映画の海

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⑨組織のなかで

映画『悪女/AKUJO』ネタバレなしの感想。殺し屋として育てられた女性を描く

投稿日:7月 31, 2020 更新日:

■評価:★★★☆☆3.5

「悪女にならざるをえなかった女性の人生」

【映画】悪女/AKUJOのレビュー、批評、評価

藤原竜也主演でリメイクされてヒットした、『殺人の告白』のチョン・ビョンギル監督作品。

殺し屋として育てられた女性・スクヒは、育ての親の親ジュンサンにいつしか恋心を抱き、仲睦まじい関係になる。新婚生活を幸せに過ごしていたところ、ジュンサンは敵対する組織に命を奪われる。逆上したスクヒは復讐を決行する。だがその際、国家組織に身柄を確保され、政府直属の暗殺者として第2の人生を歩み始める。ジュンサンの子を孕んでいたスクヒは、子供と、運命的な出会いを果たした男性と幸せな日々を送るようになるが……。

アクションがすごいと評判を聞いて鑑賞した。
が、思いのほか、アクションよりもドラマ部分に惹かれた。
厳密には主人公スクヒのキャラクター。

殺し屋が主人公の物語は、それほど鮮度の高い設定ではない。
リュック・ベッソン監督による、ジャン・レノ、ナタリー・ポートマンの『レオン』だったり、韓国映画でも『アジョシ』のような名作映画がすでに存在する。

だが、本作は主人公を演じた女優さんがよかった。
私の個人的な価値観だが、あまりルックスが好みではなかった。
だが、気づいたら彼女を全力で応援していた。

序盤、スクヒは全く笑顔を見せない悲壮感の漂う雰囲気がある。
国家組織に囚われてからは、妊娠が発覚し、子供ができる。
子供の前だけでは人間らしい笑顔を見せるのだ。

スクヒにどんな背景があって殺し屋として育てられたのか、背景は詳細に描かれない。
だが、子供の前で笑顔を見せたとき、彼女の抱えていた呪縛から解放されたかのような清々しさが漂うのだ。
観客は自然と、スクヒに感情移入していく。

アクションは確かに素晴らしい箇所もある。
後半の、バスを追いかけるシーンは、なかなかのスタイリッシュな見せ方で、面白いアイディアだった。
だが問題は冒頭である。

本作は冒頭7分、一人称視点のワンカット・ノンストップアクションが展開される。
特に評判が高いこのシーンを楽しみにしていたが、大きく期待を裏切られた。

細い廊下で大量の敵を、一人で一人ずつ始末していくのは良い。
だが、大部屋に入ったとき、敵の大群がスクヒを待ち構える。
「スクヒはどう対処するんだ?」と期待に胸を躍らされて観ていたら、何の迷いもなく、ど真ん中に一人で特攻した。

私は唖然とした。
いくら何でもバカすぎる。
オンラインのFPSやTPSの対戦ゲームを経験している人ならすぐにわかる。

私はスプラトゥーン2をよくプレイしている。
スプラトゥーン2は4対4のオンラインによる対人ゲーム。
4人の敵が固まっていると分かっている地帯に特攻するのはめちゃくちゃ怖い。
一人くらいはやれても、ほかの人間にほぼ間違いなくキルされるから。

ゲームですら怖いのに、敵が何十人もいる所に突っ込むのはただの脳筋である。
このシーンは心底にげんなりさせられた。
例えば、ドアの隙間から大量の敵の存在を確認したあと、一人ずつ何らかの方法で始末する流れのほうがリアルである。

スクヒの命を狙っているのかと思ったら、いきなり助けたり、よくわからない立ち位置のキャラクターもいたりしたが。
ストーリーは良かったので割と楽しめた。

強い女性が主人公の作品はコチラ。

■ナイチンゲール

■ロシアン・スナイパー

悪女/AKUJOの作品情報

■監督:チョン・ビョンギル
■出演者:キム・オクビン ソンジュン
■Wikipedia:悪女/AKUJO(英語)
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):85%
AUDIENCE SCORE(観客):64%

悪女/AKUJOを見れる配信サイト

U-NEXT:○(見放題)
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(吹替・有料)○(字幕・見放題)
TSUTAYA TV:○(見放題)
Netflix:-
※2020年7月現在

-⑨組織のなかで

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。