映画の海

約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

①家のなかのモンスター

映画『テイキング・オブ・デボラ・ローガン』ネタバレなしの感想

投稿日:

■評価:★★★☆☆3

「過去に犯した罪」

【映画】テイキング・オブ・デボラ・ローガンのレビュー、批評、評価

ホラー映画は観客に恐怖を与えるため、手を変え品を変えリアリティを演出する。
よく目にする演出の1つが、実録ものだ。
「あれば昨年の夏の出来事だ。あの日は一段と暑い夜だった……」といった具合に主人公のナレーションから始まる例のやつだ。

つまり、『今から映される映像は、実際に体験した出来事だ』と、ナレーションが示すのだ。
いかにも実話、って感じでリアリティがある。
ただ、これにはデメリットがある。
実録ものは主人公がどんな怖い目に遭おうとも、『絶対に死なない』という事実を提示しているのだ。
主人公がナレーションでしゃべっているので。
なので、ちょっと怖さが半減する。

だが、このデメリットを払拭する演出がある。
それがPOV。
ファウンド・フッテージやフェイクドキュメンタリー・モキュメンタリーなどと称されるときもある。

実際に主人公らがカメラを回して撮影したドキュメンタリー調の演出を指す。
「今からお見せする映像は、森で発見されたカメラのフィルムである」と。
冒頭でこのようなテキストを流せば、主人公の生死のネタバレ問題はクリアできる。

本作はPOV作品によるホラーとなる。

医大生のミアはドキュメンタリー映画の制作のため、クルーを引き連れてヴァージニア州の田舎町を訪れる。アルツハイマーを患う老女のデボラとその娘のサラと数日間、生活を共にし、密着取材をする。デボラは意識がはっきりしているものの、夜になると夢遊病によって家のみながらず、外にまで出て徘徊してしまう。アルツハイマーの症状の1つと医者には診断されるが、次第にデボラの奇行はエスカレートしていく。

アルツマイマー(認知症)という題材から広げているアイディアが上手い。
実際にある病気なので、デボラの奇行を自然に受け止められる。
徐々に、病気とは思えない異常な行動へとエスカレートしていく様は、違和感なく呑み込めるのだ。

あとデボラのヨボヨボな感じも妙に怖くていい。
「飯をちゃんと食ってんのか?」と心配になるほどに体がペラペラな貧相な体形の老婆。
だが、後にデボラが見せる狂気は、家そのものを破壊してしまうほどのおぞましい力を見せる。
対比が異様な怖さを生み出しているのだ。

ただ、本作は細部がかなりお粗末な作り。

本作は前置きでも伝えているが、POVという手法を取る。
実際にカメラマンが撮影している設定である。

低予算でありながら、ドキュメンタリーのように生々しい映像が取れる特徴がある。
ホラー映画との相性が良く、私が好きな演出である。

だが、本作はPOVにも関わらず効果音を付け足している。
本当に辞めてほしい。
せっかくのドキュメンタリックなリアルな映像なのに、効果音を加えたら作り物感が生まれて台無しである。

さらにある日の深夜、行方不明になったデボラを捜索するシーンがある。
なぜか家の中を、電気をつけずに懐中電灯で捜索していて違和感を覚える。
確かに暗い中を懐中電灯で進むのは怖い。
奥行が見えないので、観客はドキドキするからだ。

だが、いくらなんでも家の中で懐中電灯は不自然すぎる。
電気系統が壊れたなどの設定を入れたらいい。

本作は作り手の未熟さが垣間見える映画だった。
でも面白い箇所もあるので、観て損はないレベルではある。

超自然系のホラーはコチラ。

■バード・ボックス

■心霊写真

テイキング・オブ・デボラ・ローガンの作品情報

■監督:アダム・ロビテル
■出演者:ジル・ラーソン
■Wikipedia:テイキング・オブ・デボラ・ローガン(英語)
映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):89%
AUDIENCE SCORE(観客):48%

テイキング・オブ・デボラ・ローガンを見れる配信サイト

U-NEXT:○(見放題)
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(字幕・見放題)
TSUTAYA TV:○(見放題)
Netflix:-
※2020年7月現在

-①家のなかのモンスター

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。