占めが起こり、スーパーから多くの商品が消えたり。
あるいは自粛警察なるアホが出現して、営業する飲食店等はいやがらせを受ける悲劇も多発する。
新型コロナは、人間の弱さを顕著とさせる非常に興味深い事象でもある。

そんなコロナ禍において、映画ファンの間で、もっとも話題となった映画が本作『コンテイジョン』。
まるで今回のコロナ騒動を予言しているような内容となっているらしい。
私も期待に胸を膨らませて鑑賞した。

香港での所用を済ませたベス・エムホフは元恋人の男と会うため、シカゴに立ち寄る。2日後、ミネアポリス郊外の自宅にて、ベスは痙攣を起こして意識を失う。ベスの夫ミッチは慌てて病院に運ぶが、ベスはあっけなく命を落とす。ミッチが自宅に戻ると、継子のクラークがベスと同じような症状で命を落としていた。すぐさまミッチは病院で隔離されるが、ベスとクラークが罹患した原因不明の病気に免疫があると判明。娘のジョリーが待つ自宅に解放される。アトランタでは、DHS(国土安全保障省)の職員らがCDC(疾病予防管理センター)のエリス・チーヴァーに会い、この病気が感謝祭の休みを狙った生物兵器によるテロではないかという懸念を伝える。

コロナ禍が発生して以降の、国民の動きにそっくりなのが興味深い。
例えば陰謀論者のアランが、自身のブログに書いた【とあるデマ発言】が呼び水となり、国民が躍らされてパニックに陥る。

日本でもまったく同様の出来事が発生した。
『ゆうじ』と名乗る転売ヤーのツイッターでの発言により、トイレットペーパーなどの紙類が日本中のドラッグストアから消えたのだ。

コロナ禍はインフォデミックとも呼ばれる。
デマなどの情報に国民がパニックに陥る現象を意味する。
パンデミックと情報を意味するインフォメーションを組み合わせた造語である。

7月13日の現在では、東京は200人以上の感染者が出ている。
第一波の時よりも上回っていて、一部では「再び緊急事態宣言をしろ!」なんて声も耳にする。

だがよくよく調べると、第一波の時と状況が大きく異なる。
現在は夜の街関連もあり、第一波の時と比べPCR検査が10倍以上に増えている。
そのため、感染者数が数字上では増えているに過ぎない。

現在は若い人の感染が多く、重症化してる感染者も第一波と比べると実は少ない。
何ならコロナウイルスが弱毒化しているなんて話もある。(これは定かではない)
現状を知れば知るほど、緊急事態宣言をする必要性は皆無である。

有事だからこそ、落ち着いて信ぴょう性の高い情報を仕入れて、正しく恐怖に備える必要がある。
だが、デマや表面上の数字に踊らされて冷静さを欠く人間は、一定数出てくるのだ。

映画に話を戻すが、他にもマスク姿でソーシャルディスタンスを取ったり、本作は何かとコロナ禍を彷彿とさせるシーンは多い。
コロナ禍において話題になったのは納得である。

感染経路を追うシーンはワクワクさせてくれる。
ベスを第一感染者として、録画された監視カメラの映像を通じて、感染経路を探る流れはまるで探偵ものを観ているようだった。
だが、残念ながらそこまで深く描かれないのはちょっと物足りない。

本作は、思った以上に地味だった。
ウイルスに感染したところで、ゾンビになるわけでもない。
ただ重症化して命を落とすのみ。
迫力のある映像は少なく、パニックになった大勢の人を映されるシーンにスペクタクルを感じるくらい。

感染症の怖さを、もっと明確に数字などで描いて欲しかった。
いまいち、この映画のウイルスがどのくらいやばいのかがイメージできるように描いていない。

序盤で感染力の強さを、インフルエンザなどの他のウイルスとの対比で描いてはいた。
それも良いんだが、毒性の恐ろしさも、もう少し分かりやすく見せてほしい。
感染してから死に至るまで何日間か猶予がある。
いっそのこと数時間後に命を落とすくらいでも良い。

あと、登場人物が多いのは良いが、視点人物が地味。
研究者や、免疫を持つ男の家庭などが主な視点人物。
貧困層とか犯罪者など、バラエティに富んだ人間の各々のパンデミック時の行動を見せてほしかった。

本作がなぜ、公開時にそれほど話題にならなかったのかが納得。
ジャンルをつけるならパンデミック・シュミレーション・スリラーといった感じ。
エンタメとして作るなら、感染経路を探るミステリー映画として描いたほうが面白かったかもしれない。
あるいは『イキガミ』のような死が確定した人間の行動を見せるドラマにしても見応えはある。

パニック物の傑作はコチラ。

■EXIT

コンテイジョンの作品情報

■監督:スティーブン・ソダーバーグ
■出演者:マリオン・コティヤール マット・デイモン ローレンス・フィッシュバーン ジュード・ロウ グウィネス・パルトロー ケイト・ウィンスレット
■Wikipedia:コンテイジョン(ネタバレあり)
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):85%
AUDIENCE SCORE(観客):63%

コンテイジョンを見れる配信サイト

U-NEXT:○(見放題)
Hulu:○(見放題)
Amazonプライムビデオ:○(吹替・有料)○(字幕・有料)
TSUTAYA TV:-
Netflix:○(見放題)
※2020年7月現在

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。